パッチフリー作品その１

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元の作品様です。

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キミを守るタメに（パッチ修正後バージョン）

「どうして来たの……シルヴァーナ」

今にも泣き出しそうな曇り空の下　僕は彼女に向き合う

青髪で蒼色の瞳をした彼女を見つめた

見つけられるとは思ってなかった　でも、見つけることが出来た

どうしても伝えたかった　伝えたい言葉があった

「キミを守るために」

「私を止められるものは誰もいないの」

そう言って笑う彼女

背中を押され、ボクは言った。

「そんなことはしらないよ」

「嘘つき」

ただ否定されただけだった

「ボクはただ」

「……」

「キミを守るために来た」

それでももう一度伝えた

リーインは強かった

世界を守るために戦った仲間

そのために全てをなげうってそして

世界を救った後　最後の脅威はリーインだけだった

「どうして……」

雨がぽたりと降ってきて、頬を濡らす

それはまるで　涙のように見えて

でもその水滴が突然凍った

リーインの身体はもうその魔力を抑えきれない

賢者が言っていた

リーインを殺せ

あれは世界をまるごと凍りつかせてしまう

「どうして？　それを教えるために俺はここに居るんだ。大将に頼まれてな。大将に感謝しろよ？　女のために額に土をつけられる男なんて、そうは居ないぜ」

「あなたは……？」

「俺か？　俺はしがない探偵さ。金を積まれて、金目当てに大将に手を貸した。人探しの依頼なんざ、目を瞑っててもこなせるね」

「できないよ……」

生まれて生きて１６年

いつも一緒にいたリーインを殺すなんて

「大将はこう言ってる。嬢ちゃん、本当に分からないのかい？」

「シルヴァーナ」

「男が涙を流す理由なんて、この世にゃ一つしかねえよな」

「どうした……？」

「私しあわせだったよ」

「ボクもだよ」

探偵は肩をすくめる　無言で、ボクらに背を向けて

しあわせの形はきっと

誰のものともおなじじゃない

ボクはそう思いたいと思った

「リーイン」

「どうした……？」

「共に生きていこう」

なんとなく　大丈夫だとおもった

ボクたちなら乗り越えられる

そう信じる心が　ある限りは

「うん……」

そこでリーインははじめて泣いた

ボクはリーインの頭をなでた

リーインの頭は冷えていて気持ちがいい

しあわせの冷たさだった

「シルヴァーナ　ありがとう」

「リーイン　ありがとう」

雨はもう止んでいた

ぼくらはそして歩き出す

虹のたもとを目指して―――