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速攻終わった勇者の伝説

見切り発車という奴です。あらすじもかなーり適当ですので面白くはございません。

 プルルとなって相手が出る。

『お、勇者殿。なに?』

 あまりにも気楽な声。

「おまえなぁ、天下の勇者殿が今から魔王の城に突入するとこなんだぞ?」

『だって私にはカンケーないし』

 そうなんだが・・・。

「まぁ、いいや。最後にお前の声が聞けたし」

『最後?これから死ににでもいくわけ?』

「勇者様?だれとお話ですか?」

 からかうようなお気楽な声。

 俺の仲間の一人ルミナスが話しかけてくる。

「ちょっと友人とな。じゃ切るぞ」

『どーぞー。てか、異世界と繋がる携帯電話ってなんなんだろうね』

「しらねぇ。じゃあな」

 何か言っていたが聞こえないふりをして切る。

「さぁ、突入するぞ!」

「はい!」

「はーい」

 後からやる気なさげに答えたのは二人目の仲間ルミナル。ルミナスの双子の妹だ。

 俺の仲間は二人。魔王を倒すといっても仲間は集まらなかった。というか、こちらの世界の魔術師が独断で行ったことらしく、異世界からきたといっても信じる人は居なかった。

「いくぞー!」

「「おぉー!」」

 重々しい扉を開けて中に入る。


 数分後。雑魚を壊滅させて魔王の部屋前に。

 ルミナルとルミナスに感謝!

「入るぞ」

 二人ともコクリとうなずく。

 携帯がヴヴヴとなった。メールが届いたらしい。気にすることなく入る。

「クスクス。遅かったね。やっとここに来たのかい」

 割としっそな部屋の窓際に少女が座っていた。

「お前が、魔王だな」

「ふふ。こちらではそうなるんじゃない?」

 何がおかしいのかずっとクスクス笑っている。

「何がおかしい?」

「だって、もう手遅れだもの。この世界は私の一言で私の手の中に入るし、もう異世界との道も開通させた。全て手遅れなんだよ!」

「手遅れはお前だ。お前の命、ここで終わる!」

 一気に襲い掛かる。

 ルミナルたちもなにやらもにゃもにゃと呪文を唱えて援護してくれる。

 だが、全てを避けられる。

「だから、ておくれだってばぁ。おとなしく自分の家に帰りなよ」

 クスクスと笑いながらこいつは避ける危なげなく。

「自分の家に帰るためにお前を殺さなきゃダメなんだよ!」

「私なら、あなたを返せるけど?」

 体が止まりそうになるのを必死でおさえる。

「それは、ありえない!おれが帰れるのはお前を殺した時だけだと、魔術師が言っていた!」

「そんなわけ無いじゃない。例えばそこのルミナス。その子ほどの魔力があれば易々とあなたを帰せるわ。モチロン、ルミナルも帰せる」

「本当か?」

「えぇ」

 意外とあっさり肯定するルミナス。

「ですが、残念ながら私は空間魔法を習得しておりませんので無理かと思われます」

 パァン!とルミナルの魔法が魔王を直撃する。が、直前で何かに弾かれた。

「私もかなぁ。空間魔法は上級魔術師しか覚えられないから~。十年位したら覚えられるんじゃないかなぁ?」

 妙に間延びした声。

「ウソおっしゃいな」

 魔王が口を挟む。

「あなたは、習得しているでしょう?私が教えたもの。いえ、正確にはあなたは私の分身。私が使えるものが使えなくて分身が勤まるの?」

 ビシッとルミナルたちを指差して言った。だが、その言葉はどちらか一人に向けられている。

「「私たちは空間魔法なんて覚えてない」」

 二人同時に言った。さすが双子だ息ぴったりでポーズまで同じだ。

 背をすっと伸ばし凛として立っている。

「クスクス。まぁいいわあなたは私の奥の手だし、ここでばれたらお終いだもの」

 俺はまた襲い掛かる。

「それにしてもあなた、顔が驚愕にゆがまないのね。つまらないわ」

 すこし考え込むようにあごに指を当てる。

「そうね・・・。早いけどあなたに驚きの真実を明かしてあげましょうか。その綺麗なお顔が驚愕にゆがみ、怒りに満ちるのが楽しみね・・・」

 パチンと指を鳴らす。

 すると後ろから悲鳴が上がった。

「どうした!?」

「ルミナス!どうしたの!?」

 ルミナスはルミナルを後ろから首に短剣を突きつけている。

 その目は緑ではなく、真っ黒だった。

「ルミナス!?貴様!何をした!」

「あぁ!その顔が見たかったのよ!何もしてないわ。使命を果たした人形は手元に戻さないとね・・・」

 クイッと手首を返す。手招きをするように。

 ルミナスはルミナルを抱えたまま魔王の下へ歩み寄る。

「もう一人特別ゲストをお呼びしましょうか。あなたの顔が怒りに満ちるように」

 シュッと右腕を右に伸ばす。するとその先に画面が出てきた。

「!」

 その画面には電話していた相手、美月が映っていた。

「おまえ・・・何するつもりだ?」

「クスクス。こうするのよ」

 合図のように手をふる。すると、美月の首筋にナイフが突きつけられた。

「さぁて、どうかしら?ちなみにこれは時限式。十数分後には振り下ろされるわね」

「貴様・・・・・・」

「そうそう、本気を出してもらわないとね」

 余裕綽々の笑みで言う。

 俺は魔王に襲い掛かった。








 ゴトッと鈍い音がしてなにかが落ちる。

「ふんっ、口ほどにも無いわね。ルミナ「ル」もういいわよ」

「はぁい」

 かわいらしい声を出してルミナルはルミナスの短剣を奪うと腹部に深々と突き刺した。

 フッとルミナスが消える。

「弱かったねぇ。やっぱり何処へ行っても同じなのかなぁ?」

「そうではないことを願うわ。次行くわよ」

「はぁい」

 黒い穴を作ってくぐる。その先は、勇者が元々いた世界。魔王など言っても聞かれない世界だ。

「次はどうしてやろうかしら?まぁ、まずはこの世界になれないとね。今回は姉妹という設定にしましょうか。美月」

「そうだね。お姉ちゃん」

 この少女、魔王はあなたの傍にいるかもしれない。征服の時を待ちながら。

こんなものを読んでくださってありがとうございました。

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