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第4話

前半のあとがきを、第3話として改稿いたしました。

===

挑戦状


我、本校舎に宝隠しけり

その在処へのヒントは以下の通りである


1. 子どもがな、好きなんだよ葉と茎が

2. ある国、日本人の誰もが習う表音文字に隠れる


達成できなければ、宝は回収す

13時までが制限だ


===


「おお。なんか、それっぽい感じがするな」

「だろだろ?」

 赤堂さんは自慢気な笑みを浮かべている。それが空元気に見えた気がして、少しだけもやりとした。直ぐにそういう風に捉えようとする俺の目は、たぶん腐ってでもいるのだろう。実は嬉しくないのではないか、なんて疑いを直ぐに向けてしまう。

 あまりヒントの無かった『放課後の屋上少女』のものと比べてみると、今回の方はまだ解けそうな雰囲気があった。それはそれとして。これはまたトレジャーな謎が出て来たなと思ったが、それは口にしない。この挑戦状を一緒に解くことを楽しみにしてくれている赤堂さんに悪い気がするからだ。

「これ、本当にお前のクラスメイトが作ったのか?」

「多分な。三時間目が終わった時くらいかな。これ解いてみなよ。こういうの、好きでなんしょ?って言って渡されたんだ」

 そう言って赤堂さんは嬉しそうに笑う。なるほどそんなことがあったのか、と思いながら、その人は赤堂さんのことを気に掛けてくれている人なのかな、と思う。もしくは、彼女の担任である篠崎先生が『存在しない友達関係』の件から、赤堂さんが好きな傾向を理解して、そういった趣向で赤堂さんに話かけてみないかと彼女のクラスメイトに促したのではないだろうか。

 俺自身の経験的にも、クラスで孤立して、そういう気の回し方をされたことがある。取り敢えず学校に友達は出来てくれた。次はクラスの子とも、なんてことを篠崎先生が考えていてもおかしくはない。あの先生はきっと、優しい先生の部類なのだろうなと思う。でも、その優しさが必ずしも助けになるとは限らないことを、俺は知っている。

 だが、この謎解きがきっかけで彼女に友達ができることがあるのなら、それ自体は喜ばしいことだと思う。この件がきっかけで赤堂さんに、1年2組のクラスの中にも友達が出来れば。その時には、俺という存在はお役御免になるかもしれない。

 きっと、その方が赤堂さんも幸せになれるだろうという考えが浮かんでかぶりをふる。俺と関わる人は皆不幸になるなんて傲慢な考えは、昔辞めた筈だろうに。ほんと、難儀な性格になってしまったものだ。

「2 .はローマ字だろー、1.はなんだろうな。書いているもの的に子どもが好きな葉か茎だろ?うーん。だいこん?」

 赤堂さんは首を傾げている。そしてチラチラと此方に視線を向けてくる。その仕草は、尾緒神も何か意見をくれないか、と言って来ているようだった。そんなに一緒に解きたいと思ってくれていたのかと思うと、なんだか少し嬉しく感じた。そんな彼女の笑顔を疑った自分が恥ずかしいくらいだ。

「大根はないだろ。それは葉や茎以前に根っこだぞ」

「あ、そっか。じゃあ(いちご)とか林檎(りんご)も果実だから違うくなるよな。うーん。子どもが好きな葉や茎ってなんだ?」

 赤堂さんは、顎に手を乗せながら目の端で此方を見てくる。同じ意味の仕草だ。そういえば、前の時は一緒に解くのではなく、対決方式だった。だからか、此方の意見を促すような視線を向けられることには少し違和感がある。だが、それが一緒に解くということなのだろう。いい加減、俺も一人でなんとかしてきた時間が長すぎた。

 今回は一人なんかじゃなくて、友達と一緒に謎に当たる。うん。なんかいいな。こういうの。俺にもこんなことができたのか。

 「今度こそ私達は正しく謎を解明する。今度は私とお前の二人がかりだ。もっと簡単に真相を解明出来るかもしれないぞ!」なんて言われたことを思い出すと、少しだけ胸がジーンとした気がした。『放課後の屋上少女』の件では一度失敗もしているけれど、それでも赤堂さんはあの時からこうなることを望んでくれていた。

 だったら俺も、それに答えないと。そう思って顎に手を置いて挑戦状の内容を考え始める。


 でも凄いな。赤堂さんはもう一番の答えが分かったのか。挑戦状の中身を開いてからは、まだ一分も経っていないんじゃないか。

 この調子でいけば、俺が考える必要はないのかもしれない。それより前に赤堂さんが全部解いてしまうことだって可能かもしれない。一緒に解くと言った手前、そうなったら悪いとは思う。だが、赤堂さんが楽しめたのならそれはそれでいいのかもしれない。そうなったら俺は楽でいいかもな。なんて妄想をして、鞄の中に手を伸ばす。しかし、その手は、目的のものに届く前に赤堂さんに掴まれた。

 びっくりとして赤堂さんの方を見る。彼女は、無表情だった。その変化に背中がひやりと冷えた。なんだ。一体今の一瞬で何が起きたというのだろうか。俺の思考は彼女の急な変化についていけずにおいてけぼりにされる。

 また、無自覚に相手を傷つけてしまっていたのだろうか。そんな思いで心が暗くなる。だが、「気にすんな」と言ってくれた彼女の言葉を思い出して気持ちが沈まないところで思い留まる。いや、そうじゃない。そう思って彼女を見る。

 赤堂さんの顔には一切の緩みがない。気のせいかもしれないが、その瞳はいつもより少し大きくなっているような気がした。彼女は逡巡、何も話すことはなかった。ただ黙って俺の手を掴んで、どこか虚構を見つめ続けている。その姿を見て、どことなく今朝の彼女を思い出す。違う。俺が何かしたんじゃない。彼女は、俺と同じように自分の中に閉じこもっている。何かを悩んで、勝手に一人で繰り返して何も見えなくなってしまっている。

「赤堂さん、どうかしたか」

「どうして」

 彼女はポツリと呟いた。俺は戸惑う。

「一緒に解こうって、お昼休みに話したよね」

 顔を上げた彼女と、俺と視線が合う。いや、そんな気がしただけだ。彼女の目は、此方を見てなどいない。その瞳の中は渦巻いていて、真っ黒に染まっている。何も見ず、自分の中を永遠と見つめ返している。口から出る言葉とともに、その表情は歪んでいく。

「どうして、そんなに興味のない素振りをするの。どうして、本なんて取り出そうとするの。約束したのに、一緒に解くって言ってくれたのに」

 再び下へと視線が落ちていきながら、表情の歪みもまた消えていく。

 どうして、どうして、と言葉が続いていく。今思い返すことでもないかもしれないが、前回も赤堂さんの感情の落差は激しかった。急に元気になって不思議になった記憶がある。今回はその逆だ。急に暗くなった。考えてみると、それは酷く心が不安定な状態だと考えることができるのではないだろうか。感情の落差の激しさは、心が安定していない証拠なのではないだろうか。

 彼女の瞳は、何も映さないように、暗く染まっている。

 そこまで考えて頭を振る。違う。俺はただ自分の都合のいいように解釈をして。勝手な推測で決めつけようとしている。悪い癖だ。でも、もしこの推測が間違っていなかったとしたら。

 彼女は一体、どうしてそんな状態になったのだろうか。それは、以前の件からも大体推測できたことでもある。何故、彼女に友達がいなかったのか。あの時に敢えて考えなかったことだ。でもそれは、俺が立ち入れる話しではない。俺が介入したところでどうにもできない話しだからだ。俺だってそちら側の人間である。その悩みに対する解決ができるのなら、自分でとっくにやっている。


 こんな人間と接するのは初めてではない。思えば、自分にも今の赤堂さんのようになる時がある。こんな時は大抵、悪いことばかりを考えている。それを拭いたくても、拭えない時になるやつだ。嫌なことから逃げない、無理に頑張っているやつが壊れる前兆だ。

 少し冷静になって赤堂さんを見る。以前から、彼女が何かを抱えているだろうことは薄々と感じていた。悪い癖で、仮にこうだとしたら、なんて考えが浮かんでいた。でも、気のせいだと自分に言い聞かせていた。彼女から助けを求められた訳でもないのに、勝手に推測して弱者のレッテルを貼り付けるのはよくない。それで勝手に心配に思って助けようと動くのは、俺が嫌いな偽善でしかないからだ。

 居もしない被害者を作って勝手に哀れむ。嫌な正義。勝手に分かった気になって、勝手に自分が不幸であると決めつけてくる。そういう奴らは……。俺は、考えるのを止めた。ここで俺まで引き摺られても何も解決はしない。

 たぶん、赤堂さんも俺と同じで助けられるのを苦手とするタイプだ。勝手に不幸だと決めつけられたくないタイプの人。そうでなければ、篠崎先生に心配されているのにも関わらず一人になんてならない。優秀な人は、先生が提示する環境に適応する道を選ぶ。先生に言われて仲良くしようとしてくれた人間の手を取れるのだ。

 そう考えて、勝手に赤堂さんは俺と同じタイプの人だと思うのは、傲慢だっただろうか。

 どちらにしろ、俺の勝手な妄想を彼女に押し付けているに過ぎない。

 でも……。

 先に気にすんななんて言ったのは赤堂さんだ。多少のお節介は許してくれるだろう。だったら、俺は俺のやり方でこの問題と向き合うべきなのではないだろうか。

 彼女の、“友達”として。


 ふむ。これはまた、厄介なことになるぞ。


 取り敢えずまずは、目の前の誤解をどうにかしないといけない。

「誤解だ、俺はただ」

「どうして……。どうして……。」

 彼女の疑問は、最早俺とは関係のないところにまで伸びて行っている。なんとか誤解を解こうと思ったのに、これでは話しも聞いてくれそうにない。彼女の瞳の中に渦巻くなにかが、外の世界を見ることを拒んでいる。妄想の世界で、ずっと何かに疑問を投じ続けている。―と、同じだ。

 何か刺激があれば戻ってくるかもしれない。そう思って赤堂さんにデコピンをしようとした。しかし、左手は鞄を掴み、右手は赤堂さんに掴まれているのでそれができなかった。だから代わりにと、頭で赤堂さんのおでこを弾く。

「いた……」

 自分の頭を抑えて赤堂さんがよろめく。俺は未だ下を見続けようとする赤堂さんの視界に俺を入れる為、解放された右手でその顎を掴んで無理矢理持ち上げた。びっくりした彼女の目が見開かれる。そこに、隙間があってくれ。

「誤解だ。俺はただ、メモ帳を取り出そうとしただけだ。ほら、前の時にもノートにメモを取ろうとしていただろ。書いて考えた方が、考えが纏まることがあるんだよ。俺には」

 瞳の中の暗い渦の奥に自分の意見を流し込むように彼女の目を覗く。すると、少しずつその目に明るさが戻ってくる。

「あれ。私……。」

 それを見て彼女の顎から手を放す。

「ほら。挑戦状、解くんだろ?」

「え、あ、ああ」

 赤堂さんは再び挑戦状に目を向ける。床に落ちたそれは、なんだかもの悲しそうに見えた。俺は鞄からメモ帳を取り出すと、そこに思ったことを書き殴る。俺がこの謎のことをちゃんと考えていたんだぞと、証明するために。

「思ったんだが、この子どもがなって部分、コガナに言い換えることができると思うんだ」

 言いながら、“子どもがな”→“子がな”→“コガナ”と書いた紙を見せる。

「コガナ?」

「ああ。畑の野菜を食べる害虫だよ。そいつらは野菜の葉が好物なんだ」

「……。おう。そうだな」

 そこまで言うと、赤堂さんは俺の書いたメモを見ながら少し嬉しそうに微笑んだ。よかった、真面目に考えてくれていたんだとでもいうように。男染みた言葉使いが、彼女の素が出て来ていることを暗示しているように思う。

「だが、そこからが分からん。あいつらが好んで食べる野菜なんて沢山ある。これだけのヒントでどの野菜かを絞ることなんて不可能だ、と思う」

 このまま勢いで全部解ければよかったのにと思う。自分が情けない。

「そこはもう、纏めて菜の葉ってことでいいんじゃないか」

 そういいながら、赤堂さんは俺の持つシャーペンを取り上げる。そして、そのまま挑戦状に「菜の葉」「ローマ」と書き込んだ。

 赤堂さんにシャーペンを取られた俺は、仕方なく筆箱からもう一本のシャーペンを取り出す。そして自身のメモ帳の中に、二人で出した答えである「菜の葉」「ローマ」と書く。そしてついでに挑戦状の内容も簡単にメモした。

 取り敢えず、これでまた赤堂さんと謎解きができる状況に戻ったことに少しだけ安堵する。そうだというのに、俺の暗い部分は先程の彼女に引っ張られたのか、抑えることが出来ずに赤堂さんに対する疑いを投げかけてくる。俺はそれを必死になって振り払う。

 今は、挑戦状の謎を解かないと。


 ローマと菜の葉って、何か関係があるのかと疑問に思う。もし仮に関係があったとして、それがこの学校の何処かを表しているとでもいうのだろうか。宝の場所は、本当に分かるように作られているのだろうか。そんなことを思いながら頭を捻る。

 赤堂さんは、そんな俺を静かに見ていた。

「待てよ。2番の答えはローマじゃないんじゃないか」

「そうか?どうしてそう思うんだ」

 軽く嬉しそうにしながら赤堂さんが微笑む。疑問を投げかけられているはずなのに、そうだよ、と言われているように感じた。

「『2. ある国、日本人の誰もが習う表音文字に隠れる』、2番の問題では国名が聞かれている。ローマはイタリアの首都の名前だ。国名じゃない」

 ローマがある国はイタリアだ。

「じゃあ、『菜の葉』と『イタリア』が答えってことか」

 赤堂さんは多少の迷いもなくそう返して来る。俺の出したものに対して、そういうことかと納得するような反応はない。そんなものなのだろうか。

「ああ、たぶんな」

 言って、俺は答えに辿り着く。そして、嫌な妄想が膨らんだ。

「最後に、この挑戦状に書かれている『13時までが制限だ』を使う。さっきのコガナもそうだが、これもくだらない言い換えだ。」

()()()まで。これは、字数を制限するものだったんだな」

 赤堂さんは軽く笑みを浮かべながらいう。

 菜の葉は“菜”、イタリアは“伊”と変換するか、最初の一文字でも読むのだろう。そこから導き出される答えは

「『ない』宝なんて、隠されてないってことだよな。この挑戦状の答えは。」

 赤堂さんは視線を俯けながら言う。

「やっぱり私は、ただ馬鹿にされただけだったんだ」

 私は、じゃなくて私達な。そんなことを言える気軽な俺はそこにはいなかった。暗い心に引っ張られた俺は、そんな言葉よりも“やっぱり”という発言の方に意識がいく。

 “やっぱり”。その言葉や、今までの挑戦状を解こうとしない彼女の言動から察するに、赤堂さんはおそらく事前にこの挑戦状を“解いていた”のではないだろうか。

 最初から、自分が解く気はなかった。自分も解いているのだという素振りだけを見せて、その本質では俺だけにこれを解かせようとしていた。チラチラと此方を見ていたのは、意見を促したのではなく、俺に解かせたかったからではないだろうか。あの仕草は、赤堂さん自身で挑戦状を解くとまずかったから出たものではないだろう。後になって、やたらと自分では解かずに此方の回答を待ち、静かに見つめて来ていたところからもその事は察せられる。彼女は後半、自分で考えようとする素振りすらしていなかった。

 ところどころで感じた違和感が、それを裏付けているような気がした。どろどろとした感情が渦巻いてハッとする。だから、そんなことを考えても駄目だろと頭を振る。

 でも、どうしてそんなことをしたのだろうか。今までの赤堂さんからは考えられそうにないことだ。そうして、『存在しない友達関係』の件を思い出す。

 もしかして、赤堂さんは俺なら違う答えを出してくれるんじゃないか。そんな期待を込めていたのではないだろうか。あの時、元々あったものを修正した自分とは違って、新しい意見を持って来た尾緒神ならきっと。なんて。

 今朝、教室に来たずぶ濡れの赤堂さんのことを思い出す。屋上に行ったという彼女は、俺に会いたがっていた。それは、暗黙の了解。なんとなしに屋上に集まるようになった習慣からのことだと思っていた。でも、そうではなかったとしたら。

 彼女が持つ挑戦状を見る。

 今朝の時点で、赤堂さんは酷く暗くなっていた。ともすれば、この挑戦状はそもそも今日渡されたものでもなかったのかもしれない。既に赤堂さんはアレを解いていて、その答えが納得出来るものじゃなくて。ともすれば馬鹿にされているような内容で。一人でそれに気づき、一人だけ攻められているような気分になって。そして。

 彼女がどんな思いで屋上へ行ったのか、屋上で俺を待っていた時間があったなら、その時はどんな気持ちだったのか。そんなことを考えて。

 俺はなんて馬鹿だったんだと思う。いや、あの時にそこまで察しろというのには流石に無理がある。

 この考えは全部想像でしかない。俺が勝手に考える悪い想像だ。実際のところは、もっと単純かもしれない。そう思うけれど、それを実際に赤堂さんに聞く勇気はない。俺はこう考えたんだけど、実際のところはどうなんだ?なんて俺には聞けない。そんな度胸はない。

 そんな弱い俺は、それでも彼女の友達としていたい俺は。いったい、どうすればいいのだろうか。1つ分かるのは、このままここでこの挑戦状を終わらせてはいけないということだった。

 せめて、この件くらいはなんとか出来ないか。俺は、普通の友達が出来るようなことは出来ない。そんな俺には何も出来ないのか。


「いや、そうじゃないと思うぞ」

 気が付いたら、言葉が口から出ていた。前髪を触る。引っ張ったところで、自分の顔が隠れるわけでもないけれど、まあ少しはましだろうと思った。

 今はきっと、暗い顔をしている。全てを受け入れ、諦める俺じゃ駄目だ。でも、暗い俺なら抗える。この俺は、あまり好きではないのだけれど。それでも、そうして生きて来たのが俺だ。普通ではない俺が出来ることは、これしかない。


「そうじゃ、ない?」

 顔を上げた赤堂さんの目には、何かに期待する色があるように見える。

「ああ、多分だが――」


 俺の口は、また妄想を語る。一人よがりの妄想を。

 それは時に被害妄想をする時に使う思考で、最悪に抗う逃げない自分だ。

 そんな悪い俺でも、「気にすんな」なんて言葉で悩みを和らげてくれた“友達”の支えになれるだろうか。

 “友達”の期待に応えることは、出来るのだろうか。   


 そう思いながら俺は、彼女が理想としたであろう俺になろうとする。これできっと、いいはずだ。

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