心の星
紺碧の明けゆく空に
とどまる星一つ
心の泉に映す
それは
揺れるまま
凪ぐがままに
手のひらで汲んだ
形なき形をそのままに
言い表そうとしても
幾度となく
指の隙間から
こぼれ落ちて行く
不自由に吹く風も
あるのだと知った
凍てつく季節に佇み
わずかに残った
露ほどの言葉だけが
それでも 重なりたい、と
切に願うように
私の影に
小さな染みをつくる
陽の光に薄まろうとも
数多の星に紛れようとも
目を細め
雲を掻き分け
探しつづける
清けき光は
開かれてこそ
この胸に宿る
射し込む一筋の
輝きを辿れば
俯いた日々に終わりを告げ
もう
見上げることしか
出来ない