1/20
プロローグ
艶やかで美しい黒髪に、月夜を思わせるような金色の目に冷たい光をたたえた男。
彼は拝金主義だった。愛を信じず、狡猾に金だけを求める。
金のためならどんなに悪どいこともした。
愛など生きていく上で不要だと思っていた。金だけが信じられるものだったから。
長い白銀の髪を足元まで伸ばし、顔を隠して生きてきた女。
彼女をは愛されずに育った。いや、生まれてからしばらくは愛されていた。
しかし、妹が産まれて愛の全てを妹に奪われた。
彼女は愛を諦め、本の世界にのめり込んだ。本の世界だけが彼女を慰めてくれたから。
二人はまだ愛を知らない。
初投稿作品です!どうぞよろしくお願いします!