中1・冬 『高木くん②』
舞衣「いっつも私が一方的に高木くんのことを話してるけどさ、結奈は高木くんのことどう思ってるわけ? 」
結奈「私は別に嫌いじゃないよ。男だっていうところ以外は」
舞衣「あ、うん……」
結奈「ねぇ、まいちん。男なんてクソなんだよ。政治がクソなのも経済がクソなのも、全部男が中心となって回してるからだし、男がいなければ性犯罪もDVもなくなるし、害悪でしかないよ。女が男を好きになるなんて冷静に考えるとおかしすぎるし、社会に洗脳されちゃってるだけなんだよ。私みたいな普通の女の子と一生添い遂げるのが一番まいちんにとって幸せだよ? オメガバースの世界に行って二人の子供を作ろう」」
舞衣「普通の女子中学生はオメガバースなんて言葉知らないからね!? それにそんなに男が嫌いならなんで共学に進学したのよ」
結奈「それは……まいちんと同じ中学校に行きたかったんだもん。えへへ」
舞衣「『えへへ』じゃないわよ。そういえば、あらゆる手でこの学校への進学を邪魔しようとしてたわね」
結奈「そうだね。まいちんの家のリビングとか机に女子校のパンフレットを置いたりしたりね」
舞衣「やり口が結婚を焦る女のやり方なのよ」
結奈「でもさ、まいちんと同じ中学に進学して良かったなって思ってるんだ。こうして一緒に放課後にお喋りできて、毎日が楽しくて、私はすっごく幸せだよ」
舞衣「提出日ギリギリに私の願書を破り捨てようとしたことは許してないからね」
結奈「もー、そのことは忘れてよ。反省してるからさー」
舞衣「本当? 本当に反省してる?」
結奈「うん、本当に心の底から反省してるよ」
結奈「次は絶対に失敗しない(ボソッ」
舞衣「なんか言った?」
結奈「ナンデモナイヨ」