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枕の下に 希望の上に(8)

翼縛なりて

春の日差しに

布団を干して

少しだけ

雀じゃない鳥の声を

静かに聞いた

朝の高音は

ハニートーストと

ドリップコーヒーに

味付けをする

透明な調味料だった




自由であるかのように

鳴く

可愛そうな鳥は

飛べなければ

役立たずと言われ

泳げなければ

他所へ行けと言われ

走れなければ

隅にいろと言われた

代わりに

陸海空で

暮らせる種になる




春の実を

嘴で咥えて

何処かへ飛び立つ

身体を軽くする為に

排泄は小まめに行う

ダイエット中の

人間みたいだ

必死になって

何かを

手に入れようとする




あの翼は自由では無い

翼に縛られたから

飛ぶしかなかった

翼を忘れようとしたら

泳ぐしかなかった

翼を消そうとしたら

走るしかなかった

ただ

それだけだったのだろう

あの翼は

自由では無い者の象徴だ

だから

憧れるんだろう



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