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軽い記憶喪失で自分で作った設定を忘れてしまった俺は、とりあえずオシャレをしてみました。

 心地いい。


 心から温めてくれるそれは、自分にとって最高の癒しグッズだろう。

 柔らかいふわふわしたものが体を支える。

 まるでマシュマロの上にでもいるかのようだ。


 俺は心の底から動きたくない。

 そう思った。


 しかし、そんな俺の感情を逆転するような天使の囁きが聞こえた。


「・・・お兄ちゃんっ!お兄ちゃんっ!!いい加減起きてっ!!」


 俺は、その天使の顔が見たい一心で重いまぶたをこじ開けた。

 ぼやける視界が開けてくる。



 俺の視界に入ってきたのは綺麗に片付けられた真新しい部屋と・・・まさしく天使と言える可愛い女の子だった。



 気が動転する。

 知らない部屋、知らない女の子が目の前にあるのだから。


 しかし、動揺が直ぐにおさまていくのが自分でも分かった。

 思い出したのだ。

 ここが二次元の世界ということに。


 頭の中でこれまでのことを整理してみた。


 事の始まりはキャンペーンのお知らせのメールが来たことだ。


 キャンペーンに応募し、俺は運良く当選した。

 その後新たにメールが送られてきて、[出発する]のボタンをタップした。

 すると、俺はベットの上で寝ていた。

 

 ・・・いや、その間になにかがあった気がする。

 しかし、全く思い出せない。

 なにがあったのか全く・・・思い出せなかった。


 とりあえず、今は念願の二次元の世界を堪能しよう。

 気持ちを切り替え、俺は体を起こした。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 俺は目の前に舞い降りた天使の可愛さに言葉を失った。

 可愛い以外の言葉が見つからない。

 それと同時に心拍数の上昇を感じる。


 ついついその可愛さを凝視してしまう。

 キラキラしている。尊い。


 たとえようのない可愛さだ。

 ずっと見ていたい。心からそう思った。

 すると女の子の周りになにか蜃気楼のようなモヤモヤが浮かび上がった。

 そのモヤモヤは次第に形づくられていき、文字となった。




 飯島 プリン

 4月 15日生まれ 16歳 高校1年生

 趣味 食べること

    お兄ちゃんと遊ぶこと

 特技 ゲーム

 

 タカトの妹。タカトとプリンの二人兄妹なので昔から仲が良い。

 お兄ちゃんが大好きでしょうがない。




 ちょ!なんだこれは!!

 幻覚か!?それとも、特殊能力?

 さすが二次元だ!

 

 いやいや、そのんなことよりも今はこの情報だ!

 こんな情報ウソに決まっている!

 いくら二次元といえ、こんなに可愛い娘が俺の妹なわけない!!


「お兄ちゃん!今日は私と出かける約束でしょっ!!」


 お、おにいちゃん?

 いやいや、信じがたい!

 でも、たしかに今「お兄ちゃん」っていったよな?

 てことは、本当に「自分の妹」ということか!?

 やはりさっきのは間違いではなかったのか!?


 それになんだ?出かけるって。

 二次元の世界に来て最初に妹とデートかよっ!!



 二次元最高じゃねえかよぉぉぉぉぉお!!!!



 心の中で叫びまくっている俺に、プリンが澄んだ可愛い声で問いかける。


「お兄ちゃん?どうかした?顔が赤いよ?」


 その瞬間、俺の心臓が飛び跳ねた。

 そして、顔が熱いことに気がついた。


「えっ!!そ、そんなことないよぉ?だ、だ、だいじょうぶだよぉ!?」

「そ、そう?あんまり無理しないでねっ!!」


 ずっと部屋でネトゲ生活を送っていた自分を恨んだ。

 しかも、よりによって久々に話す相手がこんなに美少女だなんて・・・。

 緊張しないわけがなかった。


「あ、もうこんな時間!!早くしたくしてよねっ!お兄ちゃん!!」


 プリンはそう言い残すと部屋から出ていった。

 部屋の掛け時計は午前10時を指している。


 いまだに心臓の鼓動が体中に響き渡るのが分かった。

 とりあえずベットから体を降ろし、身支度を始めた。


 パジャマを脱ぎ捨て部屋のタンスを開ける。

 そこには今までの自分とは無縁のオシャレな服が詰められていた。

 正直、自分にはもったいない衣類の数々だ。


 せっかくのオシャレな服だ。

 自分なりにいい感じのコーディネートにしよう。


 新鮮だ。

 今までキャラTシャツばかりを着てきた俺とは似ても似つかない。

 まぁ、オシャレをするのも悪くはない。

 これからはオシャレも楽しんでみるとしよう。


 自分なりのオシャレを決めた。

 よし、顔を洗おう。


 とりあえず部屋から出る。

 階段があるのが目に入り、初めて二階にいた事に気づいた。

 それにしても、二階建ての家で美少女と生活ができるなんて贅沢じゃないか?


 とりあえず洗面所を探さなくては。

 二階にはどうやらなさそうだ。

 うむ、階段を降りよう。


 階段を降りるとリビングルームが目に入る。

 それにしてもこの家は新しい。

 何もかもが綺麗だ。


 しかし、リビングには用はないのだ。

 すかさず洗面所を探す。

 とりあえず廊下沿いにあるドアを開けてみよう。


 ガチャッ!


 ビンゴ!

 洗面所だ!

 やはり、元々いたオンボロアパートとは比べ物にならない綺麗さだ。


 すると、後ろから声がした。


「お兄ちゃん!準備は出来た?あっ!今日もおしゃれだね!!」

「そ、そうかなぁ?もうちょっと待っててね。今から顔洗うから!」


 プリンに対する抵抗力が少し付いてきたようだった。

 しかし、「おしゃれ」という言葉を心の準備ができていない時に言うのは反則だ。

 油断していたがためにまたしても顔が熱くなる。


「うんっ!分かった!!待ってるんだから早くしてよね?」


 プリンは少し首をかしげながら言葉を発した。

 いちいち動作が可愛い。辛い。


 プリンはパタパタっとスリッパを鳴らしながらリビングへ向かった。


 とりあえず、洗面所で顔を洗おう!

 洗面所の鏡に自分の顔がうつる。


 ん?なにかがおかしい。


 俺はほんのり若返ったように見えた。


 すると、鏡越しに自分の周りに例の文字が浮かび上がった。




 飯島 タカト

 7月 21日生まれ 17歳 高校3年生

 趣味 アニメ

    ゲーム

 特技 ネトゲ


 飯島家の長男。母子家庭のため妹のプリンの面倒を小さい頃から見ている。

 母親は仕事場に基本泊まり込むので、ほとんどいない。




 ・・・ん?

 ツッコミどころが多すぎてどこから言えばいいのか全くわからないぞ。

 なんだ?高校3年生って。

 俺は24歳のはずだ。

 それに、母親はほとんどいないって基本プリンと二人っきりで過ごすのか・・・?


 身体が震えだす。

 そして、手汗が溢れ出す。


 夢のような出来事に対する喜びと同時に、緊張が走る。



 これからどうなるのだろう。

 不安でしかない。



 そんなコミュ障な俺の、二度目の青春の1ページが記された。


自分の才能のなさに困り果て胃を痛めている作者です。

今回も読んでいただきありがとうございます!

まぁ、趣味の一つとして書かせていただいてるので国語力の無さは許してください・・・泣。

とは言いつつ、読者の評価は気になるものです。

辛口な感想・レビューを身構えてお待ちしております。

あぁ、胃が痛い。

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