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毎日引きこもってた俺は、人生のビッグチャンスにチャレンジしてみました。

「カサカサッ!」


 部屋の床を駆け巡るゴキブリの足音が響き渡る。辺りはいつしかの弁当の食いかけや、空になったカップ麺のゴミに溢れかえっていた。昼間でもカーテンは閉めっぱなしのため、部屋は常に薄暗い。そんな中、俺はパソコン画面とにらめっこをしていた。


 飯島 タカト。歳は今年で24。こんな大人が昼間から部屋にこもってネトゲに熱中してたら親はなんて思うかなんて知ったこっちゃない。東京で一人暮らしをしているものの、仕事などしている訳もなく、親の仕送りで生活している。(まぁ、ニートってやつだ)


 そんな俺だが、友達はたくさんいるんだ・・・画面の中に。

 えぇ!?現実世界に友達はいないのかっ!だってぇ?

 もちろんいるさ!ゴキブリだの、ゴキブリだの、ゴキブリだの・・・。


「はぁ。俺、生まれる次元間違えたのかなぁ・・・」


 こんなことを考えていると、ついついため息とともにこんな言葉が漏れてしまう。


 すると、俺のスマホに一軒のメールが届いた。

 しぶしぶメールボックスを開くと、そこには知らないアドレスが表示されている。

 迷惑メールだと思ったが、ついつい件名に目が行ってしまった。


「二次元の世界へ行ってみませんか?」


 そんな夢のような話がある訳がない。そんなことはサルでもわかることだろう。

 しかし、気になってしょうがない。もう、パソコンでネトゲなどやっている場合ではない。

 ネトゲばかりをやっていた俺の知能はどうやらサル以下になっていたようだ。


 気が付くと夢中でそのメールを読んでいた。


「そこのあなた!二次元に行ってみたいと思いませんか!?二次元に行きたいと願うあなた様に素敵なキャンペーンのおしらせです。それは・・・なんと!今だけ抽選一名様に、二次元の世界へ招待させていただきます!!二次元の世界では自分が今まで憧れていた生活を送ることができます。現実では絶対不可能なことまでも二次元では可能にすることができるのです。こんなビッグチャンスはもう二度と来ないでしょう。詳しくはこちらまで・・・」


 こちらまでの下にURLが貼ってある。

 メールを全て読み終えた俺の頭には、もう迷いなどは全くない。あるわけもない!


 俺は、URLをタップした。


 それはそれはいかにも怪しいサイトがスマホ画面いっぱいに広がった。

 しかし、そんなこと俺には関係ない。

 サイトには、二次元の世界についての説明文とともに、でかでかと[抽選に応募する]の文字が目立っている。

 普通の人なら説明文など読まないだろう。(いや、まずURLをタップしないだろう)

 しかし俺は、しっかり説明文を読むタイプの人間なんだ。

 俺は二次元の世界についての説明文を、はじからはじまでしっかり読んだ。


 説明文と言ってもたいしたものではなかった。

 まぁ、簡単に内容をまとめると、二次元の世界では自分の好きなシチュエーションで、好きなように生活が送れるというものだ。

 そんな説明の中で目を引いたものが二つある。それは・・・


 ・二次元の世界で生活している間は、現実世界では時間が止まっている。(自分自身も歳をとらない)

 ・二次元の世界で一年間経つと強制的に現実世界に戻される。(二度と二次元には行けなくなる)


 と、いうものだ。

 ようするに、二次元の世界を体験できるのは一年間だけ。

 俺にとっては一年という期間は少し物足りない。

 いや、ものすごく足りない!がっかりだ!!

 しかし、一年でも二次元に行けることにこしたことはない。

 正直、不満はあるものの二次元に行ける可能性があるのであれば、イチかバチか賭けてみる価値はありそうだ。



 

 俺は抽選に応募した。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 迎えた抽選結果発表当日。

 

 どうせ外れて終わることはわかっていた。

 それもそのはず、当選するのは一人だけだから。

 結果発表(きょう)まで、できる限り期待を持たないように努めてきた。

 しかし、読者のみんなの予想どうり期待を捨てることなどできるわけがなかった。


 そして、待ちに待った発表時間を迎えた。


 外した時のショックの大きさは想像がつく。

 だからこそ、それなりの覚悟が必要だ。


「なにを緊張してるんだ?どうせ外れてるに決まってる!!」


 自分にそう言い聞かせながら俺は、震える手をスマホ画面の[結果確認ボタン]にむかわせた。


「!?」


 その瞬間、目の前の画面に対し様々な感情が頭の中を駆け巡る。

 どれが一番の感情なのか、わからなくなるくらい。

 自分の中でひとつずつ感情を整理していく。


 結果が気になりそわそわしていた日々からの開放感。

 今、目の前にある光景に対する驚き。

 そして、ついにわかった自分の一番の感情・・・


 喜び。


「あたっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


 それはここ数年で一番の叫びと言えるだろう。

 この際、近所の苦情など気にしていられない。

 心の底から嬉しい。嬉しくてたまらない。


 そんな雄叫びを上げる俺をよそに、スマホの画面が自動的に切り替わる。

 出てきた画面には出発を促すような文章が書かれていた。


「当選おめでとうございます!!出発の準備はできましたか?下にある[出発する]のボタンをタップしていただくと、あなた様の素晴らしい二次元生活が始まります!それでは、一生忘れることのないであろう思い出を思う存分楽しんでください!いってらっしゃい!!!」


 心が躍る。

 もちろん疑いや、恐怖心もある。しかし、それ以上の好奇心とワクワク感で心は満たされていた。

 それは、子供の頃の感覚のようだった・・・




 俺は目を輝かせながら、[出発する]と書かれたボタンをタップした。


 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。小説は初めて書いたので、文章や表現におかしな点があると思いますが、これから頑張っていきたいと思います!

温かい目でお願いしますww

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