表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/16

8.ネットショッピング

ストックがなくなってしまい、昨日は更新できませんでした。なるべく更新できるように努力したいと思います。

「なんで?カズキってニチカさんの妖精じゃないの?」


ミズキに聞くがミズキは首を傾げた。ジェスチャーもしてないし、通じるわけない。カズキは俺をじーっと見ているだけ。ここでグダグダやってると警察に通報されてしまうかもしれない。とにかく俺は家に帰ることにした。


家に辿りつくまでの間、カズキとミズキはなにやら話しているようだったが、途中でケンカのようになり、言い争いが始まっていた。どうやら仲が良くなってついてついてきたってわけじゃなさげなことは確か。なんで俺についてきてるんだろう。よくわからない。ケンカしてるならついてこなければいいのにと思うが、なぜか家まできっちりついてきて、カズキは家に上がり込んでいる。


「……で、なんで俺についてきてるのか教えて?」


カズキに話かけるも、カズキは遠巻きに俺を見て黙ったまま。しょうがないので側にいるミズキに話しかける。


「カズキはニチカと一緒にいなくても大丈夫なの?」


「ニチカ、イッショダメ。」


なんだかちゃんと伝わらない。ニチカが妖精にはなってないとかじゃなくて、俺とミズキのように一緒じゃなくて大丈夫なのかと聞きたいのだが、ジェスチャーと片言では限界がある。


ニチカはさっき俺がいうまでカズキの存在を知らなかった。もしかして、ミズキと種類が違って、存在を知られたら離れなくちゃいけない種類だったのかもしれない…だとしたら、ニチカには悪いことをしたなと思ったのだが、だとしたら俺についてきているのはおかしい。一体何がどうしてなのかがわからない。言葉が通じないからわからないことだらけだ。


「はぁ……よくわからないから、もういいや…。とりあえずミズキに新しい服を買おう。それ一枚じゃ着替えもないしな。」


とりあえず、逃避することに決めて、スマホでドール用の洋服を調べる。色んな種類があったが、女の子の服なんて俺にはよくわからないので、ミズキ本人に選んでもらうことにする。


「ミズキ。おいで。」


ミズキを呼ぶと


「☆○♪?」


と言いながら手にまとわりつく。スマホの画面を見せながら、


「ミズキの服。新しいの、どれがいい?着替えね。」


ミズキのワンピースを指差して言うと、


「フク?アタシイ?」


「新しい、だよ。えーと。俺もコレと違う服あるみたいに。ミズキも新しい服。」


タンスを開けて何枚か服を見せながら、


「オー、アタラシイフク。☆♪♯!」


どうやら通じたらしく、スマホの画面をみはじめた。次のページ表示したくて自身の手でタシタシするも、スマホは反応せず、焦れているミズキ。


「あー、わかった、わかった。俺がやるから、指差して。」


やはり妖精でも女の子らしく、真剣に洋服を選んでいる。2人で言葉が通じないなりにあーでもないこーでもないと言いながら、洋服を選んでいると。


「○※▼<●。」


カズキがいつの間にか隣に来ていて、ミズキになにやら話しかけている。


「☆▼〜。●♭△&?」


ミズキも普通に答えている。さっきまでケンカしてなかったっけ?そう思いながら首を傾げていると。


「ミズキ!」


ミズキが早くスマホを操作しろと言わんばかりに手をペシペシと叩く。


「はいはい。」


女の子ってこういうところがよくわからない。俺は苦笑する。


そういえばカズキの着ている服はかなり際どい。元々この服なんだろうか?それともニチカが用意した服をそっと拝借したのか。もし、ニチカが用意した服なのだとしたら、ちょっと出て行くの嫌かも。それにさっきも俺には近寄ってこなかった。この服のせいかもな。そう思いながらまじまじと見てしまった。カズキは結構グラマラスで、スマホを前かがみで覗き込む姿はかなりセクシーだった。思わずゴクリと生唾を飲み込むと、その音に気がついた2人がこちらを見た。カズキがニヤリと笑ってグラマラスな山を押しつけるかのように俺の手に寄り添う。


「おふっ!」


思わず声を出すと、ミズキがカズキを引っぺがして怒っている。そして俺を睨みつけた。嫌われたかなと思ったのだが。


「イッショ!!」


ミズキが俺の手にまた寄り添うようにくっついた。どうやらヤキモチだったらしく。もしかして俺を取り合ってるのかな。まさかな。そう思って苦笑いして、


「ほら、服買うんだろう?選ばないと買えないよ?」


そう言ってスマホに視線を戻すと、2人もスマホに視線を戻した。結局、ミズキは可愛い系のワンピースとパジャマが欲しいようで、指差していた。なぜかカズキも選んでいて、カズキはゴスロリのような服を選んでいた。際どい衣装は自分で選んだわけじゃないんだなと思いながら、カズキの服もついでなので買うことにした。一緒に選んでたのにカズキの服は買わないのもなんとなく意地悪な気がしてしまったのだ。とりあえず3着を注文してスマホを置く。


「これでいいか。よしっと。メシにするか。」


そう言って立ち上がり、レトルトカレーを温めて用意した。レトルトカレーの肉は少ない。探し出して小皿に肉を入れ、楊枝を刺してやると


「ニク♡」


と言いながら食べている。


「カズキも食べる?あるかな?肉。」


そう言って肉を探すが小さくて申し訳程度だった。ちょっとがっくりしているカズキ。


「あ、そうだ。昨日買ったヨーグルト。野菜はダメだったけど、食べるかな?」


ヨーグルトと冷蔵庫から出して蓋を開けてプラスチックのスプーンにすくって小皿に置くとカズキはスプーンに口をつけた。


「ン♡」


お気に召したようで、ヨーグルトを食べている。その様子を見てミズキもヨーグルトが欲しいとジェスチャーで示された。


「わかったよ。ちょっと待って…スプーンあったかな…えーっと。」


プラスチックスプーンがなかったので、普通のスプーンですくって小皿においてやると、少し大きかったらしく、口周りを白く汚していた。


「口の周りが汚れてるよ。」


ミズキの口を笑いながら指差すと、


「……?」


と首を傾げていたから、ティッシュで口周りを拭いてやる。


「アリガト。」


ミズキがお礼を言ってくれた。


「どういたしまして。」


「ドウイタマシテ?」


「どういたしまして、ね?ありがとうって言われたらどういたしましてって返すんだよ。」


指で俺とミズキを指しながら示すと、横にいたカズキがなにやら


「△●&■★∞。」


とミズキにいうと、ミズキはなにやら納得したように頷いていた。あれ?と思い俺はカズキに聞く。


「カズキ、もしかして、言葉わかるの?」


コクンと頷く。


ええー!!


読んでくださってありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ