13.結託する
土日更新できませんでした…
「カズキ、一緒にいるのはいいんだけど、まず確認したいことがあるんだ。」
ニチカのことは後で聞くことにして、まずは確認をすることにした。俺の命に関わることだ。
「カズキは俺を食べる?」
ブンブンと力強く首を振った。とりあえず一安心だ。安全が確保できたので次の確認をする。
「明日ニチカに会うんだけど…大丈夫?」
考え込むように首を捻った。あまりよろしくないのか。
「カズキはいつも通り隠れてる?」
今度は頷いた。俺的にもその方が助かる。ニチカに聞かれたら、なんて説明していいかわからない。なぜ2人連れてるのか、なんて名前なのかなどと、今日の勢いで聞かれたら俺は誤魔化せそうにない。
「じゃあ、そうしてくれるかな。あとは…ミズキに伝えて欲しいことがあるからお願いできる?」
俺の目を見てカズキは頷いた。ミズキにもわからないだろうけど、俺から話掛けておく。
「ミズキ、明日は大事な用事があるからカズキの話を怒らないで聞いておいてね。」
2人を俺の目の前に座らせて俺は話を始めた。
「明日はモモタアキラっていう女性に会いにいく。ミズキやカズキのことを知っていると思われる人だ。俺がミズキ達と同じになったっていっても、俺はミズキ達がどういう存在なのかがわからない。ミズキは俺となんとなくしか話せないし、カズキは聞かれていることが分かってても、話すことができない。だから現状の確認をしたいから会いにいく。でも、そのことで、ミズキやカズキを危険な目に合わせるかもしれないから、万が一危ないと思ったら逃げてね。」
モモタアキラという名前にカズキは聞き覚えがあるようで、少し身を固くしたように見えた。ミズキはあまりピンと来ていないようだった。カズキから通訳される内容を聞いてフムフムといった顔をした後、2人は俺の方を見て頷いた。そして、情けないとは思いつつも、次の一言を付け足してしまう。
「俺はミズキ達とまだ一緒にいたいから…余裕があったら俺のことも気にかけてくれたら嬉しい。」
要はピンチだったら助けてねということだ。情けないがニチカだけだと心許ないのだから。2人は微笑みながら力強く首を縦に振る。
「………そうだ。護身用の魔法、何かないかな?ンユタ、アワブは覚えたけど…上手く使いこなせてないし。」
カズキは少し考えて、ミズキの顔も見ながら答えた。
「★$∂▽?」
「∧▽√○△∪。」
2人で何やら話し込んでいる。
「ミズキ、カズキ、イッショ。」
ミズキがカズキの真似をするように指示してきた。手を合わせるが、少し合わせ方がミズキと違っていた。
「★$∂!」
「ンキガ!」
パラッと音を立てて金属片が散る。
「おぉ。ちゃんと当たれば目くらまし程度にはなるかな。問題はちゃんと当たればってとこなんだよね……。」
がっくりと項垂れていると2人に励ましているかのように寄り添われた。
「♫●◇☆。」
ミズキはなんとかなるよというようなことを言っているようだった。カズキはやれやれといった顔でミズキをたしなめている。
「そっか、なんとかなるかな。」
カズキは苦笑いして首を傾げているが、カズキに通訳してもらったミズキは嬉しそうに頷いていた。
「とにかく明日はそんな感じでいいかな。とりあえずご飯食べよう。今日は牛丼だからカズキの分も肉はあるよ。」
カズキに笑いかけるとカズキも嬉しそうにしていた。
3人でご飯を食べてから、カズキに助けてもらいながらミズキに言葉を教えた。なんとなく話は通じるようになって気がする。それに、こないだと違って2人がケンカすることもない。さっきカズキが食い下がるように話していたのが関係してるのかもしれないけど。
「さて、そろそろ風呂入ってくるよ。」
そう言うと、2人して一緒に入るという感じに騒いでいた。仲が良くなるとこういうことがあるのか…。そう思いつつ、どうにか宥めるつもりだったが、結託した女子が強いということをすっかり忘れていた。長らくそういう環境になかったから。押し切られる形で3人で風呂場へ向かうことに。服を脱いだ後、ささっとタオルを巻いた。2人とも「そのタオルなんだよ」みたいな目で見てくる。
「2人も巻いたら……?TVでもこうやって入ってるだろう?」
我ながら苦しい言い訳だと思いつつも、やっと口から出た台詞だった。ミズキもカズキもTVの入浴シーンなど見たことあるのかわからないけど、思いついたのがそうだったから仕方ない。2人は話しあった後、やや渋々といった様子でタオルを巻いているのを目の端で確認してホッとした。小さい身体といえども、女性の身体だし、2人ともタイプは違えど、美少女だ。俺がどうなってしまうかは容易に想像可能である。さすがに恥ずかしい。
シャワーで身体を洗っている間に2人には洗面台で湯浴みしてもらっていたのだが、2人がシャワーカーテンの隙間から覗き始めた。
「危ないって。ほら、お湯飛んじゃうから!」
そんな制止も聞かず、2人が浴槽側に入って来てしまった。泡の付いた俺の身体に自分の身体を擦り寄せる。
「ミズキ、カズキ!や、やめて!」
2人とも分かってやっているのかいないのか自分達の身体で俺の身体を洗う形でスリスリし始め、上ずった声が出てしまう。恥ずかしくなってたまらず、シャワーを最大に捻り泡を流した後、タオルで2人を捕まえた。そのまま俺は2人を風呂場から放り出した。
「しばらくかかるから2人でお互いを拭いておくんだよ!」
軽く怒気を込めて2人を注意してから、自身の欲求を発散することにしたのだった。
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