ドエロスキーなのですか?
この話は、私がカクヨムで書いている「アーダルト・ドエロスキーの格言」という作品が、カクヨムの「はい、ヘルプデスクです」の★評価を超えたことを記念して、かなりテキトーに書いた物です(笑)。
※参考:「アーダルト・ドエロスキーの格言」
なんでも下ネタに喩えたがる、とある文学者の格言集。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883930614
「はぁ~。わたくしと皆籐さんの仲が、なかなか縮まりませんの。どうしてなのかしらね?」
悠が愁いを帯びた表情で、流し目を送ります。
かなり色っぽいです。
「……そんなこと、本人に聞かないでもらえますか」
しかし、それを受けた皆籐は呆れたようにため息を吐きます。
「そんな冷たいこと言わず……いいえ、もっと冷たいこと言ってください」
「……何を言っているんですか、メス豚くんは」
「そう! 久々のそれ!」
今日は2人きりのせいか、悠は迫るつもりです。
――プルルルッ
しかし、そうは問屋が卸しません。
お仕事が待っています。
「ああ、もう! ……はい。ヘルプデスクですわ! なにかご用なんですの!?」
怒り気味の悠ですが、もちろん相手は用があって電話をかけてきます。
〈うむ。用があるのだ。私の名は、アーダルト・ドエロスキー。ご存じかな?〉
「知りませんわ。そんな変態的な名前。気持ち悪いですわ」
〈こら、君。失礼だぞ。それとも……そういうプレイなのかね?〉
「なにを仰っていますの? やはり変態ですの?」
さすが悠です。
先ほどまで自分が似たようなプレイを求めていたことなど棚の上です。
「――切りますわね」
〈待ちたまえ、君! 私は用があると言っているではないか。実は日本の文化について聞きたいことがあるのだよ〉
「日本の文化って……そんなペラペラと日本語を話しておいて、詳しくないみたいな言い方されても」
〈……オー、ワタシ、ニホンゴ、ヨクワカラナイネー〉
「完全にエセ外人ですわね……」
〈オー、マイガッ! ナンテ、シツレイナ、レディ。ワタシ、スゴクサッドネ。ワタシ、タダ、クエッション……ああ、この話し方は面倒である。とにかく質問に答えたまえ!〉
この人、本当に外国人のはずなのですが、なぜか普通に日本語が得意のようです。
けっして、作者が面倒になったからではありません。
「……わかりましたわ。もうツッコミも面倒ですし」
〈ふむ。では、質問だ。日本の文化でABCというのがあるのだろう?〉
「ABCは英語ですわよ。バカですの?」
〈君は失礼という言葉を知らないのだな? いいかね。男女関係のABCだ。Aはキス、Bはペッティング、Cはセックスだそうじゃないか〉
「……今時の若者は、そんなの使いませんわ」
〈私は若者ではないので使いたいのだ! というわけで教えて欲しいのだが、私は日本の友人にZまであると聞いたことがある。そこでゴールとも言うべきCから、そのずっと先のZまで、どういう内容か説明して欲しいのだ。……はぁ、はぁ……〉
なぜか少し興奮気味のアーダルト・ドエロスキーさんですが、その声はどこか真剣です。
よほど気になるのでしょうが、Dから後など聞いたことがありません。
「……わかりました。説明いたしますわね」
しかし、さすがは悠。
どうやらZまで知っているようです。
〈頼む! では、Dから!〉
「Dは、Destroyですわ。つまり破壊」
〈いきなり破壊!? それはカップルが別れるということなのか!? いきなり過激なのだな!〉
「いいえ。破壊されるのは世界です」
〈ワァッ!? まさか、アポカリプスの始まり!?〉
「そしてEは、Eroですわ」
〈やはりエロ! 荒廃した世界で、暴虐非道のバイオレンスエロ!〉
「Fは、Future」
〈未来! なるほど、エロから次世代が生まれる未来へ!〉
「GはGod」
〈その道は神に続く道!? まさか人類は――〉
「HはHentai」
〈いきなり日本語なのか!? というか人類、大丈夫なのか!?〉
あなたがそれを心配するのですか、アーダルト。
「Iは、愛です」
〈もう完全に日本語! 変態の先に真実の愛を見つける……いいではないか!〉
「Jは、JUNE」
〈そっち!? そっちに進んでしまうのか、人類!?〉
なんでそんな雑誌を知っているのでしょうか。
「Kは、Kill」
〈誰が誰をかね!?〉
「Lは、Lady」
〈女性が対象なの!? 女性が男性をやるの!? どっちもまずいぞ、人類!〉
「Mは、Masochist」
〈どこ行くの人類!?〉
「Nは、Normal」
〈希望が帰ってきた!〉
「Oは、オ○ニー」
〈自己完結してはいけない、ノーマル人類!〉
「じゃあ、Oはおっぱい」
〈おっぱい! おっぱい! ――って、『じゃあ』ってどういうことかね!?〉
「Pは、パパのパンツはパリパリ」
〈おっぱい見て、だしちゃったのかね!? しかも乾いちゃった!?〉
「Qは、Queen」
〈女王様!? 混沌とした世界に指導者が!?〉
「Rは、Reset」
〈――えっ!? このタイミングで!?〉
「SとT、U、Vは、まとめて『STand Up to the Victory♪』です」
〈なんで、いきなり『Vガ○ダム』が始まっているの!?〉
むしろ、なんでVガンダ○を知っているのでしょうか、アーダルトさん。
作者さえ見ていないというのに。
「W、X、Yは、縦に並べて女性の裸体」
〈いや、それ、落書きであろう!?〉
アーダルトさんも、子供の頃に描いたのでしょう。
「そしてZは、Zurumuke!」
〈意味がわからないよ!〉
「シャーラップ!」
〈な、なにかね、突然!?〉
本当に突然です。
悠が声を太くして語り始めます。
「アーダルト・ドエロスキーさん、あなたの今までの言動を心理学的見地から分析させていただきました」
〈な、なんだと……〉
「あなた……」
〈……な、なんだ?〉
「あなた……童貞ですね?」
〈――ぐはっ!〉
アーダルトさん、吐血したようです。
「つまりあなたは、Zの境地に辿りつけない!」
〈――うぐはっ!〉
さらに吐血したようです。
〈くっ……くっ……馬鹿にしおって、ヘルプデスク! 見てろよ、必ず貴様よりカクヨムで★評価を稼いでみせようぞ!〉
――ガシャンッ!
電話が切れました。
「ふぅ……。長い戦いでしたわ」
悠はいつも通り満足そうです。
「しかし、上空さん。ドエロスキーさん、かなり怒っていたようですが……」
珍しく悠の暴走を黙って見ていた皆籐が、心配したように呟きました。
しかし、悠はニコリと笑って返します。
「大丈夫ですわ。だって、わたくしたちの主軸って、カクヨムではなく、なろうですもの」
「……それもそうですね」
いえいえ。作者としては、どっちでも人気であって欲しいわけで。
というか、こういうメタ話題は、本当にまとめにくいのでやめてください。
マジで……。
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■用語説明
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●アーダルト・ドエロスキー
なんでも下ネタに喩えたがる、とある文学者。
その生涯は謎に包まれているが、多くの格言を残している。
※参考:アーダルト・ドエロスキーの格言
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883930614
●男女関係のABC
これ、何年前に発祥したのでしょう。
地域性もあったりするのでしょうかね。
●JUNE
株式会社マガジン・マガジン(創刊時は「サン出版」)が発行していた、女性向けの男性同性愛をテーマとした漫画小説混合雑誌の名称です。詳しくは、リンクをご覧ください。
※参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/JUNE
●Masochist
Mがマゾなのに、Sがサドではないところが絶妙ですね。
●「Oは、オ○ニー」
考えてみると、女性の声で言われるのは……来ますね!
●おっぱい! おっぱい!
よく、TwitterのTLで、これを嬉しそうに言っている変な人たちを見かけます。
そして不思議なことに、これを言うのは男性だけではなく、女性も言うのです。
みんなかなり変態ですね。
●「Pは、パパのパンツはパリパリ」
これぞまさに「3P」です。
●『STand Up to the Victory♪』
「機動戦士Vガン○ム」というアニメのオープニングテーマです。
本文にあるとおり、作者も見たことないアニメです。
なのに、なんでこのオープニングテーマが出てきたのか本当に自分がよくわかりません。
神の啓示かもしれません。
●「W、X、Yは、縦に並べて女性の裸体」
W ← おっぱい
x ← へそ
Y ← 股
……やりませんでしたか?
●Zurumuke
むけている状態ですね。
女性にもあるそうですよ。
●「くっ……くっ……馬鹿にしおって、ヘルプデスク! 見てろよ、必ず貴様よりカクヨムで★評価を稼いでみせようぞ!」
この時点(2017/09/18 22:00)で、「アーダルト・ドエロスキーの格言」はヘルプデスクに★では勝っていましたが、フォロワー数で負けている状態だったのです。
●「大丈夫ですわ。だって、わたくしたちの主軸って、カクヨムではなく、なろうですもの」
「アーダルト・ドエロスキーの格言」はカクヨムオンリーですが、本作は「小説家になろう」と「カクヨム」の両方に掲載されており、メインはなろう側となっています。
●メタ話題
この「メタ」は「メタフィクション」のこと。
メタをやると、だいたい話がメタメタになって、締まりがなくなる。
あたかも、この話のように……。




