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【緊急速報】 アニメ化決定のお知らせ!!…ですか?

 おはようございます。

 ヘルプデスクです。


 一笑に付していただければ幸いです。

「おはようございます。ヘルプデスクの皆藤です」


 皆藤が皺ひとつないスーツで直立不動であいさつします。


 その横の一歩さがった位置に、夢子、悠、圭子、そして小さなテーブルの上にノートパソコンが並んでいます。


 しかも、全員小さな舞台の上に立っています。


「とうとうこの時がやってまいりました。いつも読んでいただいているみなさんに、このような嬉しいご報告をできること喜ばしく思います」


 夢子が一歩前にでます。


「ななななんと、【はい、ヘルプデスクです。 ……変な質問しないでください!】がアニメ化決定となりました!」


 全員で拍手喝采です。


 それがひと段落して、今度は悠が一歩前にでます。


「皆様のおかげで1千万アクセスを突破した、この人気作がアニメ化されることは非常に喜ばしいことですわ。アニメでもきっと、わたくしの美貌が輝くことでしょう」


 圭子が前にでます。


「ちなみにタイトルは、【はい、ヘルプデスクです!】に縮小されます。詳しいキャストについては、まだ発表できませんが、豪華制作陣と素晴らしい声優の方々の名前が挙がっております★」


 そう話した後、圭子がノートパソコンが載ったテーブルを前に動かします。


 そのノートパソコンのスピーカーから声が愛らしい響きだします。


「ちなみにオープニングは、この私、ミクリが歌っているという設定で、なんととある超有名ボカロPがポカロで作るというチャレンジ精神旺盛な企画です」


 どうやらレギュラーの座を南から勝ち取ったようです。


「しかし、よくアニメ化が決定しましたね。これだけ、時事ネタ、商標、歌詞、個人名が伏字ながら登場しているから、アニメ化どころか出版も絶望的だろうと思っていたのですが」


 さらっと皆藤がきついことを言います。


「そうですね。皆藤部長の仰るとおり、問題になっていたみたいですよ。それをウルトラCで解決するそうです」


「ウルトラC?」


「はい。なんと、驚異の全編書き直し!」


「……鬼ですか。その企画だした人、鬼でしょう」


「すさまじい力技にでましたわね」


「つまりわたしたち、2倍働かされるということですか? 時給はその分もらえて、残業代も作んでしょうか? それならいっぱい稼げていいかも★」


「今、入った情報によりますと……」


 ミクリが説明します。


「こちらの作品とはパラレルワールドということで、べつに考えてほしいとのことでした~」


「じゃあ、給料は増えないんですねぇ」


「とにかく放送は、2016年秋! ちなみにテレビではなく、ネット放送のみとなります!」


「何はともあれ、これからも【はい、ヘルプデスクです】をよろしくお願いいたします」


 皆藤が頭を下げるのと同時に、みんなが頭をさげます。


 全員の笑顔がこれ以上ないぐらいにまぶしく、この物語の前途が明るいことを示しているかのようでした。


 きっとアニメ化も大成功することでしょう。


 私の気分も最高です!


 これからも応援よろしくお願いいたします。


■用語説明


●「とうとうこの時がやってまいりました」

 4月1日です。


●「アニメ化決定となりました!」

 エイプリルフールです。


●「1千万アクセスを突破した」

 エイプリルフールです。


●「わたくしの美貌が輝くことでしょう」

 エイプリルフールです。


●「豪華制作陣と素晴らしい声優の方々の名前が挙がっております★」

 エイプリルフールです。


●「オープニングは、この私、ミクリが歌っているという設定」

 エイプリルフールです。


●「時事ネタ、商標、歌詞、個人名が伏字ながら登場しているから、アニメ化どころか出版も絶望的」

 本当です。


●「驚異の全編書き直し!」

 絶対にエイプリルフールです。


●「パラレルワールドということで考えてほしい」

 エイプリルフールです。


●「放送は、2016年秋!」「ネット放送のみとなります!」

 エイプリルフールです。


●この物語の前途が明るい

 エイプリルフール……で…す。


●アニメ化も大成功することでしょう

 エイプリルフールです。


●私の気分も最高です!

 エイプリルフールです。

 思ったより自虐ネタで心にむなしさが広がり、やらなければよかったと本気で後悔しています。


●これからも応援よろしくお願いいたします。

 お願いします……いや、まじで……。

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