表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/66

特保ですか?

 真夜中にこんばんは。

 ヘルプデスクです。


 世の中には特保の製品がいろいろと出ています。

 実は作者、コレステロール値がよろしくありませんでした。

 医者に、これ以上続くなら薬でさげる必要があると言われていました。


 ところが、特に運動もせずに肉類もガツガツと食べていたのに、値が少しずつ下がってきました。

 それまでと違うことと言えば、特茶をほぼ毎日飲んでいたぐらいです。

 もう半年以上は続いていますが、医者にもこのまま下がっていくなら薬はいらないだろうと言われました。

 果たして特保のお茶に効果はあるのでしょうか?


 本日も一笑に付してくだされば幸いです。

「うーん。最近、ちょっと太ったかなぁ」


 夢子が自分のお腹を押さえながら呟きます。


 もちろん、見た目がそんなに変わっているわけではありませんが、乙女は非常に気にしがちです。


「そんなに太ってませんよ、夢子さん★」


「そうかなぁ。……圭子ちゃんは、太りやすい?」


「普通だと思いますが、一応は気にしていますね」


――プルルルル……


 二人の女の子っぽい会話を電話の音が遮ります。


「はい。ヘルプデスクです」


 圭子が電話を取りました。


〈あの、わたし、太りやすくて……〉


 できすぎるぐらいタイムリーな女性からの電話です。


 こんな見え見えな展開、今では逆に新鮮かもしれません。


〈それで、ちょっと考えてみたんですよ〉


「はい。何をですか?」


〈特保〉


「特保ですか?」


〈ええ。最近、特保のお茶、けっこう、でてますよね〉


「でてますね」


〈でも、いろいろ、効果が、微妙に、違っていて……〉


「ですねぇ」


〈そこで、調べて、有効な使い方、考えたんです〉


「有効……ですか?」


 圭子は、特にニコニコ顔を変えずに話します。


〈はい! まず、食事をとる時、特保の、脂肪と糖分の、吸収を抑える【からだ○こやか茶W】を飲みながら、食事をします〉


「はあ」


〈食事、終わった後、脂肪の分解促進する、特保の【伊○衛門・特茶】を飲みます〉


「なるほど」


〈そして、分解された後、その燃焼を助ける、特保の【ヘル○ア】を飲んで、運動します〉


「ふむふむ」


〈さらに普段、特保の【胡○麦茶】を飲んで、血圧に、気を使います〉


「ほうほう」


〈どうですか? いい手だと、思いませんか?〉


 意気揚々と、まるですごい発見をしたことを自慢するかのように言ってきます。


 しかし、圭子はそれを褒めるでも馬鹿にするでもありません。


 ゆっくりと、諭し始めます。


「でも、それってすごい金額になりますよね?」


〈……え?〉


「お茶だけで毎日、1,000円ぐらい使う気ですか?」


〈あ……〉


 考えていなかったようです。


「それにそんなに飲んだら、お茶だけでお腹が膨れてしまいますよ」


〈うっ……〉


 それも考えていなかったようです。


「ちょっと大変そうですよね」


〈そ、そうですね……〉


「特保も悪くないのですが、もう少しいい方法がありますよ」


〈いい方法?〉


「特保のお茶とかに入っている、脂肪と糖分の吸収を抑える成分と言われているのは、なんだか知っていますか?」


〈い、いえ〉


「難消化デキストリンというものなんですよ」


〈なんてーか、できすぎくん?〉


「難消化デキストリンです。これ、水溶性の食物繊維の事なんですね。小腸の消化吸収を抑えさせる効果があって、これを使っているんですよ。海草類がよく含んでいます」


〈海草……〉


「ええ。食物繊維には、不溶性もありまして、こちらは水分と一緒にとると便通が良くなる効果がありますよ」


〈便通! なら、それをたくさん、食べれば、痩せられる!?〉


「いえ。あまり過剰にとると、必要な栄養素の吸収も妨げられてしまうのでよろしくないのです」


〈そ、そんな……じゃあ、どうすれば……〉


「まあ、そんなに構えなくても大丈夫ですよ。まず、甘い物は控えるのです。食べちゃいけないわけじゃないですよ。一日、チョコレートひとかけらぐらいなら大したことありません。ただ、ご飯やパンといって糖質が多い物を食べすぎないようにしましょう」


〈ダイエット、つづかなくて〉


「減らしすぎるからですよ。推奨分量でいいのです。全体をバランス良く食べて、けっして食べ過ぎないこと。そして、食べる時はまず野菜からです」


〈野菜から? 三角食べじゃないの?〉


「野菜はさっき言った食物繊維が入っていますから、先に食べるのが吉です。ゆっくり噛んで、時間をかけて食べるといいんですが……実際問題、そんなゆっくり食べてたら、メインディッシュが冷めてしまいます。そこで便利なのが粉末の食物繊維です」


〈ああ。売ってますね〉


「はい。難消化デキストリンで、トウモロコシなどから作られているんですが、ほぼ無味無臭です。わずかな甘味はありますが、ほぼ気にならないでしょう。水などに溶かして、飲みながら食べる事で、特保のお茶と同じ効果が得られますよ」


〈そ、そうなんですか!?〉


「はい。お値段的にも、こちらの方が安いでしょう。たったこれだけで、太っている方の多くは、3~4ヶ月で10キロぐらいは痩せられるんじゃないでしょうか」


〈10キロ……。やります! 今日からやります!〉


「はい。がんばってくださいね」


――ガシャン


「ふうぅ……」


 一仕事終えた圭子は、肩の力を抜きます。


 まだ仕事には慣れず、少し緊張します。


「……ところで」


 彼女が横を向くと、なぜかすぐ近くに夢子がにじり寄っています。


 そして、その手にはメモとボールペン。


「夢子さんは、なにを?」


「い、いや、だってさ。圭子ちゃん、一生懸命だからオチを作らないだろうなって」


「……あ……」


「だから、きっと最後までまじめな話だから、聞いておいたら役に立ちそうだな……と思ったのでメモをね」


「……す、すいません! オチまで考えつきませんでした!」


「いいのよ。むしろ、そのままの圭子ちゃんでいて」


「いえ! ヘルプデスクのくせに、オチをつけられないなんて! ヘルプデスク失格です!」


「……いや、あの。別に本来、ヘルプデスクはそういうのじゃないから」


 そうです。


 だから、たまにはこういうのも、いいのではないでしょうかね。


■用語説明


●特保

 特殊能力保安部隊の略。

 超能力者、霊能力者、魔法使いなどを集め、超常的な力に対抗するために作られた特殊部隊。

 または、特定保健用食品の略。


●【からだ○こやか茶W】

 味的にはくせもなく飲みやすいです。

 難消化デキストリンが入っています。


●【伊○衛門・特茶】

 作者が好きで飲んでいますが、味が普通に美味いです。

 少し苦みが強いかもしれません。


●【ヘル○ア】

 かなり苦みが強く癖があります。

 普通の人は抵抗感があるでしょう。


●【胡○麦茶】

 これは普通に美味いです。

 ゴクゴクいけます。


●難消化デキストリン(水溶性食物繊維)

 圭子か説明しているとおりです。

 【イージー○ァイバー】などの製品がこれです。

 【賢者の○卓】なども一緒です。

 う○こが、ねっちょりします。


●不溶性食物繊維

 水分をたくさんとりながらとるといいです。

 ポロポロうん○がでやすくなります。


●「3~4ヶ月で10キロぐらいは痩せられる」

 作者と作者の知り合いの経験談です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ