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パスワードを教えてくれるのですか?

 お疲れ様です。

 ヘルプデスクです。


 早いものですでに20話目、PVも5,000を超えました。

 これもひとえに皆様のおかげです。

 ありがとうございます。


 しかし、ギャグは普通のストーリーものと違って難しいですね。

 ストーリーものは何度読んでも面白い時は面白いのですが、ギャグは読み返せば読み返すほど、「これ面白いの?」とわからなくなってしまいます。


 こんな時、皆様からのPVやポイントが指針になります。

 できたら、感想に一言でも「今回のはつまらん」とか「ノリが今一つ」とか教えていただくと、次回のためになります。


 ……でも、何でもかんでも、人に聞けばいいわけではありません。

 今回は、そんなお話。

 一笑に付していただければ幸いです。

――プルルルル……


「はい、ヘルプデスクです」


 今日も、夢子は元気です。


〈あ。パスワード教えてください〉


――ガシャンッ!!!


 今日も、夢子はキレッキレです。


「花氏さん、今のはなんでいきなり切ったんですか?」


「たぶん、詐欺だと思いましたので」


 今日も、夢子は平常運転です。


 そうなれば、皆藤の不安もいつも通りです。


「問い合わせ用のサポートコードを持っているのに詐欺なんですか?」


「間違いありませんね!」


 彼女の自信は、いったいどこから来るのでしょうか。


――プルルルル……


「上空さん、すいませんが出てください」


「おまかせください!」


 悠は、皆藤の何も期待していないような目で期待されて、はりきります。


「はい、ヘルプデスクですわ」


〈ちょっと! いきなり切るのってひどくない!?〉


 ヒステリックな女性の声です。


 対して、悠はゆったりと応えます。


「申し訳ございません。先ほどの方は、胸が小さいから仕方ありませんのよ」


〈……はい?〉


「胸が小さいと、胸容量が少ないので胸に秘めることができなくなりますの」


〈許容量? ってか、私も胸はそれほど大きくないんだけど、ディスってんの!?〉


「大丈夫ですわ。人生において、それほど気にするほどのことではありませんもの」


〈なんで、いきなり慰めてんのよ!〉


「ファイトですわ!」


〈うるさい! もういいから、パスワードを教えて! わからなくなっちゃったのよ!〉


「わたくしのスリーサイズですけど」


〈あんたのパスワードなんて聞いてないわ!〉


「ヒントをあげると、最初の数字は3桁ですわ」


〈くっ……この化け物め!〉


「人は生まれながらに、貴賤貧富の別なし……福沢諭吉」


〈いきなり偉人の格言もちだしてまで慰めないでよ!〉


「ただ、巨乳たる者は、貴人となり、富人となり、そして、貧乳なる者は、貧人となり、下人となる……福沢諭吉」


〈勝手に作るな!!! 偉人を持ち出してまでディスるな! そんなことより、早く私のパソコンのパスワードを教えなさいよ! パスワード変更したら入れなくなっちゃったのよ! 仕事の締め切りが近いのに!〉


「あら。それならそうと、早く言ってくれれば……」


〈言ってたわよ!〉


「わかりませんわ」


〈……はい?〉


「人様のパスワードを知る方法はありませんので、上司の承認が入ったパスワードリセット申請書を出していただき、リセットをかけることになりますわ」


〈そんな面倒なことやってられないし、上司は今日は出かけててつかまらないわ!〉


「そうは言われましても、ルールですので……」


〈もう! あんたじゃ話にならないわ! 責任者だしなさいよ、責任者!〉


「責任者……ですか?」


 悠が皆藤の顔色を窺うと、無表情のままうなずいたので保留にしました。


「すいません。皆藤さん……」


「仕方ありませんよ。二人は勉強のためにモニターしていてください」


 そして皆藤が電話を取りました。


「お電話変わりました。部長の皆藤です」


〈ちょっと、あなたのところ融通がきかなすぎじゃないの!〉


「申し訳ございません。パスワードは何分、セキュリティにかかわる話なので簡単にはできないのですよ」


〈もう、面倒ね! ……じゃあ、今から私が設定したパスワードを言うから、それが正しいか確認してよ!〉


「いえ。ユーザーのパスワードを聞くのはルール違反でし、確認と言っても……」


〈いいから、聞きなさいよ! まずね、変更前のパスワードが、『じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽ ぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい』だったの〉


「…………」


〈それで変更後のパスワードはね、『じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽ ぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい ぐーりんだ――〉


――ガシャンッ!!!


「…………」


「…………」


「…………」


「……これが正しい対応方法です。わかりましたか?」


「「はーい」」


 今日も、ヘルプデスクは平和でした。


■用語説明


●胸容量

 バストサイズのことのようですが、悠曰く「胸が大きい人は心も大きい」そうです。


●「パスワードを教えて!」

 教えるわけがありません。


●「最初の数字は3桁」

 過去の用語説明に答えがあります。


●「人は生まれながらに、貴賤貧富の別なし……福沢諭吉」

 正しくは、下記のような感じです。

「『天は富貴を人に与えずして、これをその人の働きに与うるものなり』と。されば前にも言えるとおり、人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人(げにん)となるなり。」


●パスワードリセット

 パスワードを全く別の物に変更して、それでログオンさせ、その後にユーザーに任意のパスワードへ変えさせる方法です。


●「ユーザーのパスワードを聞くのはルール違反」

 けっこうこういう会社も多いです。

 「パスワードを教えても変えればいいや」と思っている人もいますが、けっこうパスワードはパターン化することが多いので、パターン自体がばれてしまうこともあります。

 個人用のパスワードはたとえ上司にでも教えないのが基本です。


●「じゅげむ」

 全文は検索してください。

 そしてパスワードの文字数として受け付けられるのかとか、全角ひらがなで入れたのかとか、そういうことは気にしないようにしてください。


●「これが正しい対応方法です」

 違います。

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