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なぜ彼女を雇ったのですか?

 おはようございます。

 ヘルプデスクです。


 木曜日が休日ですと、翌日の金曜日なんて休みたくて仕方ありませんよね。

 でも、休めない。

 そんな社畜……ではなく、まじめなあなたに笑いを届けたい。


 今回は、新しいメンバーをご紹介致します。


 かるく読み流し、一笑に付していただければ幸いです。




※2016/02/14:タイトル修正

「えー、彼女が本日から一緒に働いてくださる、【石野 圭子(けいこ)】さんです。みなさん、仲良くしてあげてくださいね。あ、上空さんの隣の席が空いているから、そこを使ってね」


 皆籐がまるで転校生でも来たように、ヘルプデスクの新メンバーを紹介しました。


 しかし、その紹介に違和感がありませんでした。


 その一番の理由は、見た目でした。


「ちょっ! 皆籐さん!」


「なんですか、委員長?」


「だれが美人委員長ですの! そうではなくて――」


 さりげなく自慢キーワードを差しこみつつも、ビシッと悠が圭子を指さしました。


「――この子、JKではなく、JCではなくて!?」


「That's rightです!」


 なぜか皆籐は、この英語が好きなようです。


 あまりに堂々とした返答に、悠も言葉を失います。


「いや、日本語で良いですから、皆籐部長。……というより、なんで中学生を雇ったんですか?」


 もちろん、さすがの夢子も驚きました。


 すっかり大学生か高校生だと思っていたのに、まさか中学生が来るとは思っていなかったのです。


 しかも、学校からそのまま来たのか、制服姿で学生鞄を前に持っています。


 そして自分の事で騒がれているとわかっていないのか、純真無垢なニコニコ顔を崩していません。


 無表情の皆籐とあまりに対照的です。


「皆籐部長、いくらなんでも中学生は……」


「もちろん、これには深い理由があります。……実は先日、借りてきた純文学の本の中に、【お局様は思春期】というのがありまして……」


「……心理学的矛盾を感じさせるタイトルですわね」


「というか、それ……マンガじゃありませんでしたっけ?」


「まあ、ともかく――」


 皆籐は二人のツッコミを「ともかく」でかるくスルーします。


「――その本の主人公は、団地妻がたくさん住むアパートの大家さんである、未亡人の女子中学生なのですが――」


「そ、それ、どこから突っこんでいいのやら……」


「とりあえず、その主人公の旦那は死んで当然ですわね……」


「――その主人公が、家事も料理もできて、しっかり者で、やさしくて、かわいいというすばらしい子でして――」


「できすぎて、むかつきますわね」


「珍しく意見が合いますね」


「――そんな娘が、私も欲しいな~と思いまして――」


「……えっ? む、娘!? なんで自分の家族願望を会社に!?」


「それでしたら、わたくしが生んでさしあげますのに!」


「――派遣会社に相談してみたところ――」


「相談するところ、違いますよね!」


「わたくしに、相談してくだされば!」


「――『ああ。いい子、いるよ』と言われまして――」


「いるんですの!?」


「……ってか、その口調、本当に派遣会社ですか!?」


「――『規制が厳しい中、珍しいJCだ。気に入らなければ、何度でもチェンジできるぞ』と好条件まで提示されましたので――」


「それ……」


「派遣会社じゃありませんわよね!?」


「――コースもいろいろありましたし――」


「政令28業務ではなくて!?」


「どんなコースがあったと!?」


「――試しに面談(店外デート)させていただいたところ、非常にすばらしい方で、しかも社員登用(おもちかえり)OKというこで――」


「ルビィィィ! それ、ルビ違う!」


「ああっ! もしかして皆籐さんってロリコンの方でしたの!?」


「――契約をさせていただいたわけです。ちなみに彼女は私のことを『パパ』と呼びますが気にしないでください」


「気になりますわ!」


「やめさせてください!」


「…………ところで、君たち。仲良く激しいツッコミいれてきましたね」


「ハア、ハア……仲はともかく、さすがに1人では……」


「ハア、ハア……そうですわね。捌けない量のツッコミどころでしたわ」


 2人は肩で息をしながら、がっくりと肩を落とします。


 ちなみにその時、肝心の圭子は心の中で、「せっかく登場したのに、一言もしゃべれない……」と嘆いていました。


 本当に、そのとおりですね。

■用語説明


●「JKではなく、JC」

 その通りです。

 「ジャンプコミックス」は「JK」ではなく「JC」です。

 まちがえやすいので気をつけましょう。


●【お局様は思春期】

 ネタは「大家さんは思春期」というマンガです。

 アパートの大家さんができすぎ女子中学生という設定です。

 信じられないかも知れませんが、そこは冗談ではありません。


●「チェンジできるぞ」

 「規制が厳しい中」なのに、そんなに豊富な女子中学生人材を持っている派遣会社ってすごいですね。


●政令28業務

 「労働者派遣法」の「施行令(政令)」の4条~5条で決められている「派遣期間制限の無い28種類の業務」です。

 派遣社員になる時に、この条項の「○号」で契約するということが、割と重要になります。

 詳しくは、ググってみてください。


●「店外デート」「おもちかえり」

 意味は書きませんが、ルビとは違うことだけは明記しておきます。


●「皆籐さんってロリコン」

 かなり怪しいですね。


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