第7話 優しい彼
「ミオウ様、大丈夫ですか? 緊張されなくていいですよ」
レオリー王子様が私に向かって優しく微笑んだ。
よく見るとレオリー王子様って、かっこいい。
超イケメン。
いいなぁ、ミオウは。
あ、ミオウ様か。
あー、なんか帰りたくなくなってきたかも。
こっちの世界の方が楽しいし、刺激的。
あんな普通な生活より、こんなお嬢様生活の方がいいよ。
ちょっとあきちゃったかな、普通の生活には。
きっとミオウだって、楽しんでるはず、多分。
庶民の生活をね。
「ミオウ様?」
レオリー王子様にそう呼びかけられて、私は勢いよく顔を上げた。
すると、私の目の前にレオリー王子様の顔があった。
私はびっくりして後ろに飛びのいて倒れた。
レオリー王子様は私の手を差し伸べると、あの優しい声で「大丈夫ですか?」と問いかけてきた。
私は慌てて手を取り起き上がると、しわくちゃになったドレスを直しながら「ありがとうございます」と
頭を下げた。
レオリー王子様はにこっと微笑むと「頭を上げてください」と静かに言った。
この人、本当に優しい……。
って、私ったら好きになっちゃだめだよ!
この人はミオウとお見合いしてるんだから!
でも、ミオウはいないんだから……。
私が好きになって、お見合い成功させちゃえばそれで良くない?
って、私ったら悪すぎるっ!
私は自分の天使と悪魔に惑わされながらなんとか自分の世界から這い出た。
そしてなんとか食事を終え、またあの部屋に戻ってきた。
相変わらず、目がちかちかする。
きらびやかなシャンデリアと悪戦苦闘しながらまたあの白いドレッサーをいじろうとした。
でも、せっかくレオリー王子様のお屋敷に来たんだし、探索しよっかな。
私は部屋を出ると、広い庭に行った。
そこをうろうろしていると、どこからか話し声が聞こえた。
私が耳をすませていると、突然ひらめいた。
レオリー王子様の声!
私は声のする方へと近づいて行った。
誰と話してるんだろう?
それが電話だとわかると、今度は誰と電話しているのかが明らかになってきた。
「ごめん。多分、結婚することになると思う。俺がアピールしたみたいになっちゃって……」
結婚する相手は多分私。
え、私ってもしかしてじゃなくても、おじゃま虫!?
じゃあ今話してる相手って、もしかして、彼女さん!?
やだ私ったら、すっごい嫌な役!
レオリー王子様に悪すぎる!
どうしたらいいんだろう……。




