第2話 お嬢様
「う~……」
パチッという音で、私は目を覚ました。
最初に見えたのは、見慣れない天井だった。
保健室……?
じゃなさそうなんだけど、ここ、どこだろう?
私は起き上がった。
すると、誰かが座っていた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
そう聞かれて、私は意味が分からなくなった。
なんか、服は制服じゃなくて、ドレスだし、かけられている布団も高級そう。
私、どうなっちゃったの?
「私……間違えてこんな所に……」
私はベットから出て、走り出そうとした。
それを、さっきの人に止められる。
「お嬢様、レオリー王子様とのお見合いはどうされるのですか?」
お、お見合い……?
ってか、私誰と間違えられてるの?
早く帰らないと。
「あの、人違いです! 私、学校に帰らないと……」
そう言いながら、私はおかしなことに気が付いた。
私、学校の階段から落ちたのに、どうして人違いなんかされるの?
おかしい、おかしいよ……っ!
ここはどこなの?
私に似た子がいるのかな?
それとも、魂が入れ替わったとか!?
いやいやいや、まさかそんな、ファンタジーすぎるでしょ。
「学校? お嬢様、どうされたのですか?」
相変わらず穏やかに聞いてくる人に向かって、私は叫んだ。
「私、お嬢様なんかじゃないです! 白澤桜ですっ!」
すると、その人は驚いた顔でつぶやいた。
「白澤桜……?」
その顔は、あまりにも怖すぎて、見ていられなかった。
その人は私の肩をつかみながら話し始めた。
「白澤桜がどうかしたんですか?」
急に穏やかになって、その人は手を離した。
でも、その笑顔が怖かった。
私は後ずさりしながら、「だから、私は白澤桜と言います……」と言った。
「そうですか。しかし、レオリー王子様とのお見合いが先ですので、話は後にしましょう」
私はそう言われて、豪華な部屋に連れ込まれた。
そこには、綺麗な顔立ちをした男の人がいた。
あれが……王子様?
なんて名前だったっけ……。
ま、いいや。
「ミオウお嬢様、初めまして」
「あ、初めまして……」
私、ミオウって子になってるんだ。
ミオウって子は、お嬢様なんだ。
ってことは、ミオウが私の姿になって、学校にいるってこと?
「お嬢様、レオリー王子様の方を向いてください」
さっきの人から注意を受けて、私は細かいことは考えずにお見合いをさっさと済まそうと思った。




