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桜姫  作者: 青木ユイ
3/10

第2話 お嬢様

「う~……」


パチッという音で、私は目を覚ました。

最初に見えたのは、見慣れない天井だった。

保健室……?

じゃなさそうなんだけど、ここ、どこだろう?

私は起き上がった。

すると、誰かが座っていた。


「お嬢様、大丈夫ですか?」


そう聞かれて、私は意味が分からなくなった。

なんか、服は制服じゃなくて、ドレスだし、かけられている布団も高級そう。

私、どうなっちゃったの?


「私……間違えてこんな所に……」


私はベットから出て、走り出そうとした。

それを、さっきの人に止められる。


「お嬢様、レオリー王子様とのお見合いはどうされるのですか?」


お、お見合い……?

ってか、私誰と間違えられてるの?

早く帰らないと。


「あの、人違いです! 私、学校に帰らないと……」


そう言いながら、私はおかしなことに気が付いた。

私、学校の階段から落ちたのに、どうして人違いなんかされるの?

おかしい、おかしいよ……っ!

ここはどこなの?

私に似た子がいるのかな?

それとも、魂が入れ替わったとか!?

いやいやいや、まさかそんな、ファンタジーすぎるでしょ。


「学校? お嬢様、どうされたのですか?」


相変わらず穏やかに聞いてくる人に向かって、私は叫んだ。


「私、お嬢様なんかじゃないです! 白澤桜ですっ!」


すると、その人は驚いた顔でつぶやいた。


「白澤桜……?」


その顔は、あまりにも怖すぎて、見ていられなかった。

その人は私の肩をつかみながら話し始めた。


「白澤桜がどうかしたんですか?」


急に穏やかになって、その人は手を離した。

でも、その笑顔が怖かった。

私は後ずさりしながら、「だから、私は白澤桜と言います……」と言った。


「そうですか。しかし、レオリー王子様とのお見合いが先ですので、話は後にしましょう」


私はそう言われて、豪華な部屋に連れ込まれた。

そこには、綺麗な顔立ちをした男の人がいた。

あれが……王子様?

なんて名前だったっけ……。

ま、いいや。


「ミオウお嬢様、初めまして」


「あ、初めまして……」


私、ミオウって子になってるんだ。

ミオウって子は、お嬢様なんだ。

ってことは、ミオウが私の姿になって、学校にいるってこと?


「お嬢様、レオリー王子様の方を向いてください」


さっきの人から注意を受けて、私は細かいことは考えずにお見合いをさっさと済まそうと思った。

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