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第二話 恋愛偏差値のススメ (新今宮駅)

・JR西日本大阪環状線(じぇいあーるにしにほん おおさかかんじょうせん)

 大阪環状線(Ōsaka Loop Line)は、

大阪駅を起点・終点とする21.7kmの路線で、

大阪府大阪市内の大阪駅-西九条駅-天王寺駅-京橋駅-大阪駅間を環状に結ぶ。

西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線(幹線)である。

ラインカラーは赤。大阪のダイナミズムをイメージしている。


・新今宮駅  (しんいまみやえき)

 新今宮駅は、大阪府大阪市浪速区恵比須西にある西日本旅客鉄道(JR西日本)大阪環状線の駅である。浪速区と西成区の境界付近に駅があることが特徴。

外側2線には大阪環状線の列車が、内側の2線には大和路線の列車および阪和線の直通列車が発着する


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



             01.恋愛偏差値落第点



「必要や思うで? ほら、恋愛偏差値って言うの?

 あのさぁ、人間の心なんてもともとマニュアルで作られてるようなもんやろ。

 だったらさ、少しくらいは把握できるようにせんと。

 だいたい、お宅もう、いい大人なんやから。」



 マドラーで八文目くらいになったコーヒーをかき回しながら彼は笑った。



 ――これを見てる皆さんが誤解ないようあえて言っておくけど、彼の笑顔は穏やかなものなんかじゃない。

 それは心の底から、私を卑下する為だけに作られた笑みだ。

 優越感すらうっすら滲むそれを向けられた私は、思わずうっと引き下がった。


 今だけは。


 目の前の彼が私を笑う今この瞬間だけは、有閑マダムやタイムリミットまでの暇を持て余した爺婆たち。

そしてはちみつ漬けにされた脳みそと口で愛を囁き逢う恋人どもで賑わう喫茶店の喧噪も、蓋をしたみたいに遠い。


 ああ、ウチ、馬鹿にされてるんか。


 理解するよりも早く眼尻には涙が浮かんできて、私はそれと一緒に湧き上がってくる悔しさを誤魔化すように俯いた。

 強かに下唇を噛むと、ほんのりと血の味がする。

 何となくだけれど確信的に、唇と一緒に心が切り刻まれているのだと感じた。



「…………じゃあ、ウチの恋愛偏差値、何点なん?」



 声は揺れていなかっただろうか。

 肩は震えていなかっただろうか。

 そう不安に思いながらも問うたのは、私のネバーギブアップ精神が果敢にも立ち向かった証だった。

 けれどそれも今この時を持って、そして付け加えるのならば



「落第点」



 恋人『であった』彼の言葉により、ぼきりと根元からへし折れたのだけれど。

 つまりだから……ええっと。これはそういうお話なのだ。



「…………っ!」



 そんなこんなではっと面を上げると、そこは見慣れた駅のホームだった。

 足元には、これまた見慣れた黄色いブロックがある。


 ――――あ。白線の内側。


 二、三歩後ずさると、弱ったようなため息が出た。



「…………っうぁあ」



 記憶、と言うよりむしろ綺麗さっぱりに意識が飛んでいた事をその瞬間素直に認める。

 それからややあって、私はゆっくりとあたりを見回し、状況を把握しなおした。


 ……こんなに脆かったの。自分。


 口惜しいような思いは、この際封印しておくとして。


 ――現在地は通天閣のお膝元、大阪は新世界(と言う名の旧世界。)にあるJR新今宮駅の二番線だ。


 高架にある新今宮駅から見下ろす町並みは、どこか草臥れた空気をまとっている。

大阪、いやむしろ日本で一、二を争う治安の悪さと噂される西成区の近くにある為だろうか?

 どこか淀んだ空気が肺に入ってくるような気がして、なんだか少し気分が悪い。

そんな中で頭一つ飛びぬけて鎮座する、大阪の象徴たる通天閣はとてもシュールだ。

 ガラクタ置き場みたいなこの駅は、今の私には、まったくもってお似合いのようにも思えた。


 現在時刻は午後4時30分で、私の名前は杉山由里。福祉系の大学ニ回生。

そして、今しがた1年と3ヶ月付き合っていた彼氏に散々な振られ方をした女の子。


「………………」


 溜息は出てこなかったが、代わりに私はぎりりと奥歯を噛んだ。


「嫌なこと思い出さすなや…………アホ」


 それは自分へのものだったか、はたまた相手へのものだったか。

 舌打ち一つで考えを打ち消して、私は眉根を寄せつつうっすら血の滲んだ唇をなぞった。

カサついた唇にリップを塗ろうとする気持ちすらもう起こらない。

多分そんな女の子らしい気遣いは、僅かばかりの反抗心と一緒に彼の笑顔で殺し尽くされたのだ。


 ――思えば初めはその笑顔に心をやられたような気がする。それから、巡り巡ってまた殺された。


 だからこれはつまるところ、


「…………なんちゅー皮肉」


 呟く。

 そしてその瞬間、ひりりと火傷のような感触胸の奥に感じて、

嗚呼これは当分『ソレ』を考えないようにした方が良いな、と思った。


 …………けれど、やっぱり。どうしてか。


 冷静にそう判じたのは頭だけで、心の棚はまだぐちゃぐちゃだったようで、

脳裏では、思い出と言うには生々しすぎる記憶がむくりむくりと起き上がってくる。



 止めて、と悲鳴のような自分の声が、そう言うにはしかし、か弱く漏れた。



 ―――――出会いはどうだった。嫌いな食べ物はなんだった。

 車酔いが酷いのに、私をドライブにつれていく為に免許を取った。

 そう言えば喧嘩はいつだって自分の方から折れた。

 怒った彼はよく物に当たった。けどそんな子供っぽい行動にもどこかずる賢さがあった。

 その度に私は彼を嫌うようになった。それは彼も一緒だと思う。

 そんなサイクルは一年くらい続いた。それでも私は彼が好きだった。…………はん。



『一番線、電車が参ります、危険ですので白線の内側に……』



 誰に憚ることなく吐いた溜息と連動するかのように、スピーカーからアナウンスが始まる。

ふと左へ視線を向ければ、一駅手前の天王寺駅の方からオレンジ色の電車が向かってくるのが見えた。



 ――大阪へ向かう、環状線のそれだ。



 とすれば、それとの連結の為、あと1分も経たない内に向かいの二番線へ快速の難波行きが入ってくるだろう。


 ――このまま環状線に乗り、大阪へ帰るか。

   それとも難波まで出て適当に時間を潰すか。


 選択肢はそれこそ海のように膨大にいくつも広がっていて、私は肩を落とさずにはいられなかった。


 こんなに選択肢があるなら、何であの時は一つしかなかったんよ。


 そう思ったのだ。あの時、とはもちろん――


 と再び意識が沈み込もうとしたその時、私の右腕が誰かに力強く引き寄せられた。

ギョッとして振り返ると、そこには私の腕を掴んだまま、申し訳なさそうに笑っている男がいる。



「は…………?」

「だいじょーぶ?」


 男の声は、好青年っぽい感じだった。……白状すれば割と私好みの声である。

 でもまあ、よれたカッターシャツにやぼったい黒ぶちメガネは、なんだか冴えないような印象を受けるし、

さらに残念なことにその男、きちんとした格好をすればそれなりに整う容姿をしているのであろうが、

目の辺りまで前髪がカーテンのように掛かっていて、顔の全体を捉えることが出来ないでいるのだ。


 逆にそのアンバランスさが、近づきがたいような雰囲気をかもし出しているのだろうか。

 その奥の瞳には一抹の精悍さがあるものの、

……もったいない、と一瞬でも思ってしまった思考を切り捨て、私は男を睨んだ。



「何」

「いや……なんや今にも飛び降りそうやったから。すごい顔してたよ?」


「大きなお世話。ってか私が死んでも自分には何も関係ないやろ」

「あー……それは困る。君が飛び込む、電車が止まる。俺は今から月一の逢瀬。この意味解る?」

「…………」



 何だコイツ、と。そう思ったのが前面に出ていたのだろうか?

 男はさらに申し訳ないような、弱ったような笑みを濃くさせた。

 ああ、と安心したのは、その中に負の感情がなかったからだろうか。

それとも男がただ単純に『キモイ』だけじゃないと思ったからだろうか。

 うん。多分、後者だ。きっとそうだ。……どっちにしろすっごい不覚だけど。



 私はそれらの感情を悟られないように睨むように男を見た。

薄いパステルブルーのカッターシャツが風に揺れている。

 少しのデジャブュを感じるのは、その笑顔が彼と少し似ているからだろうか。



「で、飛び降りる気やったん?」



 ふいに腕を放した男が問うて来た。

オレンジ色の電車がうねる程電気を食って、今宮駅へと滑り出していく。

その瞬間、逃げ場を失くされたと感じたのは、ただの逆恨みと被害妄想だろうけれど。

 巻き起こった風で前髪を暴れさせながら私は言った。



「察しろや」



 ふてぶてしく発した私の声を、大丈夫そうだ、と軽く笑い飛ばす男の声が響いた。


 その軽やかさが今はいっそ憎々しくもあり、私は再度強かに唇を噛む。

 沈黙が蚊帳のように降りてきて、全部の幕を引こうとした瞬間、男は気付いたように「あ」と声を発して来た。

 何やねん。聞くよりも早く、男は信じられないことに、私へこう告げて来たのだ。



「なあ、君。これから逢瀬につきあわんか?」



「は?」

「やから、一緒にデートいかん?」



 男が何を言っているのか理解したその時。

 いや正確には理解する一瞬手前で、自分ありえん、と私は叫んだ。




             02.恋愛偏差値 難点



 どうしてこんなことになってんの、と思わずにはいられなかった。

 目の前にはほくほくとした笑顔でクッションを抱く男がいる。

 …………こんな笑い方も出来たんだな、と少しほんわりとした気持ちで思った自分が憎い。



「可愛いやろ。うりうり」

「…………」



 そう言いながら、男は私の頬へクレーンゲームで獲得したばかりの人形

 (青くて頭部と目が異様にでっかくて三投身のくせに犬歯みたいな歯が規律的に生えてて

爪も長くて全身が「肉食です」って自己紹介してる個人感情としてあんまり可愛くないと思うのに

女子供からやたら人気があるのが心底摩訶不思議な某社のキャラクターだ。)を押し付けてくる。



 …………ほぼ初対面の人間になんてことをされているのだろうか私は。



 不甲斐なさと苛立ちで眉根を寄せながら、私は柔らかい固まりを手で押しのけた。

直線的な音響が耳へダイレクトに届く、喧しいばかりのゲームセンター。

 四面囲むようにして置かれた様々なクレーンゲームのコーナーで、私と男は二人っきりだった。

 ついでに言うと女の影は微塵もない。


 …………えっと、月一の逢瀬?


「これのどこがデートなんよ。てか相手は?」

「デートやんなー? 囚われのお姫様を助けに行く王子様の図。的な?」


と、男はうへへなんて笑いながら人形に笑いかけている。

…………うん。――よし。


「自分、モテへんやろ」

「…………」


 小声ながらもしっかりとした発音で言ってやった私の言葉は、相手にもきちんと届いたらしい。

 否定が無いところを見れば図星だ。

 そしてわかりやす過ぎることに、びき、と全身の筋肉を死後硬直しだした猫みたいに固まらせて、

男は「ソンナコトナイモン」と謎の呪文を唱え始めた。思わず破顔。



「アッホやなぁ」



 あと「モン」て何よ。私の口からすんなりでてきた言葉。……あれ?


「おお、君、笑うと可愛いな」


 …………あれ?


「…………」

「どした?」


「違、違ぁぁぁぁあう!! これは、これはアレ、別にそう言うんやなくて、違うの、とにかく違うの!」

「ドードー」

「動物か!」


「ヒッヒッフー?」

「セクハラー!」

「そういきみなさんなちゅーことですー。あはは、てか君おもろいな」


 ぬいぐるみを押し付けて来た時と同じような気軽さと気安さで、笑いながらガシリと頭をつかまれた。

無骨な。だけれども暖かく広い手でぐりぐりと回され、視界が周り。思考も周り。


 …………あれ?


「…………うそやぁ」


 ぽろり。出てきた言葉と涙。

心に滲んだ暖かい気持ち。なんだ、アレか。これは。

つい数時間前まではもう一生いらないなんて思った、この暖かさと嬉しさと一握の切なさは、




 恋か。




 私の涙を見た男が大層慌てだしたのが面白くて、つい笑ってしまった。

 それでも涙はとまらなくって、それを見てさらに慌てだす男の姿(あ、人形取りこぼしてやんの。)が面白くって、

簡単に引っ込み切れない涙と笑いが、ゲームセンターの電子音に掻き消えていく。

 傍から見たら、私たち二人はどんな関係に見えるのだろう?


 仲の良いきょうだい?


 一緒に遊んでるともだち?


 痴話喧嘩中のこいびと?


 それとも、




 ――ああ、もうそんなんどうでもええよ!

   それよりもお願いします。涙、止まれ!



 そんな初対面の失態から数か月。


 逢ったのも何かの縁と言う事で私たちはまずメールのやりとりを始めた。

 きっかけは別れ際、新たに獲得したキャラクターもののクッションを私に渡しながら

「メアドチョウダイ」と言う謎の呪文を唱えた男からによるものだった。

 鼻水たらして泣いた場面を見られ、これ以上の評価下落もないだろうと踏んだ私も快く承諾し、メールでのやりとりが始まったのだ。


(エンタの神様オモロー!(笑)

 ナベアツとか正味いらんと思う。アイツぶっちゃけあらびき団から出てくるべきちゃうかったわ。

 ってかそういうならレットカーペットの方が面白いしwww

 わかってないなぁ、あのくだらなさの中におもろさを見つけるんやろ(笑)

 くだらんって自分で言ってどないすんのwwww)


 日常会話から、


(バイト疲れた。あの忙しさは訴えたら勝てるレベル。

 あそう。で、相談いい?

 労えよ! 労ってくださいよ! あー、ええよ。どしたん。

 実はな――――)


 こんな相談まで。


 メールと電話を重ねに重ね、私たちは交流を深めていった。

 聞くところによると、男の名前は新島雅彦というらしい。しかもなんと、同じ大学の三回生だというのだ。

 学部は違うものの(それを知ったとき、「何で違うねん!」と割と私は憤慨した。

単位取りやすい教科教えろや! と続けるとあきれられたが。)、私とは先輩という関係だったのだ。


 それを知ってから、私たちの距離はぐっと縮まった


 何度かキャンパスでも会うようになり、(雅彦せんぱい曰く)月一の逢瀬に

私もさりげなく同行させてもらうようになり、映画に行ったりカラオケ行ったりした。

 出会いがアレだったのに関わらず、よくもまあこんな事が出来るものだと自分自身で驚いたものだ。

 


 でもまあ――


 出会いがアレだったからこそ、それ以上に踏み込むこともなかったのだけれど。


 そして10月の秋。



「白状します。すんません、新今宮で絡む前から、君の事は知ってました」



 恒例の難波開催ゲームセンター廻りからの帰り道、雅彦がそう告げてきたのだった。

 いくつもの店が軒を連ねるショッピングセンター、難波ウォークの雑踏の中、

のろのろと難波駅へ向かっていた私は、言われた瞬間にはその意味がよくわからなかった。

 立ち止まり詳しく聞きたかったのだけれども、往来の邪魔になるのでそれも出来ず、歩く速度を緩めることで抗議の意を表したのだ。


「…………なんなん、それ」


 告げた声はきっと不服感たっぷりだったのだろう。

 初対面の時に見た、誰かに詫びるような笑顔と笑い声を、隣で雅彦が漏らした。


「可愛いらしい子やなぁって。大学内でよく見かけてた。

 で、あの日や。偶然にも声掛けるチャンスがあったから……つい?」

「何やねん、まず容姿か。アホか。じゃあ、あの初対面のあれは、アレか。ナンパやったんか」


「行き先が難波だけに?」

「うまないわアホ」


 今度は早足で歩くと、後ろをカルガモのように雅彦がついてきた。

 右手には、ナイロンの袋に入った人形がある。

その中には先ほどのクレーンゲームでゲットしたぬいぐるみが入っている。


 ……つまりは、私と同じものが。


 呆れ返って物も言えないでいると、でさぁ、とふいに雅彦が言う。

 ガザ、と前触れのようにナイロン袋がかすれた音を立てた。

 ああ、痛いところを突かれるかもな、と言ううっすらとした予想が私に襲いかかって来た。



「俺の隠し事をばらしたんで聞くわ。

 もし、答えてくれたら。素直に。俺はとても嬉しいと思う。

 あのさ、ずっと気になっててんけど、」


 

 次にでてくる言葉は、きっと予想通りだ。



「由里ちゃん、何であの時あんな泣きそうやったん?」



 そら来たぞ。




             02.恋愛偏差値 何点?



 大体、初対面でなっさけない部分はさらけ出していた。今更体面を気にするような仲ではない。

 そう自分自身に言い聞かせながら、私は話した。それも洗いざらいだ。

 あの日、彼氏に振られたこと。それを思い出してボーっとしていたら、雅彦に声を掛けられたこと。

 正直最初は冴えない奴としか思わなかったこと。あれやこれや。全て。


 顛末を話し終えた場所は、雅彦からの提案で腰を落ち着けようと入ったマクドナルドだ。

 向かいあいながら、彼は笑う事もなく凄く真剣な面もちで話を聞いてくれた。

 そして、そんな彼が注文したのは…………うああ、何の因果か、マックコーヒー。


 マドラーで中身をかき混ぜ終わった新島雅彦が、不意に言い出した。


 いつになく真面目な顔つきだった。



「ええ? 偏差値は絶対値やなくて相対値なんよ」

「は?」

「だから、基準が違えば値も違うってこと」



 俺が思うに、その男はとびっきりのアホやったんやろ。

 からりと笑った彼に、ふいに胸をつかまれたような感覚に陥る。

 愚直な、とも言えそうなくらいに真っ直ぐとした視線が私を捕まえる。



 釣られた。そう感じてからではもう遅いのに。



「で、一応聞くけど、この流れで告白してもええねんな、俺は」



 雅彦が言う。

 う…………うっわぁ、なんか、これ。凄くハズい。凄いハズいんですけれども!

 耳までゆでダコ。赤面している事を自覚しつつ、待って。と一端静止をかけた。


 これだけ聞かせて、と言い出し、彼を見据える。



「ウチの恋愛偏差値、何点?」



 聞いた私に、朗らかな笑みが返された。

 彼は言う。




「もちろん、合格点やね」




 つまりだから…………ええっと。これはそういうお話なのだ!






         了

新今宮の雰囲気は好きなのですが、夜中にここ通るの少し怖いです。

あと「新島」なのは彼が息子だからです。

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