表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/98

プロポーズ?!

 ウィスタードの街の領主様の家を訪れたサザンカ(あげは)たち。

そこで出会った領主、ノエルは、銀髪に銀の瞳を持つ魔族の青年であり、弟のルークもまた魔族であり、こちらは金髪に深い青色の瞳を持つ青年だ。


 一行は、ノエルとその弟であるルークの二人によって屋敷の応接室に案内されたのだった。


「さ、適当な場所に座って!」


 ノエルの言葉に従い、各々ソファに腰かけた。

サザンカ(あげは)を間に挟むようにオウカ(桜華)オミ()は三人掛けの同じソファに。

ヒスイ(翡翠)レイ()は二人掛けのソファに座った。


 そしてサザンカ(あげは)達の向かいのソファに、ノエルとルークが座ったのだった。


「とても広いお屋敷ですね! お手伝いさんもいっぱいでしたし!」


「これでも伯爵家だからね! 改めまして、僕はノエル! こっちは弟のルーク!

この間は街の人達に癒しの力を使ってくれてありがとう!」


「初めまして……僕からも、街のためにありがとうございました」


「それともう一つ! お礼を言わなきゃいけない立場なのに、こうして足を運ばせてしまった事……申し訳ない! この通り!」


 ノエルは申し訳なさそうに勢いよく頭を下げた。

その行動に慌てて両手を勢いよく左右に振るサザンカ(あげは)


「いえ! お気になさらず! それに、出来る事をしただけですので!」


「ありがとう……。

そうだ! あげはちゃんの事は聞いたけど、亜人の皆さんの事はまだだったよね!

よかったら名前とか、スキルを教えてくれないかな!」


 ノエルの言葉にオミ()達は軽く自己紹介をして、スキル『人狼』についての説明をレイ()がしたのだった。


 その説明にノエルは、宝物を見つけた子どものように目を輝かせて、スキルについていくつも質問を投げかけた。


「……あの……」


「なんだい? 弟よ!」


「スキルの能力に目を輝かせるのはわかるけど……その声の大きさとか張り具合……どうにかならないのかな……隣に座る僕の耳を考えて欲しい……。

それに、お客様の前でそんな大声……。

すみません、うちの兄が……」


『いえ、お気になさらず。

似たようなお方がこちらにもいますし』


「そうそう! オミ()なんて、こう……目を吊り上げてウガーって感じで!」


『……いや、どう聞いてもあげはの事だろ……』


「そんな?!」


「ルークひどいぞ! 兄をそんなぞんざいな扱い!」


 ルークやレイ()の言葉に反応するノエルとサザンカ(あげは)

その反応する二人をよそに、ルークとレイ()は話を進めていった。


 自分たちの意見が通らない事に、ノエルとサザンカ(あげは)はしょんぼりと肩を落としたのだった。


『それにしても、領主様にしてはお若く見えますが……』


「僕たちはこれでも、君たちよりは長く生きてるほうだよ。

眷族のおかげで魔族は歳を重ねても老けないんだ」


『そうでしたか……それは失礼いたしました』


「大丈夫、気にしてないよ。

それに、両親は少し前に不慮の事故で……今は僕たちでこの街を守ってるんだ。

主に兄さんが……だけど」


「ん? 何か僕の事を話したかい?」


「……落ち込んでたんじゃなかったの……」


「ちょっと落ち込んだらもう十分だよ!」


『……あげは様はまだ落ち込み中ですわね……』


「……私……そんなにうるさいかな……」


『すっごく』


オミ()様!! 大丈夫ですよ、あげは様。

あげは様は元気いっぱいで賑やかなくらいがちょうどいいですわ』


「……オウカ(桜華)……ありがとう~……」


 オウカ(桜華)に励まされ、少し甘えるようにオウカ(桜華)に抱き着くサザンカ(あげは)

その様子をノエルはジッと見つめていた。


「……あげはちゃんは……末っ子気質なのかな。

見た目もそうだけど、すごく可愛いね」


「……はい?」


『あげは様に色目を使うとは』


『……オウカ(桜華)……落ち着けよ。

まだ、そうと決まった訳じゃないだろ』


「いいや……。

僕は決めた! あげはちゃんをお嫁さんにする!

あげはちゃんが欲しい! 僕と結婚してください!」


「え……」


『『『『……』』』』


 ノエルは勢いよく立ち上がり、サザンカ(あげは)を真っすぐに見つめた。

あまりの唐突な出来事にオミ()達は口を開け、唖然とした。

その中で一人、ノエルの弟であるルークはため息を吐き、首を横に振った。


「兄さん……またなの……。

唐突なプロポーズ……これで何度目?」


「何度目だろうな~……。

でも……本当に欲しくなっちゃったんだから、しょうがないだろ」


 ノエルは、ルークに視線を向けたが、再度サザンカ(あげは)に向け、にこやかな笑顔を見せた。


 唖然としていたオミ()達も、我に返り、各々サザンカ(あげは)について語りだした。


『はっ……いやいやいや、相手はちゃんと選んだ方がいいぞ?!

領主様がそんな勢いでプロポーズとかしちゃダメだろ!』


オミ()様の言う通りですわ! もっと慎重に発言をしてくださいまし!

あげは様はたしかに優しくてお可愛らしくてお料理も上手ですが、エネルギーコントールは致命的ですし、猪突猛進ですし、破天荒ですし!』


『……何をやらかすかわからない……』


『少し抜けてるところもありますね』


『正直に言うと、おバカさんだな』


「ちょ?! 私の事そんな風に思ってたの?!

オウカ(桜華)に至っては、褒めてるのか(けな)してるのかどっちなの?!」


 オミ()達の発言が思いもよらなかったサザンカ(あげは)は、あたふたと交互に皆の顔に視線を向けた。


 それでも諦めきれていないのか、ノエルはさらに言葉を続けた。


「皆さん……あげはちゃんの事が大好きなんだね……。

それなら、皆さんもあげはちゃんのお供としてついてきて!

皆まとめて僕が面倒を見るよ!」


「……兄さん……いくらなんでも強引すぎ……」


「やっと見つけた運命の人なんだ! ここで逃すわけにはいかないよ!」


「あ……あの~……私の意思は……。

それに、今日会ったばかりですし……」


「ん? う~ん……それもそうか……。

なら……今日、夜にこのお屋敷でパーティーがあるんだ!

よかったら君たちも参加してほしいな!

そしたら僕の事をわかってもらえる時間も出来るしね!」


「そういう事でしたら……」


『おい! 参加すんのか?! そのパーティーってやつ!』


「うん……せっかくのお誘いだし……」


『このお人好し!』


 ノエルの誘いを受けたサザンカ(あげは)に、オミ()達は飽きれたように項垂れたり、大きくため息を吐いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ