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皆の戦い方

 サザンカ(あげは)が冒険者が集まる場所にたどり着くと、一触即発状態の中、冒険者の皆は、戦闘態勢に入っているものの、その場から動けずにいた。


 その中で、サザンカ(あげは)は近くにいる冒険者に声を掛けた。


「あの~……どうしてみんな動けずにいるのですか?」


「あのオーラのある魔物の討伐は特殊だ……。

ヘタに動けねぇよ……」


「それなら私が!」


 サザンカ(あげは)はそう言って冒険者達の前に飛び出し、一人、魔物を前に立ちはだかった。

そこへ、冒険者に混ざり、魔物の様子を見ていたオミ()達も人混みの中から飛び出し、サザンカ(あげは)の隣に立ち並んだ。


『おい、あげは! またお前は飛び出して!』


「あ! オミ()

どうして先に行った皆もまだ戦ってなかったの?」


『相手がどう出るか様子を見ていたのです』


レイ()さんやオウカ(桜華)達も?」


『……相手の出方を見る……。

それは、戦闘の基本だから……』


「う……なんか、前にオミ()に教えてもらった気がする……」


『……お前……今の今まで忘れていただろ……』


「そ、そんな事は~……それより、魔物!

一気に倒すよ!」


 苦笑いをしたサザンカ(あげは)オミ()達に向けていた視線を魔物に向け、帯に差していた扇子を広げた。

そして扇子を持つ右手を大きく振り上げ、掛け声とともに大きく振りかざした。


「いっくよ~~!! 風魔法、双竜双蛇(そうりゅうそうじゃ)~~!!」


 サザンカ(あげは)の振りかざした先に小さい風が生まれ、それらが大きくなり、二匹の大きな竜と二匹の大蛇の姿を成し、渦を巻きながら魔物たちを巻き込んでいき、オーラを浄化した。


 ヴォルフの言ったとおり、リストバンドのおかげでエネルギーは今までの半分以下の限界値で収まっているが、ヴォルフの手がけた武器である扇子と、風魔法の石が相まってここにいる冒険者たちよりも威力の強い攻撃が繰り出されたのだった。


「や……やったーー!!

エネルギーがいい感じにコントロール出来たーー!!

そんでもって、イメージ通りにカッコイイ竜巻が出来たーーー!!」


『わー……。

エネルギーは抑えられていますが……何というか……迫力のある大技ですね……』


『……竜巻を攻撃として当てたかったんだね……』


『竜巻は竜巻だが……。

でかすぎだろ……。

しかも、竜と蛇って……』


『あげは様はなんでも規格外ですね……』


『……俺……最近、神々に思う事があるんだが……』


『?』


『地に放ってはいけない奴を追放したんじゃないかって……』


『……言いたい事はわかるよ』


 オミ()達が呆然と見守る中、サザンカ(あげは)が放った技が落ち着き、その技で仕留められた魔物もいたが、生き延びた魔物も複数体いた。


「オーラが消えた……」


「冒険者の皆さーん!

これで通常の魔物と一緒になりましたよーー!

皆で討伐しましょーー!!」


「「「おぉーーー!!!」」」


『なんであげはが仕切ってんだよ……』


「流れ的な?」


『ま、とりあえず、いっちょやるか!』


 そのオミ()の掛け声でヒスイ(翡翠)オウカ(桜華)も生き延びた魔物たちのもとへ飛び出し、各々戦闘に入った。


 他の冒険者たちは、魔物一体につき、五、六人の数で相手をしている。

それが約二十組ほどいるのだ。


 そんな中、オミ()達五人は、一人で七、八体ほどの魔物を相手にしていた。


『すっげ……切れ味抜群……。

それに、火魔法の伝導も良い感じだな……さすが、ヴォルフのおっちゃん!

戦いやすいぜ!』


 攻撃の際、右手でロングソードを持ちながら相手に切りかかり、さらに、ロングソードで火魔法を放ちながら応戦し、空いている左手は雷魔法を使った。


『あまり使う機会がなかった……が、くらえ!!』


 オミ()は左手に雷魔法を溜め、少し大きい玉を形成したのち、敵に投げ放って、その魔法が敵にぶつかるのを確認したオミ()は、指をパチンと鳴らした。


 指を鳴らした事によって雷魔法がはじけ、攻撃をぶつけられた敵の周囲にも雷が及び、複数体巻き込んで感電し、仕留める事が出来た。


『雷魔法って案外使い勝手いいな……。

他の魔物は……ま、冒険者の人数も多いし、あいつらがいるし、何より……勝利の女神がいるから大丈夫だろ。

っと……この仕留めた魔物たち、早くどかさねぇと、他のやつらの邪魔になるな』


 オミ()が自分の周りにいた魔物を一掃出来た事を確認すると、辺りを見渡し、他の戦いに加勢しようと考えたが、状況的に大丈夫な事を確認したため、仕留めた魔物を風魔法で少し離れた場所に移動させ、その場で自身も他の場の戦いを見る事にしたのだった。


 オミ()が戦い終わった一方で、一部戦場では、ヒスイ(翡翠)もまた、高い戦闘力を発揮していた。


 ヒスイ(翡翠)は体にエネルギーをまとい、瞬発力を上げ、双剣を手に魔物の体を足場にしながら確実に急所を狙って切り込み、さらに追い打ちをかけるようにその切り込んだ部分に双剣から風魔法を繰り出した。


『……双剣にして正解……』


 ヒスイ(翡翠)は手元の双剣に視線を落とし、満足そうに微笑み、再び周囲の魔物へと向かって行った。


 ヒスイ(翡翠)が戦っている傍ら、オウカ(桜華)もまた、新しい武器を駆使しながら戦っていた。


『はぁーーっ!!』


 オウカ(桜華)も体にエネルギーをまとい、瞬発力と怪力のある状態で一体一体敵に殴り込んだり、足技のかかと落としを繰り出すなど、体術を繰り出した。

さらに、身をかがめて地面に手を添え、土魔法を発動させた。


『土魔法……ラヴァンテール!!』


 オウカ(桜華)の掛け声とともに魔法が発動され、大地が盛り上がり、高い壁へと形成され、谷のような環境に魔物を挟みこむ攻撃を繰り出した。


『この周辺の魔物は……討伐完了ですね!

武器も良い感じですし、ヴォルフさんの腕はすごいですわ!

あら? あんなところにオミ()様が……この魔物たちをあの場所に運んでしまいましょう』


 オウカ(桜華)は仕留めた魔物たちをオミ()のいる場所に移動させ、まだ戦っているヒスイ(翡翠)たちの活躍を並んで見る事にした。


 その頃、レイ()は、魔導士の杖を使ってオミ()達からちょっと離れた場所で遠距離攻撃を繰り出していた。


『水魔法と氷魔法……好きなように配分が出来るのがいいですね……。

ヴォルフさんの言う通り、任意の場所に魔法が放てるのはとても効率がいいですし、何より、戦いやすくて近距離が苦手な私には向いていますね』


 そんな事をこぼしながらレイ()は、杖をかかげ、水魔法で水の渦を発生させたり、氷魔法でツララを発生させ、頭上へ落としたりと確実に一体ずつ仕留めていったのだった。


 それぞれが冒険者や仲間を巻き込まないように技を繰り出し、確実に敵の数を減らしていった。

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