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再び…

転びそうになったサザンカを受け止めた二人と、サザンカは後ろにあった噴水の中に倒れ込んだ。


覚えているだろうか、サザンカの鏡の機能の一つを。

そして、その鏡と噴水を繋げている事を。


そう、サザンカの鏡と繋げている事によって、今の噴水は、写る向こう側の自然物を取り出せることが出来る。

また、それは逆もしかりで、向こう側に行く事が出来るという事。


もうお分かりだろう。

噴水に倒れ込んだ三人は、水を通って下界へと真っ逆さまに落ちていったのだ。


「「わぁーーーー?!」」


「………。」


「下界に落ちてるーー!!」


「このままだと地面に叩きつけられますわね。」


「冷静に怖いこと言わないで!!

そんなグロテスクな事になりたくないわ!!」


「神様、仏様、女神様ーー!!

助けてーーー!!!」


「サザンカ、女神は私達よ…。」


「マツリカちゃん!どうしてさっきからそんなにも冷静なの?!」


「冷静を保っているだけですわ。

気を抜けば、高さと落下の恐怖に意識を飛ばしてしまいそうだもの。


それにもうすぐ地上と言う恐怖も相まって…結構、きてます。」


「…誰よりも一番ヤバい状態だったのね…おかげで冷静になったわ。


風魔法発動!

風よ、我らの身を包み込め!」


ベロニカが落下しながらも、見えてきた地面に向かって片手を伸ばし、風魔法を発動させた。

すると、手の先から勢いよく風が現れ、一度地面に到達したのち跳ね返って落下している三人を包み込んだ。


ほどよい風に包まれた三人の体は落下の速度が落ち、ゆっくりと地上へと着地した。


「どうにか無事に着地で来たわね。」


「…死ぬかと思いましたわ。」


「お姉様達、お怪我はありませんか?

私はないです!」


「私達は大丈夫よ。

サザンカちゃんは元気ね~。

さっきの慌てっぷりが嘘のようだわ。」


「……あの。

そんな事より、大変ですわ。」


「どうしたの?マツリカちゃ…あ…。」


着地した三人がその場で無事を確認しながら話していると、先ほどのベロニカの風魔法を機に三人の周りに人々が集まり始めていたのだ。


『空から降って来たぞ…。』


『賢者様が言っていた神と言う存在なのでは…。』


『本当にいたんだ…神。』


「「「………。」」」


「逃げた方がいいかしら?」


「囲まれている以上、それは出来そうにありませんわ。

ここで魔法を使う訳にもいきませんし…。」


「神と公言するようなものだしね…。」


ベロニカとマツリカは小声で話し、どうにか今の状況から抜け出せないか辺りを見渡しながら打開策を考えるが、さらに人が増えており密集しているため、抜け出せそうにないと頭を悩ませた。


二人が考え込んでいる中、自分達の姿が囲んでいる皆に見えるように、サザンカは足元の地面を創造で土台に造り上げた。


「はい、皆さん、ちゅうも~く!

ここに御座(おわ)すは、三女神、我らがまごう事なき神である!!


奥から順に火、水、風を(つかさど)る!

自然の事ならお任せあれ!女神、ベロニカ~!


続きまして私のお隣、天と地の管理人!

冷静沈着、知識人!女神、マツリカ~!


最後はこの私!

お悩みあれば万事解決!

皆さんの生活援護します!女神、サザンカ~!


三人合わせて、女神三姉妹!!」


「ちょ、ちょっとサザンカちゃん?!」


『『『うぉーー!!女神様ーーー!!』』』


「「?!」」


サザンカの意気揚々とした名乗りに、神だと確信した人々は歓声をあげた。

その様子に若干引き気味のベロニカとマツリカ。

サザンカ本人は、笑顔で手を大きく振りながら皆の歓声に応えている。


『きゃーー!!ベロニカ様~!!ステキ~!!』


『マツリカ様~!!美人だーー!!』


『お二人が自然を見守ってくださるなら、安泰だーー!!!』


人々の歓声を聞きながら笑顔で手を振っていたサザンカだが、姉二人への声援しか聞こえない事に、次第に笑顔から戸惑いの表情に変わり、振っていた手も弱々しくなった。


「あ、あの~…私も女神なんだけど…。」


『『『………。』』』


『…サザンカ様は何をする女神なのですか?』


『というか、本当に三姉妹ですか?似てませんね…。』


『女神っぽくないです…。』


「そ、そんな…自然は見守れないけど、それなりに仕事はあるのにーー!!

私の仕事はっ。」


サザンカの言動に頭を抱え呆れる姉二人をよそに、当の本人は人々の言葉に反論しようとした。


その矢先、ザクロ(雀鷺)が翼を羽ばたかせ鳴きながら三人に近づいてきた。


さらにザクロ(雀鷺)は風魔法で三人の体を浮かす。


逃げられる状況だと判断したマツリカとベロニカ。

マツリカはベロニカとサザンカの手を取り、ベロニカは空いている片手を近づいてきたザクロ(雀鷺)の体にしがみついた。


その刹那、三人を浮かせていた魔法が一段と強くなり、三人を振り落とさないとばかりにザクロ(雀鷺)の体に固定した。


ザクロ(雀鷺)は三人を気にしながらも、勢いよく羽を羽ばたかせ、速度を上げてその場から一気に離れていき、人目のつかない所まで飛んだのだった。


しばらく飛び、人気(ひとけ)のない所が見え、そこへゆっくり着地するザクロ(雀鷺)


『姐さん方、お怪我はありやせんか?

勢いよく飛んじまったもんでさぁ。』


「私達は大丈夫よ。

落ちないように風魔法を使ってくれてありがとう。


それより何より…問題はサザンカちゃんよ。」


「(珍しく姉様が激おこ…。

ここは姉様に任せましょう。)」


「サザンカちゃん…正座。」


「は、はい…。」


ベロニカはサザンカがその場に足をたたんで座ったのを確認したのち、サザンカの前で腕を組み、仁王立ちになった。

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