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神界なのに…

初めての食事後、下界の様子を見たサザンカ達は、この後はどう過ごそうかの話し合いをしていた。


「下界の様子を見たのは良いけど、下界の事で他に出来るお仕事はないかしら?」


「私達は万物の生死に関わらない…。

それ以外でできる事…。


……私は大地の管理者として森を造って、いろいろな作物(さくもつ)を実らせますわ。

それと、地球の知識や技術が詰まった書物を読み漁りたいですわね。」


「マツリカちゃんらしいわね。


私は~…自然を生み出す女神だから…必要な所に必要な分だけ自然を与えようかしら…。


あ、でも、水源はアマノんが造ったものがあるし、風も今のままでいいし、火は…下界の人達が知恵のおかげで何とかなってるし…。

自然の女神って…思えばやる事がないわね…。」


「私もスキル付与だけしかとりえがないので、やる事がないです…。」


「我は…まぁ、のんびりしながら地球とフリエイト星を眺めているとしよう。」


「眺めているだけもつまらないのよね…。


そうだ!サザンカちゃん!

私と一緒に畑いじりましょう!


妖精さん達も手を貸してくれるかしら。」


『はい、お安い御用ですよ!』


「お姉様達と土いじり…楽しそうです!やります!

ザクロ(雀鷺)も畑に一緒に行こう!」


『へい!一緒に行きやす!』


「なら、さっそく畑にレッツゴー!」


「あー…待て、サザンカ。

この鏡…我も造ってよいか?


先に創造したのはサザンカなのでな、一応許可をと思って…。」


「もちろんですよ!

下界も地球も覗けますので便利ですよね!


自分達の目で見る事も出来なくはないですが、鏡があればより近くで見れますものね。」


「それじゃ、私も造るわ。

サザンカの鏡は本人に返すわね。

貸してくれてありがとう。」


「いいえ、ではベロニカお姉様と畑に行ってきます!」


マツリカとアマノミコトは噴水広場に残り、ベロニカとサザンカ、妖精達やザクロ(雀鷺)は畑へと向かった。


噴水広場に残ったアマノミコトとマツリカはテーブルの上を片し、各々鏡造りを始めた。


サザンカのように鏡を造ったのだが、一つだけ機能が違う物を造った。

それは、物を取り出せる機能はなく、書物を読んだり生活の様子を見れるだけの鏡だった。


「サザンカの鏡のように物は取り出せなくても、知識を得られるならこれで十分ですわ。」


「うむ、そうだな。」


アマノミコトは宣言通り、自身の造った鏡で地球とフリエイト星の生活様子を眺めており、マツリカも鏡を見ながらアマノミコトが造った山や森に、木の実や多くの種類の作物(さくもつ)を創造していた。


そんな中で二人は雑談も交えていた。


「しかし、本当にサザンカには驚かされてばかりだ。

エネルギーから生まれた我らは神と言う特権でそれなりに知識はあるが、サザンカの発想は予想を超えてくる。」


「まぁ、それがあの子の個性で面白い所ですが…頭が付いて行かない事があるのも事実ですわ…。

それに、ベロニカお姉様も…サザンカに負けないくらいクセが強いですわよね。」


「うむ…。

(お主もなかなかと言ったら、怒るだろうか…。)」


「(「お主もなかなかと言ったら、怒るだろうか…。」

とでも思っていそうだわ…。

そういうアマノ様もなかなかですわよ。)


ふふっ…。」


「ん?どうした?」


「いえ、なんでもありませんわ。」


「そういえば、サザンカは何故(なにゆえ)料理が出来たのだろうか…。

あまりにも意外過ぎたぞ。」


「…おそらく、スキル付与という創造を駆使した芸当が関係あると思いますわ。

無意識に手先が器用になったと思うのです。


まぁ、無意識なのでエネルギーの扱いは時々ヘタですが…。

今後はさすがに大丈夫かなと…。」


「大丈夫…と思うか?」


「………。」


「………。」


アマノミコトの問いにサザンカの事を考えるが、大丈夫と断言できる自信がなく何も返せないマツリカ。

アマノミコトも愚問だったかなと自信をなくし、言葉を失った。


二人は小さくため息を吐き、今後も平和である事を心の中で願ったのだった。



一方、畑に向かったサザンカ達。


畑に着いたサザンカとベロニカは農作業用の道具を使って果物や野菜の収穫をしており、妖精やザクロ(雀鷺)も調味料になる作物(さくもつ)の収穫に励んでいた。


「この道具を使って作物(さくもつ)を収穫するの、なんだか楽しいわね。

造ってくれてありがとう、サザンカちゃん。」


「いえ、教えてくれたのは妖精さん達です。

さすが、農業特化のスキル持ちですね!」


「ふふっそうね。

(そのスキルを付与したのはサザンカちゃんなんだけどね。)」


『あの…サザンカ様、ベロニカ様、お二人にお願いがあります。』


「あら、どうしたの?」


『創造して欲しいものがあります。


サザンカ様、先ほどの鏡で実物を見た方が早いかもしれません。

お願いできますか?』


果樹園の区画で収穫をしていたサザンカとベロニカに妖精が話しかけてきた。


その妖精の要望にサザンカは応え、鏡を出して地球の様子を見せる。

数回、風景を写す中で妖精がいくつも指をさすものがあった。


「これ…何を造る物なの?」


『お醤油にお味噌、砂糖や塩…あとは油です。』


「へぇ~…こういうもので調味料が出来るのね…。


それじゃ、さっそく調味料を造る為の道具たちを造りましょう!

場所は…畑の入り口付近に造るわね。」


そう言うとベロニカは、畑の入り口で噴水広場の方に体を向け、両手を伸ばし一つの大きな小屋を造った。

その中には妖精が言った調味料を造る為の道具たちが詰まっている。


「(…なんだろう…神界なのに、神らしくない物達がいっぱい…。

創造で造っても、味がしないからここまでしないといけないんだよね…。)


何か方法はないかな…。」


サザンカは目の前の光景を見ながら、誰に聞こえる訳でもない小さい声をこぼした。

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