意外な才能
近況報告にも載せて頂いてますが、本日から更新頻度を一部変更いたします。
主人公ちゃんが追放されるまでの話を週5日で更新します。
そして、追放されてからは、また週3日に戻します。
追いかけてくださる方々には混乱を招いてしまいますが、勝手ながら、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
妖精やザクロ達と作物の収穫をしているサザンカ。
サザンカは妖精に教えてもらった収穫用の道具を使って収穫を、ザクロや妖精達は実を傷つけないように風魔法を使って収穫をして、一か所にまとめ置く。
そうして皆で協力しながら作業をしているのだが、広大な土地の為、今回は必要分の野菜を収穫する事にした。
サザンカは収穫した作物をいくつか手に持ち、調理場を造っているであろう噴水広場の方にザクロや妖精達と共に向かった。
サザンカ達が噴水広場に着くと、調理場を造り終えたのか、アマノミコトやベロニカ達は広場にあるテーブルに腰かけて鏡を覗き込んでいた。
「このお料理美味しそうよ!
あ!こっちも良いわね!国によってこんなにもお料理の種類が違うのね~。」
「はい、正直迷いますわ。」
「我は濃い味でないなら何でも…。」
「…アマノん…見た目若いのに、その発言はアウトよ。」
「そう言ってる人ほど、濃い味を食べるとドハマりする傾向ですわ。
メタボまっしぐら…ふふふ…。」
「それ、本当?マツリカちゃん。」
「自論ですわ。」
「「自論かい。」」
鏡を見ながら話している三人に、サザンカは駆け寄った。
「お姉様達、もう調理場の創造終わってたのですね!」
「サザンカちゃん、収穫お疲れ様。
もうとっくに終わっているわよ。
今、何のお料理を作るか話していたの。」
「とりあえず野菜を切って、サラダというものを作ってみましょう。
煮たり焼いたり…いろいろ工程があって、料理の種類もあるけど…野菜以外の材料も必要みたいですし…。
油とか、調味料?とか…。
それらはまた追々作ってみましょう。」
「お料理するのに、野菜や果物だけではダメなのね。
それじゃ、しばらくは致し方ないわね。
さっそく調理場に行きましょう!
サザンカちゃん、こっちよ。」
作る料理が決まり、調理場へ移動する為に立ち上がった三人。
サザンカは三人に付いて行く形で後を追った。
皆と調理場に着き、造られた物を見たサザンカは目を輝かせ、歓喜の声を上げた。
「わぁーー!!
オシャレで可愛いです!!
レンガ造りで横に広くて大きいです!
これなら作業しやすそうですね!」
「ふふっ、アマノんが造ったのよ。」
「地球の物を真似てみたのだ。
調理場…キッチンとも呼ぶらしい。
ここが焼き物をする場所…コンロ…と言ったかな…。
ここが、オーブンと言ってコンロとは違う焼き物が出来るらしい。
食材を切る包丁…や、食材を乗せる板…まな板と言う物も造ってある。
それと、あれが倉庫だ。
かなり大きめに造ってあるぞ。」
「アマノ様すごい!
早くいろんなお野菜、切って食べてみたいです!」
「すごいのは地球で、我は真似ただけだ。」
「それにしても…本当、地球の知識や技術はすごいですわ。
いろいろ参考にして取り入れていきたいですわね。
さて、サザンカも調理場を見た事だしさっそくお料理に入りますわ。
サザンカ、手に持っているお野菜をもらうわね。」
「あ、マツリカちゃん待って!
お料理する時のお洋服を創造するわ!」
サザンカから野菜を受け取り、調理場の前に立つマツリカにベロニカは創造で服を一着造って着せた。
その服を見るや否や、マツリカは眉をひそめ、不服そうな表情を浮かべている。
「……姉様…どうして割烹着なのですか…。
もう少し可愛い、エプロンと言う物とかありますわよ。」
「割烹着が可愛くて、似合うと思ったの。」
「……。
アマノ様、サザンカ…正直に言ってちょうだいね。
似合っているかしら。」
「「………。」」
嬉々としているベロニカとは反対に、表情が落ちているマツリカ。
そのマツリカの問いに、言葉を返せず気まずそうに目を逸らす二人。
二人のその様子にさらに眉間にしわを寄せるマツリカは、割烹着を脱ぎ消し、自身でエプロンを創造して身にまとった。
マツリカの創造に、残念そうに口を尖らせているベロニカ。
そんなベロニカを気にせず、包丁と野菜を持って料理をしていくマツリカなのだが。
(ダン!ダン!)
「「「?!」」」
「ちょ、ちょっと、マツリカちゃん!
何をしているの?!」
「…何って…料理ですわ。
お野菜を切っているのです。」
「野菜を切っているのはわかるけど!
お野菜のヘタを取らずに、乱雑に切って、しかもまな板まで切ってしまう勢いよ?!
力加減が間違っているわ!
それに、赤い野菜…トマトと言ったかしら。
力加減を間違えているから、実がぐちゃぐちゃよ!」
「力…加減…。」
(ズダーン!)
「待て待て、マツリカ!その辺でストップだ!!
そんな切り方だと、いくら野菜があってもダメにしてしまう!」
「マツリカちゃん…手先は器用…と思っていたのに、お料理は壊滅なんじゃ…。
困ったわね~。
私はこういうのダメだし…。」
「我もダメだ…。」
マツリカの意外性に頭を抱えるベロニカとアマノミコト。
そんな中、サザンカが勢いよく手を挙げた。
「はい!私、お料理やってみます!
と、言う訳で、ひらっひらの可愛いエプロン創造~!
マツリカお姉様、道具とお野菜を私にください!」
「…サザンカちゃん…本気?」
「本気と書いてマジでガチです!!」
自身が創造したエプロンを身にまとい、意気込むサザンカを止められないと判断した三人は、ため息を吐きながらも料理を任せてみる事にした。
サザンカはマツリカから道具や野菜を受け取り、ひと呼吸を入れて野菜に包丁を入れ始める。
その間、皆は何事も起こらないようにと心配そうな表情を浮かべ、祈る気持ちで手を胸の前に組み、サザンカを見守っている。
(トン、トン)
皆の心配とは裏腹に、サザンカは手慣れた様子でリズムよく野菜を切っていく。
切っていくうちに、盛り付けようの器がない事に気付き、少し考えたのち、調理場の近くにあった木を使って創造し、木の器を造った。
そうして出来た器に切った野菜を盛り付けていき、再び残りの野菜を切ったり、器を造ったりと順調に事を進めていくのだった。




