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エネルギーの保管(後編)

話し合いにてエネルギーの保管方法が決まり、さっそく実行する為に蓬泉殿(ほうせんでん)の外へと出たサザンカ達。


一行が向かったのは、サザンカが造った下界の桜の木の上に近いところだった。


「この辺が創造しやすそうですわ。


…始めるから、皆離れてて。」


「マツリカお姉様!お願いします!」


「頑張って、マツリカちゃん!」


「頼む。」


『いっちょ大きいのお願いしやす!』


「皆…集中しにくいのだけど…。」


エネルギーの保管物として自然を創造するにあたり、適役は満場一致でマツリカとなった為、今回はマツリカが創造する事になった。


各々、マツリカに声援を送るものの、マツリカには少しだけ騒がしかったのか、ピシャリと制止された皆は、声援を送り続けていたのをピタリと止めた。


静かになった所で、創造したいものを頭に浮かべながら両手を創造したい方向に手を伸ばし、力を集中させるマツリカ。


マツリカは自身のエネルギーと、周りにある星のエネルギーを使いながら創造していく。

すると、マツリカの思う場所、下界の桜の木の真上に当たる部分に光が集まり始め、その光が大きく膨らんでいき、一つの大きな桜の木に形成されていった。


形成が終わったのか光は収まったのだが、形成されたその木は下界の物とは違い、光り輝いておらず、ただのキレイな大きな桜の木だった。


皆は気にしていないのか、桜の木の美しさに歓喜の声を上げ、祭り事の様に騒ぎ始めた。


そんな中、マツリカだけは冷静でいた。


「………。


皆…作業はまだあるのよ。

騒いでないで、次…行くわよ。」


「「「はい…。」」」


『……。

(マツリカ(あね)さんは…いつでも冷静でさぁ…。)』


マツリカは言葉通り、次の作業をするべく歩き出した。

その目的地は、サザンカが造った渓谷だ。


サザンカの頼み通り、渓谷にエネルギーの循環の為の桜の木を植え、さらにザクロ(雀鷺)の家を造る為だ。


「ねぇ~…私思うのだけど…。

サザンカちゃんの渓谷と、他の場所…距離が離れすぎていると思うのよ…。」


「そうですか?

運動になるかなと思って、距離を離したり、渓谷に入ってから家までの距離を長くしていたのですが…。」


「…ちょっとだけ不便よ…。

そんなに距離が離れていると、だれもサザンカちゃんの家に行きたがらないわ。」


「それは…寂しいです…。


ちょっとだけ渓谷の距離を短くして…家も距離を縮めます。

あと、もう少しお姉様達の家に近づけます。


と、言う訳で、早速始めます!!」


サザンカの渓谷に向かっていた一行。


サザンカは気にせずに創造したのだが、皆の住居から離れた場所にあり、なおかつ渓谷に入ってからも、しばらく歩かないと家までたどり着けないと言う距離に、ベロニカの口から不満がこぼれた。


ベロニカとの会話の中で指摘を受けた事をさっそく直すべく、渓谷に向かっている途中だが、サザンカは作業に取り掛かった。


サザンカは空に両手を伸ばし、自身のエネルギーを使った。


「私の創造した渓谷とお家…一度消去して…。

スキル!創造、再生を発動!


私が造った渓谷とお家を、皆の住居から近いこの辺りに再生!!

そして、渓谷から家までの距離を短く創造!!」


サザンカが勢いよく発すると、いつものごとく光が現れ、サザンカ達の周りを囲み始めた。

その光は大きく膨らみ、道を造るように一筋に伸び、渓谷へと形成されていった。

光が落ち着き、現れた風景はサザンカが創造した渓谷そのものだった。


「ふぅ~…こんなものでしょうか!

あとでお家の様子も見て見なきゃ!」


サザンカは一人満足したような様子でいたが、他の皆は、あっけにとられ口をポカンと開けていた。


「……いろいろ不満は言ったけど…。

だからって、今するなんて!!


しかも、また自分のエネルギー枯渇するまで力を使って!

サザンカちゃんのおバカ!!


それに、創造・再生の再生をそんな使い方するなんて!

もう!どこからツッコんだらいいの?!」


「「右に同じく…。」」


『サザンカ嬢ちゃん…発想が突拍子でさぁ…。』


「再生の使い方…コピーアンドペーストです!!」


「「「絶対、意味が違う。」」」


サザンカはドヤ顔を決めたが、皆は呆れた表情を見せた。


そんな中、マツリカは小さく息を吐き、周りに形成された渓谷に両手を伸ばした。


「言っても仕方ないですわ…作業…入ります。」


そう言ったのと同時に、エネルギーを集中させ、力を発動させた。

すると、渓谷全体が光に包まれ、桜の木が形成され始めた。


桜の木と同時に、渓谷の岩盤の面から桜の木に向かって、新緑のツルで編み込んだハンモックも形成された。


これはサザンカとザクロ(雀鷺)に頼まれたザクロ(雀鷺)の寝床だ。


形成が終わって光が収まり、目の前に現れた風景は、渓谷の両側の崖全体に枝が生える形で桜の木が形成されていた。

その様子は、桜並木そのものだった。


「………。」


「どうしたの?

マツリカちゃん…難しい顔をして。」


渓谷全体の風景に、皆はキレイだと称賛し、ザクロ(雀鷺)の寝床には、サザンカやザクロ(雀鷺)本人が一番に喜んだ。


たが、マツリカだけは納得のいってない表情だ。

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