ポイントが付かない!
最初に立ち塞がる大きな壁は、「ポイントが付かない!」です。
はじめて自分の小説を投稿した時、緊張しましたよね?
読んでくれるかな?
感想で叩かれたらどうしよう?
ランキングに乗って、書籍化したら、本業が……。
まあ、そこまでは思ってなくても、何かしらの反応を期待しませんでした?
で、緊張しつつも、投稿ボタンを押すわけです。
1ヶ月後、彼らのほとんどは屍になっています。
他の方の超詳しいエッセイで見ましたが、最初から反応をもらえる人なんて、極少数みたいですね。
初投稿の後に、私は知りました。
色々調べてみて、私は色んなことを知りました。
題名とあらすじが大事とか。
投稿する時間帯とか。
まあ、そういう初歩的なやつです。
で、知識を得た私は、色々と改善していったわけですが……特に投稿時間は、当時の心境が垣間見えて興味深いですねー。
どうやら三章の途中(47話、20万字くらい?)で、私はポイントを諦めたようです。
以下の文章は、その段階に至るまでの経験談と、現在同じ状況にいる皆さんへのアドバイスです。
――
「ポイントが付かない!」という壁にぶち当たった私は、当然、改善するための努力をしました。
ひとまず、キャッチーでハイセンスな題名を、どうにかして捻り出そうとしました。
何日か悩んで……その結果、某ラノベをもじった題名を付けました。
うーん、我ながらアレですね。
このエッセイは創作論ではないので、細かいことは言いませんが……微妙です。
ちなみに、私の小説は、こんな感じの内容です。
『スライム』でも『蜘蛛』でもない普通の主人公が異世界転生して、『成り上がる』わけでもなく『ざまぁ』するわけでもなく、ましてや『ハーレム』を作るわけでもなく、悩みながら、少しずつ成長していく話。
異世界転生以外のあらゆるテンプレを拒否し、自分が書きたいものを大量に詰め込んでいます。
……この小説に、いい題名を付けられると思いますか?
無理。
それが、私の出した結論でした。
けど、それでも私は諦めませんでした。
投稿時間をズラしてみたり。
感想や活動報告を書いてみたり。
Twitterで宣伝してみたり。
もちろん、頑張って執筆も続けました。
――で。
その努力は、実を結びませんでした。
この時の気持ち……修行僧(Lv.1)の皆さんなら、分かりますよね?
ランキング作を馬鹿にして、嫉妬して、そんな思考をしている自分を恥じ、それでもやっぱり妬ましい。
宣伝とか怠いし、ダサいし、こんなの意味あるのかって思うと虚しさを感じるし。
それでもやっぱり期待があって、苦しくても書き続けて、でもポイントがもらえなくて、絶望感に苛まれる。
まさしく、修行です。
「ポイントが付かない!」
その壁に直面し、改善するための努力をし、それでも壁を超えられなかった時――大抵の人は、モチベーションが下がります。
私は下がりました。
ここで筆を置くなら、それもまたよしです。
失う物は、数十時間だけです。
小説を書いたことのある人は、世の中にほとんどいません。
ソースはありませんが、たぶんそうです。
そんな貴重な経験ができたなら、充分じゃないでしょうか?
いいネタになりますよ?
……私は、筆を置きませんでした。
理由は、特にありませんでした。
たぶん、性格です。
「モチベーションの話」と銘打っていますが、ここを越えられるか否かは、それ以前の問題だと思います。
向き不向きとか、そういう次元じゃないかな、と。
ともかく、私は筆を置きませんでした。
頑なに、ほとんど読者のいない長編を書き続けました。
そうです。ポイントなんて、所詮はおまけみたいなもの。
自分の小説は、間違いなく面白い。
周りを気にせず、信念を持って書き続ければ――
ストップ!
ストップです、修行僧(Lv.1)の皆さん!
危ないところでした。
あともう少しで、修行僧(Lv.2)にレベルアップするところでしたよ?
経験者だからこそ……老婆心ながら、全力で止めさせてもらいます。
そこは、初長編で踏み込む領域ではありません。
修行僧(Lv.2)になると、さらに苦しい荒行が待っています。
誰もいない荒野を、黙々と一人で走り続けるような……非常に苦しい修行です。
私はなんとか、無事に終えることができました。
ですが、途中で力尽きてしまう方も数多くいます。
試しに、検索してみましょう(2022/12/26時点)。
『30万字以上、1000pt未満、1年以上更新なし。
検索結果: 4,027作品』
『30万字以上、1000pt未満、完結済。
検索結果: 5,040作品』
完結率:55.6%
この検索結果には、これまで何作も完結させてきた猛者も含まれています。
初長編であれば、より厳しい結果が出るはずなので……まあ、多くて4割くらいでしょうか。
完結率だけで見ると、簡単そうに見えると思います。
けど、そうじゃないんですよ。
修行僧(Lv.2)になると、その小説は、自分の分身のような何かに変化しています。
本当に、大切な物になっています。
それでも、半分以上の人が、完結を諦めたということです。
修行僧(Lv.1)の皆さんだって、苦しいと思います。でも、Lv.2にレベルアップして、もしも途中で力尽きてしまったら……もっと、苦しいはずです。
皆さんには、そうなってほしくありません。
だから、私は全力で止めます。
書き続けてはいけません。
早めに、自分の小説を畳みにいってください。
イヤな気持ちは分かります。
痛いほど分かります。
まだ、書きたいエピソードがありますよね?
せっかく仕込んだ伏線も、全然回収してませんよね?
でも……ここは、見限るべきです。
断腸の思いで、見限ってください。
「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドで終わらせるんです。
長編を完結させると、大量の経験値が手に入ります。
その経験値をゲットして、新しい物語を作りましょう。
きっと、最初よりも上手く書けるはずです。
修行中に、「なろう」についても色々と調べましたよね? 今なら、どうすればいいのか、薄っすらと分かるはずです。
ポイントだって、もらえる……かも、しれません。
んー、どうなんでしょう? 私はまだ1本しか書いてないので、そこの保証はしかねます。
まあ、もらえなかったら仕方がないです。
2作目なら、地力も付いてることでしょう。
その時こそ、荒行に挑むタイミングです。
――
まとめ。
筆を置くのも賢い選択。
書き続けるなら、早めに完結させるべし。
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