第一話
頑張って書きます。小説書くの初めてなので下手でも許して
春。それは出会いの季節。特に我々学生にとっては。俺は長い長い受験という冬の時代を乗り越え、ここ、私立レイバー大学に晴れて入学した。レイバー大学はアストラ王国建国の祖、アストラ王の重鎮レイバー卿が設立した言わずと知れた王国一の名門私立大学である。
成績優秀な俺にはアストラ王立大学への進学もできたし、あまり裕福ではない我が家もそうするよう要求してきた。しかし、俺はその要求を押しのけレイバー大学に入学した。理由は簡単である。
私立の方が!!カワイイ女の子が!!多いからである!!!
一般に地味な学生が集まりやすい国公立大学に比べ、私立大学には可愛くてキラキラした学生が集まる。特に名門レイバー大学となると多くは貴族のご子息ご令嬢。品もよく、それこそ蝶よ花よと育てられた王国随一のかわい子ちゃんがやって来るのだ。
俺は小さい頃から得意なものもなく、やることといえば勉強するか本を読むかくらいのものだった。女絡みもほとんどなく、昔近所に住んでいた女の子と遊んでいた以外はほとんど他人の女性との交流というのは無かった。
そんな自分を変えたい。女の子にモテたい。その一心でおれは勉強に取り組み、学生寮に住み込みでバイトしながら学費を折半することを条件にこの大学にやってきたのだ。
入学式が終わり、清々しい気持ちでバイト先兼これからの新居に向かう。
「よく来てくれたわね〜。ここに住んでる子達はみんなあなたと同じ大学の子だから、良かったら仲良くしてやってちょうだい。」
寮母のおばさんは悪い人では無さそうだ。
「はい!精一杯働くのでよろしくお願いします!」
「あら、頼もしいわね〜。うちはずっと1人でこの寮を切り盛りして大変だったからとても嬉しいわ。じゃ、さっそくお掃除お願いしちゃおうかしら。」
「はい!おまかせください!」
うちは両親が共働きで家を空けることが多く、長男だった俺がいつも兄弟の面倒をみながら家事をしていた。そのため、家事全般ができる。そんな俺にこの寮での仕事はぴったりだったのだ。
上機嫌でモップを持ってトイレに向かい、掃除を始める。
サークルは何に入ろうか。新歓ではかっこよく決めて女の子には好印象に____
妄想しながら掃除をしていて足元に気をつけていなかった。俺は思い切りせっけんを踏んずけ、ありえない転び方をしてそのまま壁をぶち破って隣の部屋にダイブした。
突如、視界を白い霧が覆った。いや、暖かい。これは湯気だ。つまりここは浴場...見るとたくさんのあられもない姿の美女たち。キメの細かい白くて細い肢肢体、歳は俺と同い年か。大学生の成熟した体。今が旬という感じだ。大小様々だがどの乳房も良い形である。顔もなかなか、いや、超絶可愛い。幸せだ...俺はもう死んでもいい...
パコンッ!!!
思うが早いか蹴りが飛んできた。前言撤回。死にたくない。続いて悲鳴が飛び交い、複数の蹴りがさらに飛んでくる。
「何!?何何何なんなのこいつ!?なんでここに居るのよ!」
「向こうの壁を突き破ってはいって来たのよ!そんなに私たちを襲いたかったのかしらこの変態!!」
「お姉さま!ここは私にまかせて!こいつがもう二度と光を見えないようにして差し上げますわ!」
結論。俺は不可抗力で女子風呂に突入してしまい、女子たちからリンチにあった。その後駆けつけた寮母さんによって場はなんとか収まったものの、俺の必死の説得も虚しく彼女たちは未だゴミを見るような目で俺を見ている。
「あそこの壁、傷んでて明日直してもらうはずだったの〜。だから気にしないで!」
違う、おばさん、そうじゃないんだ。心の中で俺はつぶやく。俺はこれから、一生女子風呂に突入した変態のレッテルを背負いながら生きていくことになってしまったのだ。俺はそれが悲しい。
「この子たちがね、今日からあなたと一緒にくらすここ、ミシア寮の女の子たちよ。うちは女子寮で男子禁制なんだけど、あなたはうちの重要な働き手だから特別よ。仲良くしてあげてね」
おばさん、この状況で仲良くしようなんて天地がひっくりかえっても無理だぜ...
「ふん、これだけで済んだことに感謝すべきね。うちのパパに知れたら、あんた犬の餌になってたわよ。」
そう俺に言ってくるのはレイバー大学理事長にしてアストラ王国内務卿のレイルズ・フォン・レイバーの一人娘、アリシア・フォン・レイバーだ。よもや国の一大権力者の娘の裸を見てしまうとは、恐らく彼女のお父ちゃんにこのことが知られれば俺は本当に犬の餌になってしまうのだろう。そう思えば多少の殴る蹴るの暴行、大したことないのかもしれない。
何を隠そうこの寮に暮らしているのはレイバー大学に通っている者たちの中でも特に格式高い貴族のご令嬢ばかりなのだ。つまり俺は今、国の第一線級VIPに痴漢行為を行った国家的犯罪者なのだ。数時間前まで善良な大学生だった俺がなぜ____
かくして俺が待ちに待った大学生生活は大変な形で始まりを迎えたのだった。