ココロ
どんなに願っても
どんなに祈っても
どんなに愛しても
たとえ、愛し合っていたとしても
いつかは別れが来るんだ。
『永遠』なんてこの世には無い。
頭では分かっているのに
『永遠』を求めてしまうのは なぜなんだろう?
「また考え事?」
不意に声をかけてきたのは、小・中・高とも同じクラスで 席は決まって前後左右。
いわゆる【腐れ縁】と言うヤツだ。
「…功には分かんないよ」
あたしの気持ちなんて…
「あぁ わかんねぇな!お前の気持ちなんか」
《ズサッ》
ストレート(直球)は流石にきついです。功さん。
「じゃあ話しかけてこないでよ」
「……………」
「……………」
沈黙が流れる。
先に声を発したのは功だった。
「俺はお前じゃねぇからな!!それに…気持ちとか思ってる事は、言葉にしねぇと誰にも分かんねぇぞ」
「確かにそうだよね…」
分かってる
分かってるよ
何も言わなくても分かるとか
黙っていても伝わるとか
そんな都合のいい人いないんだって……
「なんて顔してんだよ」
功の両手が、あたしの両頬に触れる。
「こ…う…?」
功がなぜあたしの頬に触れるのか、この時のあたしには分からなかった。
「ぶちゃいくが増すぞ」
そんな嫌味を言っていても、功の顔は曇っていた。
「…ぶちゃいくはもともとだもん」
あたしはそう言いながら、功の両手に自分の両手を重ねた。
功の手は温かかった。
あれからどれくらいの時間が経っただろう。
隣には功が無邪気に寝ている。
手元を見れば
あたしの手を功の手が覆っている。
何も言わず、あたしの手を握ってくれていたんだね。
「ありがとう」
「どういたしまして」
!! えっ!?
「起きてたの!?!?」
あたしは恥ずかしさを隠すように、声を張り上げた。
「誰も寝てるなんて言ってねぇよ」
笑いながら、功はあたしを見つめる。
あたしも功を見つめる。
この時 あたしは功なら信じられると確信したんだ。
『永遠』が無くても、
いつか別れが来て
悲しいかもしれない
けれど
それは日々成長する
『心の変化』
なんだ。