表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

玩具の機関車ポッポちゃん

作者: トキオリオン

ボクの名前はポッポちゃん。


優しい男の子のたけしくんのお誕生日プレゼントだったの。


たけしくんとは、もう随分長い間遊んだ思い出がある。


砂山を走ったり、お風呂場に潜ったり、お布団で一緒に寝たりした。


どれも少し痛い目に遭う思い出だったけど、玩具として玩具の使命を全うできたことを誇りに思う。


たけしくんと遊ばなくなってとても長い時間が過ぎた。


ボクと遊んでくれたたけしくんは、立派な大人になったようだ。


車輪がいくつか取れて、窓がひびだらけになって、がらくたになったボクは、ついにたけしくんとお別れの日がやってきた。


寂しいけど、玩具にも終わりの時間が迫ってくるのは、なんとなく玩具の神様から教わってた。


ボクは、ゴミの日に、玩具の墓場へ旅立った。


玩具の墓場へ行く途中、ボクの体から沢山の思い出がこぼれて行くのがわかった。


ボクはとても幸せな玩具だった。


もうたけしくんの顔も声もぬくもりも思い出せなくなりそうだけど、ボクは幸せな玩具だった。


それだけは忘れたくない。


そして、ボクは空っぽになった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ