表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/82

第58話 私だってやればできる

 スナイプバードは倒木の間で何かをした後、一声鳴いて空へと飛び去っていった。

 アメルがスナイプバードがいた場所を覗き込むと、そこには枝や蔓を集めて作ったと思わしき巣があった。

 巣の大きさは直径五十センチほど。中には淡いミルク色をした掌サイズほどの大きさの卵が三個入っている。

 あった、卵!

 アメルは卵を手に取った。

 スナイプバードの卵は、小さいながらも殻がしっかりとしていた。これならば、袋に入れて持ち運んでも割れるといったことはないだろう。

 彼女は早速鞄から麻袋を取り出して、卵を袋の中に入れた。

 袋の口をしっかりと閉じて、卵を割らないように気を付けながら鞄の中にしまう。

 後はこれを冒険者ギルドに納品すれば、仕事クエストは完了だ。

 何か、思ってたよりも簡単にお仕事できちゃった。

 弾んだ気分で、彼女はその場を立ち上がった。

 そこに、


 ギャッ、ギャ──ッ!


 空から高速で突っ込んでくる青い影。

 アメルは咄嗟にその場にしゃがんだ。

 その頭上を、それは横切っていく。

 彼女が上を見上げると、先程巣を飛び立っていったはずのスナイプバードが羽ばたいているのが目に入った。

 アメルが巣に近付いたことに気付いて戻ってきたのだ。

「っ!」

 アメルは立ち上がりながら双剣を抜いた。

 スナイプバードが彼女の顔を狙って突っ込んでくる。それを横に体を倒してかわし、双剣を振るう!

 しかし、ハズレだ。彼女の双剣は空しく空を切っただけだった。

 スナイプバードは広い空間を旋回し、再度アメルの頭めがけて高速で飛んできた。

 きっと、普通に剣を振っても当たらない。何とか相手の動きを止めなくちゃ!

 アメルは頭を守るように双剣を十字に構えた。

 がつん!

 スナイプバードの嘴が双剣にぶつかって固い音を立てる。

 勢いに押されそうになりながらも何とかそれを堪え、彼女は右の双剣をスナイプバードの翼めがけて振るった!

 ざんっ!

 双剣の刃がスナイプバードの翼の根元を深く斬りつけた。

 翼をやられたスナイプバードが、飛べなくなって地面に落ちる。

 そこをすかさず、心臓を狙って左の双剣を突き落とす!

 グ……グェ……

 スナイプバードは力なく鳴いた後、広げていた翼を地に落として動かなくなった。

 はぁはぁと全身で息をしながら、その場にとさりと座り込むアメル。

 スナイプバードの突進を受け止めた腕がびりびりとしていた。それを払おうとするかのように拳にぎゅっと力を込めながら、彼女は事切れたスナイプバードを見下ろした。

 ……やった……私、一人で魔物を倒せたよ、レオン……!

 初めてゼブララプトルを倒した時と同じ高揚感がじんわりと全身に広がっていく。

 自分だって、やればできるんだ。そう思いながら、彼女は笑顔で空を見上げたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ