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7.雑貨屋と水彩画

昨日中の投稿にはちょっと間に合わなかったですね……;

どんまい!


読みにくいとこなどを少し修正しました。

今後もちょこちょこ行う予定です。

 街案内も程々に雑貨屋に来ていた。

 ここで画材を揃えるらしい。

 街にはそれなりの画材屋さんもあるらしいのだが、それなりに高級らしく、最終的に子供の遊び道具にするものとしては、不釣り合いなのだそうだ。

 お金を稼げるようになったら、ぜひ行きたい場所NO.1にランクインしました!


「ミズカさんはどのような物を使われるの?」


 雑貨が並ぶ中、主に画材が並ぶ辺りで物色していると、マリーさんがそう尋ねて来た。


「ここにある物なら、一通りは扱えるとは思うんですけど、今回はキッカちゃんが最終的に使うものなので、ベーシックなものがいいんじゃないかなと思いますよ」


「それもそうねぇ。ミズカさんのおすすめはあります?」


「私のおすすめですか? そうですねー。水彩なら汚れても落ちやすいので、掃除とか洗濯が楽でオススメですけど、似顔絵には向かないかもしれないですね」


「えー? なんでなのですか?」


 すでに筆を持って来て遊んでいたキッカちゃんが、不満げに聞いてくる。

 キッカちゃんは水彩がお好みのようで、店内に飾られていた水彩画がえらく気に入ったようだった。


「んーとですねぇ。水彩画って水分を多く使うんですよ」


 何を当たり前なと言う顔を2人に向けられるが気にせず続ける。


「紙の上に水を零して乾かすと、歪んで凸凹としてしまうでしょう? 水彩画も同じなんです。せっかく綺麗に描けた似顔絵でも、歪んでしまっては嫌でしょう?」


「なるほど、それは確かに……」


「えー。でもあの絵は綺麗なのです。あれも水彩画なのですよね?」


 キッカちゃんが指差したのは、自分が気に入った水彩画だった。

 草原と清々しい青い空。そこに流れる白い雲。その中を黒いワンピースの少女が楽しげに走り回っている。

 透明感があり、良い絵だと思う。

 しかし、構図や配色がやや勿体無いと感じた。

 その絵は額縁に入れられ、歪みの一つもなかった。

 それもそのはずである。なぜなら。


「それはですね。水に強い紙に下準備をした物を使っているからなんですよ」


「下準備なのです?」


「そう、下準備。あらかじめ紙にハケなどで満遍なく水を塗って、四方を引っ張ったまま固定し、乾かしておくんです。私が以前この下準備をした時は、2回ほど繰り返して行ったので、時間的に今日中に似顔絵を描くことは出来なくなっちゃうんですよ」


 "3人"は感心するように聞いていた。

 ん? なんか1人増えてる!?


「ほう。小汚いわりに物知りだねえ、嬢ちゃん」


「小汚いとか余計です! 誰ですか! あんた!」


 失礼な奴だ、とぷんぷんしてしまう。

 小汚いんじゃなくて、愛着の勲章なんだから!!


「おっと、悪いね。俺はここの店主で、シスってもんだよ」

「勝手に聞かせてもらっちまったが、水張りした画用紙が欲しんなら、ちょうど2枚ほどあるぜ? そこの筆やら絵の具やら一式セットで買って行ってくれるなら、おまけでつけてやるよ?」


 店主にしては、人のことを初対面で小汚いとか失礼にも程がある。だが、話の内容には惹かれるものがあった。

 一式といっても、ほとんど買う予定だったもので、余分な筆やら収納用の革袋が追加される程度だった。

 あっても困らないものである為、マリーさん次第だとマリーさんを見つめる。

 ちなみに"水張り"と言うのは、さっき説明した下準備のことだ。マリーさんとキッカちゃんにもそれとなく教えてあげた。


「えぇ、キッカもこれで描いて欲しいようですし、それでお願いします」


「おっとそうだ。おまけって言ったが、おまけは水張りの分で、元の画用紙代はいただくぜ?」


 実にちゃっかりしてやがる。マリーさんも「いいですよ」と言いながら苦笑いしていた。


「毎度あり〜。いや〜。正直助かったぜ。オヤジが自分の道楽で勝手に仕入れてやがって、どう捌いたもんか困っちまっててよう」


 などと、シスはほざいていたが、こちらに言われても、知らんわ。としか思えない。

「あ、そうですかー。それでわー」と早々にその場を後にした。




 こうして、画材を買い揃え宿に戻ることとなった。

 昼時を少し過ぎていた為、マリーさんの提案で昼食を取ってから描くことになったのだ。

 これはどうでもいいことだが、雑貨屋を出た時

 後ろから、


「てめぇ、勝手に人のもん売っ払いやがって、ふざけんじゃねーぞ!!」


「知らねーよ! んなもん! 売れねーもん勝手に仕入れやがって、綺麗に売ってやったんだから、感謝しやがれこのクソオヤジ!!」


 とか怒鳴り声が聞こえたとか、聞こえなかったとか……。


 あ、私の分の昼食代はマリーさんが奢ってくれるそうです。

 やったー!

以前に何度か実際に水張りをした事がありますが、少々うろ覚えです。

なにか間違っていたら申し訳ない。

やってみたい人は事前に調べてからにする事をオススメします。

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