4.2次元は3次元よりも美味しい??
仕事の合間に書いたりなので、短めです。
あと説明回ぽい。
約束通りその日の夜は、大盛りのご飯を用意してくれていた。
見た目と味的に、もやしと豚肉の生姜焼き(もやし大盛り)にパンの耳(大盛り)である。
大盛りは大盛りなのだけれど……。
お肉少ない……。
想像していた大盛りと若干のズレを感じてしまうが、それ以上にこの世界で行う初めての食事というものに、戦々恐々となりそんな思いなどすぐにどこかへ行ってしまった。
食堂に来ている他のお客さんたちも、食している料理も、そこから沸き立つ湯気も、立体のイラストでありアニメなどの2次元世界が3次元化している。それが食事をしている。自分のすぐそばで! それが実にリアル過ぎて、そして自分にも出された料理を見て、固まってしまった。
2次元を3次元でリアルに体験できることは嬉しいが、自分がこのレイヤー効果で発光させた光沢とグラデによる立体感、テクスチャを重ね質感を出し、実に美味しそうに"描かれた"としか思えないこれを食べるのかと。
まあ、食べてしまえば味は普通だったのでホッとしたけどね。
むしろ今まで主食だったコンビニ弁当よりも美味しいんじゃないかな。
おばちゃんに晩御飯を頂いたお礼をしてから、戻った部屋でそんなことを思った。
窓の外は日が暮れていて、建物内のランタンなどから漏れる生活光で淡く、まだ薄明るい。
逆に街を囲う壁より先は暗くて何も見えなかった。
「野宿しなくて済んで、本当に良かった……」
安堵をにじませ呟く。
そして今日あったこと、そして今後のことについて落ち着いて考えることにするのだった。
まずはここはどこで、なにがあったのか。
うん……。これはなにもわからないや。気にするだけ無駄だね。
その他に気になったこと。気づいたこと。
今の所見た感じだと、元の世界よりもこの世界は文化レベルが低いようである。
機械っぽい物など一つも見かけなかったし。
ただ明かりに使っているランタンとか火を使ってる感じでもなかったんだよね。
この世界独自の技術とかだろうか?
この辺りは門番の所で使った万年筆にも言えるかもしれない。
それと、これはただ不思議に思ったというだけなのだが、この宿のことだ。
受付など直接の対応は全ておばちゃんがしてくれていたが、料理の給仕や掃除などその他の雑務も合わせて全てを子供が行なっていた。
初めはおばちゃんの子供かな? と思っていたが子沢山にしては多すぎるし、おばちゃんに似てもいない。チラッと尻尾を着けている子もいたような気がしたが、これは気のせいだろう。
2次元世界やー! と浮かれてたし、私。
とにかく子供が多すぎるということが少し気になった。この辺りの生活圏では10歳程度の子供も働くような文化があるのだろうか?
気になったが、気になるというだけのことであり、私には関係ないかなと思考をこれからの事にシフトする。
これから……。
どうしよう? お金がないのは困るから仕事を探さなきゃかな。
この世界についても情報を集めなきゃ。これらがないと身動きも出来ないだろうし。
これらは明日、門番さんの奥さんとかから聞く情報で、当面の指標を決められるといいんだけど。
うう〜。なんか気が滅入ってくる。
こういう時は良いことだけを考えて眠りにつくに限ると思う。
良いこと良いこと……。
んー……。
〆切がなくなったぜ! ヤッフォー!!
最高の気分になれたので、眠りについた。