37.修行中につき
気づきば2年弱……。
すみません。今更の続投です;
誤字脱字などなど多いかと思いますがよろしくお願いします。
来月の武闘会ーー。
そうワーナが口にしてから2週間が経っていた。
本番の舞踏会は3週間後だ。
「ふむ、まあまあかの?」
そう口にするのはワーナさん。
「まあ、これでまあまあなのならよかったですよ……」
とは私である。
「いやいや、まだ初級魔法の段階だからな。まだまだ先は長いのでありよ?」
「それはわかってますけど。仕方ないじゃ無いですか。出来ないんだもん」
頬を膨らませ私が言うが、師匠たるワーナさんは否を突きつける。
「そんなことを言っていては武闘会は乗り越えられないぞ!?」
とこんな具合だ。
「そんなこと言われても……そもそも武闘会ってなんなんですか??」
今更な質問だが以前も同じ質問をして答えを得られていないのだから同じ質問があっても仕方ない。
得られなかったって言うよりも理解できなかっただけと言うのが正しいのかもしれないが……。
「またそれか? 毎回説明してるでは無いか。武闘会とは武を競う催しであると」
「それはもうわかりましたって。その先なんですよ。必要な説明はのそ先!」
武を催すと言われても、何をどのように、どうして、競うのかまではここまでで聞けていなかったのだ。
一言意味わかんねーである。※私の本心ちゃん談。
「そもそも私って絵魔師志望だから、武ってのは違うじゃ無いですか? 魔闘ならまだわか楽もないんですけど」
「魔も武の一つでは無いか。武とは広く戦う志全てに必要なものであるのだよ?」
「魔法も武の内ってことですか? 範囲広すぎません?? っていうか絵魔師も闘うんですか?!」
ワーナさんに師事してから初の驚愕である。
「そりゃそうであろうよ。ギルドに登録したと言うことはそう言うことなのだから、当然なのだよ」
聞いてねーよ! とは思ったものの、初心者ガイダンスにて、やけに魔獣との戦いがどうのと言っていた気はする。
あれって、冗談じゃないの? 回避できないの?
魔物がいることは聞いていたが、未だに会ったことすらない存在である。受け入れには時間がかかりますよ?
そして、今はまで時間が足りていない。せめて2週間前なら今の気持ちも違っていたかもしれないが……。
……。
ごめん。嘘。2週間の時間があっても無理。
だって。
「絵魔師って戦えるんですか??!」
この素朴な疑問があったのだから。
私が見てきた、聞いてきた絵魔師というのはお空に絵を描いたり、イラストに感情増幅させるお薬的な効果を付与させたりするだけの、非戦闘色のイメージしかなかったのだ。
「何を言っているのだね。そもそもギルドにおける魔法師の前提が魔物と戦える事なのだから当然であろう? 戦えない魔法師など職として認められておらんのだよ」
ががーん!!
と私の中での衝撃が響き渡った。
私の中だけで……。
「そんなの聞いて無いですよ!」
「聞かずとも皆知っている常識だからな。ミズカは常識が無いな。野菜食うか??」
「そのネタはもう良い!!」
野菜を食ったって大丈夫じゃ無いことはいっぱいある。当然だけど……。
私は新たな事実と向き合えないまま、修行という名の扱きを受け続けるのだった。
この2週間に行ったことといえば、何かといえば走ったとしかいえない。
とにかく走らされた。
なんでも、まずは体力!
これに尽きるらしい。
体力がなければ絵も描けないだろう!?
と言われれば、その体力なくて入院をした経験がある私のは否とは言えなかったのである。
いえなかっただけで、言いたくはあったのだけれど……。
それも、魔物と戦うのが前提と聞いては意味合いが違う。
体力がなかった=死なんて事は想像すらしていない。
動けなくなったやつから食われるのだと言ったのはワーナさんである。
私も食われたくないです……(泣)
そんなわけで残り3ヶ月は必死に走った。
それにしても初段魔法が走っただけで皆伝で良かったのだろうか??
今は中級魔法の修行中であるが、同じく走ってるだけなのでより疑問だ。
あ、合間にスクワットが追加されてるので大変さはアップされていたけど。
「ワーナさん。散々走りましたけど意味あったんですかね?」
武闘会の前日に私は聞いた。
そうもう前日。走ってスクワットして、気づいたら良いダイエットになっていた今日だ。
「体力がついただろ? それに体も前に比べて軽いはずなのだよ!」
それは確かにそうなのだが……。
「それは実感してますけど、絵魔師的に強くなってるんですか? と言うかその武闘会で戦うんですよね? 私。 全く戦える気がしないんですけど?!」
「ふむ、まあ一回戦ぐらいは問題ないのでは無いかな? 魔法戦というのも体力勝負のところがあるからね」
「それ、ほんとですか……?」
こう言った私は随分と疑心あふれる目つきをしていたと思う。
「本当だとも。それに体力以外の部分に関しては、問題ないのだよ」
「体力以外ですか?」
「あぁ。技術的な部分だが、絵魔師であるのならまずは絵の技術、それに加えて魔法師の基礎技術としての魔素の取扱もミズカは問題が見られないのだから!」
「いや、そう言われても具体的にどうこうする方法を教わってないんで、本当にお空にお絵描きするぐらいしかできないんですけど……?」
これで戦えと言われても、どうやって? と訴えるしかなかった。
「あれ? ファイアーボールを出したり?」
「描けますけど……。どうやって攻撃するんですか?」
「あー雷撃とか……」
「それも描くだけなら……」
「ウォーターラーー」
「何言っても同じですからね!? 描けるだけです!」
打ち止めを食らってワーナさんの目は左右に泳いでいた。
「おー。ミスった。野菜食べてくるのである」
「野菜に逃げないでください!!」
ワーナさんの指導不足が判明した……。
短いけどまずはって事でご容赦を;




