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12.引率と階級

説明回が続いてます。もうすぐ展開が進みそうな気もしますが、もう少々お付き合い下さい。

「はあ。仕方ありませんね……」

 溜息を吐くと係員さんは諦め、ギルド登録の説明の続きと魔力ガイダンスを始めてくれるのだった。


「登録の説明と言っても、あとは階級や依頼の受け方などだけですけど、依頼については引率を担当する方に聞いて下さい」


「引率ですか?」


「はい、引率と言うのは、魔力の操作や仕事の仕方などを魔法職の先輩に教わる制度があり、その事です。あなたの場合は絵魔師ですので、絵魔師の方が担当につくはずです」


「期間は概ね3ヶ月ほどですが、担当の方に合格を貰えるまで続きます。合格を貰えるまでは見習いとしての扱いで1人で依頼を受けることは出来ません。また、階級も与えられません。合格の基準など、詳しい内容は担当の方の方針次第ですね。まあ、担当の方も仕事で行うことですので、安心してしっかり教わって下さい」


 中々に親切な制度があるもんだなぁ。

 一定の技量になるまでは面倒を見てもらえるって言うんだから、フリーランスでしか仕事をして来なかった私としては、教えてくれる人がいるだけでも、大分優しいものだと感じていた。


「階級っていうのはなんですか?」


「それは、これから説明しますね」


「階級と言うのは、ギルドに登録されている方の職ごとのランクの様なものです」


「E〜A、Sと続きEが最低ランク、Sが最高ランクとなります。受けられる依頼にも階級があり、同階級以下の仕事までしか受ける事が出来ません。またBランク以上の方には無条件で貸家が与えられます。それ以外にもいくつかランクを上げていくメリットはありますが、今は割愛しておきましょう。早く帰りたいです……」


 係員は儚げに窓の外を見ている。

 私だって帰りたい! 帰る家ないけど……。


 う……やなこと思い出しちゃったよ……。


「と、とにかく階級についてはわかりました。早く次行ってガイダンス終わらせちゃいましょ?」


「……そうですね。ではガイダンスの方を始めましょうか……」


 あ、そうだった。ガイダンスはまだ始まってもいなかったね……。




 ガイダンスは車の免許の講習そのものだった。

 魔法を使う際は周りをよく見ましょうとか、そんなんばかり。

 特筆する様なこともない。欠伸を噛み締めるだけの時間でしたよ。

 係員さんも物凄く早口で、聞かせる気が感じられなかった。まあその程度のものって事だろう。


「最後になりますが、明日のお昼にはまた、ギルドに来て下さい。そこで引率者の紹介とギルドカードをお渡しします」


「はい。わかりました」


「それでは、ガイダンスを終わりとします。お疲れ様でした」


「ありがとうございました」




 もうかなり遅い時間となってしまっており、酔っ払いに絡まれそうになりながらも、なんとか宿まで戻る事が出来た。


 よっぽど心配したのか、おばちゃんは私の姿を見つけると走って、


「もう! 心配したじゃないか! こんな遅くまで! わたしゃもう、にげ、人攫いにあっちまったのかとヒヤヒヤしちまったよ!」


 と怒らせてしまった。


 それでも、大盛りの食事もやしを出してくれ、「今日はもうお金はいいから」と部屋に通してくれた。


 今日も疲れてしまったよ……。

 部屋に入るとそのままベットにダイブし、疲労感で重くなった身体をベットに埋めるのだった。


 あー、片付けしてなかったんだっけ。画材とかキッカちゃんに返しに行かなきゃ……。


 でも今は、もう……。


 寝る……。


 その日の夜も夢を見たーー。

次回は夢回。メガネのターンです!(予定)

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