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夢物語   洞穴

作者: 森田 享


   洞穴




 小さな川の向こう岸へ渡って、森の中に小道を見つけた私は、その暗い上り坂を進んで行った。

 川沿いの道をずっと歩いて、ここまで来たので、下流の町の音はもう聞こえないし、何時間も人に行き会っていなかった。その内に、もう何日も人と接触したことがなく、たった一人で文明から遠く離れた場所にいるという気がしてきた。

 暖かな春の木洩れ日を感じながら私は、獣道のような坂を上っていて、木々の向こうに、もっと明るい道を見つけた。

そして私は、はっと驚いた。

 その明るい道を、七人くらいの人間が歩いていた。私は危険を感じて、薄暗い獣道で思わず身を潜め、息を詰めて注意深く彼らを見守った。

 その人間たちは、普通ではなかった。槍や斧のような武器を持って半裸で、妙な声で言い争っているようにも聞こえ、乱暴な身振り手振り、歩き方で、そのまま森の中を遠ざかって行った。


 やがて、私は暗い道を抜けて、開けた場所に出た。そこは川沿いの広い盆地のような所で、手前の藪の向こうには焚火の煙が上がっているのが見えた。

 私は、枝葉を掻き分けて、その藪の中に潜り込んだ。味方は一人もいない、周りには敵ばかりなのだ、と思い込み、常に身の危険を感じていた。その藪の陰から向こうは、よく見えないが、藪の向こうの広場のような所からも私の姿は見えないだろう、と思って、私の緊張は少し緩んだ。

しかし、向こうの広場の様子を覗き見て、私は再び驚いた。

 十人くらいの半裸の女たちが石や壺や籠のような物を持って、またしても妙な声で言い争っているような会話が聞こえた。体型から女であることに間違いはないが、身のこなしや動作が女性にしては余りにも乱暴で、野卑な感じがする。そして、広場の周囲には茶色い枯れ枝や木材、革布で作られている小屋のような物がいくつか見えた。

 私は後ず去った。

――逃げた方がいい。

 こちらの姿を見せたり、女たちに声をかけることは危険だと直感した。

 ふと、足下を見ると、手ごろな石があったので、武器にしようと拾って、顔を上げたとき、自分の視野に飛び込んで来た野獣に驚愕した。秋田犬の倍以上もある狼のような風貌の大きな犬が激しく唸り声を上げていた。藪に潜む私に、牙を向けている。大きな犬は今にも藪の中に飛びこんで来そうだった。半裸の女たちも奇妙な叫び声を上げながら攻撃的な態勢で近づいて来る。

 咄嗟に私は全力で逃げた。無我夢中で走った。それまでに生きてきて、こんなに死の恐怖を実感したことはなかった。殺されるかも知れない、という意識が私の全身を支配していた。

 草原を抜けて、崖の下に辿り着き私は、もう走れなかったが、犬の吠えるのは聞こえなかったので安心した。私を発見したのは女たちや、おそらく子育て中の母親狼だったようで、深追いして来なかったから助かった。もし、あれが武器を持った男たちだったら、私は間違いなく捕まって殺されていたと思い、いま生きていることを何度も何度も確かめずには居られなかったが、そんな感情も初めてだった。


 私は、もう疲れ果てて体力も残っていなかったので、これ以上は走り続けることはできなかった。今は、この崖の岩場の陰に隠れて、体力の回復を待つしかなかった。

 もし今度、あの武装した半裸の男たちに遭遇してしまったら、殺されるまでは戦い続けなければならないと思った。

 そして、私は、手に握り締めている唯一の武器である石を見つめていた。そして、確信した。

――あの者たちは現代人ではない。

 私の手の中にある石は、間違いなく打製石器だった。小刀か槍の先端につける穂であることに間違いはない。その石を拾った辺りには、矢じりのような形をした石や土器の破片もあったような気がする。

 あの者たちは、現代の未開の地で石器時代のような暮らしをしているのか。私が、未開の地に迷い込んでしまったと言うことなのだろうか。それとも、もしかしたら私は、石器時代に時空転移してしまったのだろうか。


 そんなことを、あれこれと思い悩んでいる内に、いつの間にか夜になっていた。私は、そこに何時間いたのか分からなかったが、もう空腹や疲労、孤独に堪えられなくなっていた。月明りの他には全く光のない森の中は、まさに暗黒である。方向感覚も、時間の感覚も無くなっていくようだった。

 私は、崖の中腹にある大きな洞穴に惹きつけられるように近づいて行った。なぜなら、洞穴の暗闇の中に、火の色を見たからである。もう、あの火の光に、すべてを委ねようと、それしかないと思った。

 暗黒の洞穴に入り込み、仄かな火の光だけを目指して歩いた。

 そこにも、また狼のような本当に大きな犬がいた。犬の牙が顔のすぐ下まで迫ってくる。犬の呼気を肌に感じ、今にも喉元を咬み付かれそうだったが、私は構わずに火の光を目指して前へ進んだ。犬は唸り声を上げて威嚇し続けていたが、私の体臭を嗅いだあとは不思議と攻撃姿勢を緩めた。狼のような大きな犬は、低い唸り声を上げながらも、私のあとを付いて来た。


 洞穴の奥の火の光は焚火だった。火の側には、一人の男が立っていた。ゆらゆらと揺れ動いている火の光に呼応して、男の姿も揺れ動いているように見える。

 やはり、その男も、半裸だったが、振り向いた髭の顔からは、妙な声ではなく現代語が発せられた。

「なにか用か?」

 私は今、石器時代の古代人から話し掛けられている、と思うと惑乱して、平静ではいられなかったし、その原始人のような男が現代語を話していることを不可思議だとも思わないほどに心が動揺していた。

 男の足元の焚火の光は、洞穴の壁と男の横顔を柔らかく照らしていた。男は髭が濃く、いわゆる猿顔に見えた。小柄で体毛が濃く、手が少し長かった。その手は、絵筆のようなものを握っていた。狼のような大きな犬は、おとなしく男のすぐ側に蹲った。

 徐々に暗闇に慣れてきた私の眼に、洞穴の壁一面、鮮やかな紋様が、ぼんやり浮かび上がってきた。

 それは、ただの紋様ではなかった。一見すると稚拙な、象形的な絵だった。茶色の壁面いっぱいに、焦げ茶色や黄色っぽい茶色、朱色のような茶色で、人や動物、山や川や森、海と太陽と月、星などが描かれていることが、その形で私にも伝わった。

「これは……」

 私は疲労や孤独や死の予感を、すべて忘れて思わず、ただ目の前の光景に感嘆の声を上げていた。

「なにか用かと訊いている。用が無いなら、お前も狩りへ行け」

「…………」

 私は改めて石器時代の古代人から話し掛けられていることに興奮した。そして、なぜだか奇妙なことに私の方が、すぐには現代語が口から出て来なくなっていた。

「…………」

 私は、しばらくの間、その洞窟壁画の森や海、狩りや漁の様子、木の実や蜂の巣や貝の採集している人々、さらに、村で祭りのような儀式をする人々の絵を見ていて、感動で身震いしていた。そして、平常心を取り戻し、ようやく現代語を思い出せたかのように、

「日本にも、このような石器時代の洞窟壁画があったなんて信じられない。たぶん、今だかって発見されたことの無い未知の人類遺産だ……」

と思わず呟いていた。

「なに、この壁の絵を、お前は初めて見るのか?」

「……えっ、ああ。日本のこんな洞窟壁画を見るのは初めてだ。欧州や豪州、南米のものは見たことはあるが」

「この絵を、お前の他には誰も見ていないと?」

「ああ、私以外の現代人は誰も、おそらく、この古代日本初の洞窟壁画を見ていない」

「お前が来た現代とは、いつのことなんだ?」

「分からない。おそらく、それは、あなたの居るこの世界の何千年後か、もしかしたら一万年後くらいか、とにかく、私の居た世界では、この洞穴を見た者は、誰一人として存在しない」

「そうか、それでは、この洞穴は、お前たちの世界の人々の眼に触れることもなく、海か土の中に永久に沈んでしまったんだな。たわいもないことよ」

「…………」

 私は、この洞穴で古代人と対話している現在が、どれくらい前の時代で、日本のどの辺りなのかを思案していた。

 彼は、絵を描きながら、

「お前も狩りが苦手な人間なのか? 魚も上手く獲れない男なんだな?」

と訊いてきた。

「何だって?」

「だから、お前も、俺のように食料調達よりも、こうして壁に絵を描いている方が向いているような人間なのかと訊いている」

「食料調達だって? どういうことなんだ。あなたは、まだ人類の文明が形成されていない、人間社会の存在しない時代の古代人だろ?」

「まあ、そうだな」

「私は、現代人だから、あなた達とは違う。狩猟や食物採集を自分でするような、そんな社会とは全然違う世界で暮らしているんだが」

「違いはしないさ」

「…………」

「同じだと言ってるんだ」

「聞こえているよ。しかし同じとは……」

「お前は走るのが特別に早くなかっただろう。力も特別に強くはなかっただろう。蹴球も上手くはなかったに違いない。得意だった庭球でも、まあ並み以上。水泳選手にも、格闘技選手にも成れはしないだろう?」

「それは、どういう意味なんだ?」

「でも、その代わりお前は、お前の世界で、なんか自分は他の人よりも絵が上手く、頭に絵がくっきり残るような感覚が他の人より強いと思っただろう。光景の記憶の再現力、想像力が他の人より異常に強いと思っていたのではないのか?」

――何だって。

 私は、彼の言葉に心底、驚きを禁じえなかった。

「だから、お前は食料調達よりも創造力で活躍しようと思っただろう。私も同じように食料調達では全く村に貢献できなくて、村での居場所を見つけて何とか生き延びるためには、見たものの再現力や想像力だけを頼りに絵を描くしかないと思ったのだ」


 私は平静を取り戻して、彼の体を、よく監察してみた。彼の左足は明らかに変形していた。おそらく、狩猟の時に、ひどく骨折して歩行も困難になったのだろう。この石器時代では、走るどころか食物採集のために普通に歩くこともできない彼が、自力で生き抜いていく道はない。

 私は好奇心から彼に訊いてみた。

「その足の怪我は狩りのときに負ったのか。それとも、まさか戦争か何かで?」

「戦争だって?」

「獲物を奪い合ったり、縄張り争いかなんかで、他の古代人と戦って怪我したのか?」

「俺たちの時代には、まだ戦争はない。お前たちは、とんでもない事を始めたんだな。そして、その戦争で大活躍し英雄となる者も登場したようだな。とにかく、俺は、大きな獣を仕留めようとした時に油断してしまい、反撃に合って脚を怪我して、不運なことに普通に歩くことさえできなくなってしまった。悔やんでも悔やみ切れないことだ」

「…………」

「情けないが、俺は男として、食料調達の責任がある者として、狩りや漁の力が弱過ぎることになった。俺たちの世界では、男たちの中で、飛び抜けて狩りや漁が上手く、村の食料調達に顕著な貢献をする者は英雄だ。だから、俺のように英雄と共に活動することもできず、食料調達での貢献がほとんど期待できないような男は、英雄を讃えるしかない。祭の時に使う絵を用意したり、村の記憶や英雄を神のように崇める絵を壁に残すことで村に貢献するしかないと思った」

「狩猟や漁労が上手いなんて、そんな身近な人間を神とするのか」

「そうさ、神は身近にいるものだ。子供もみんな神だ。子供が大人になって、その中から村の食料難を救った男、子供を産んだりした女は、みんな神なのだ」

「そうか、とにかく現代世界とは随分違う」

「だから古代と現代は、そんなに違わないと言っているのが、分からないのか」

「…………」

「お前たちは、人間を爆発的に増やし過ぎて国なんてものを作って、そんな人間の根源的なところが、ぼやけているようだが、少しも変わっていないところを見ることができるのだ。たとえば、分かり易く言うと、お前たちも、運動選手、格闘技選手を熱狂的に尊敬し、ほとんど英雄と思うようになったりするだろう。飛び抜けて姿かたちが美しい人を美の化身としたり、女神として賛美する。競技でも芸術でも、思想哲学、科学技術、社会政治や経済活動などにおいても超人的な才能、力を発揮する者の登場を待ちわびて、絶世の美女や不滅の英雄や予言者、強い指導者の出現を求めているんだ。そして、そんな者たちを現人神あらひとがみ、半神のように敬い、崇めることがあるだろう」

「半神?」

「だから、俺も狩りや漁の名手たちを不死身の英雄あるいは、ほとんど神のように思う。そして、俺の世界の半神たちの偉業を、こうして絵に描いて、神格化して伝承するため、みんなの記憶に残そうと、彼らを偶像として描いているのだ」

「たしかに、私も、そんな人間の営みを人類の記憶として残したいと思っている。私は絵ではなく、文章でそんなことを書きたいと思っているが……」

「同じなのだ。俺は、もう狩猟ができないし、漁も下手だから、生きるために不可欠な食料調達をする代わりに、村の伝説そして歴史を記録するべく壁に絵を描き続ける。村の食料調達には全く何の足しにもならないが、村の人々も、俺が祭りのために布に絵を描いて用意したことや、村の生活や伝説を描いた壁の絵を、食料調達と同じような貢献として認めてくれるようになった。そして、絵と交換に食料を分け与えてくれるようになった。今では俺も、まあ一応、村の男の一人として認められているのだ。絵を描くことだけが、俺の生きる道だから、俺は絵を描いている。みんなは狩猟採集をして、俺は、みんなのために絵を描いて、みんなから少しずつ食べ物を分け与えてもらって、辛うじて飢え死にせずに生きていける」

「この古代世界で既に人間社会の分業が始まったんだな。あなたは日本人初の職業画家に違いない」

「まあ、そうだな」

「でも、どうして、石器や土器を作ったり、武器とか祭りの祭壇とか、住居を作ることではなくて、絵を描いて、それを残そうと思うようになったんだ?」

「お前は、類人猿は、いつから人間と呼べるような存在に成ったんだと思っている?」

私は彼から反問されて、色々な答えを考えた。二足歩行、道具、言語なんて答えではないだろう。私は、彼の意外な答えを期待していたので、多少一般的でない答えをしてみた。

「笑うようになったり、悲しみに涙を流すようになってから、いや、死者を埋葬することを始めたときから人間に成ったと言えるかも知れない」

「違うな。火を使うようになってからだ」

「…………」

私は、彼の普通の答えに啞然とした。

彼は持論を話し続けた。

「しかし、火を使うようになったと同時に持つようになったものが、人間を人間たらしめた」

「………?」

「想像力だ。木や石や革とは比べものに成らないくらいに、火を使うことは我々の想像力を膨らませた。火を使って、温まろうとか、肉を焼こうとか、他の動物から身を守ろうとか、夜の闇に昼間のような色を与えてみようとか、色々想像を膨らませた。俺は、太陽の光が届かない暗黒の洞穴に火を灯して、壁に絵を描いてみた。そして、祭の夜に、みんなが一緒に火を灯しながら壁の絵を見たら、どんなに感動するだろうか、と想像を膨らませた」

「すごい、あなたはこの世界で映画鑑賞のような娯楽を発明したんだ」

私は既に彼の映画に感動させられていた。

「映画か、そうかも知れない。洞窟の壁に描いた絵が、たくさんの仲間に、ずっと見られ続けてゆくこと、俺が死んだ後もいつまでも。そして、未来の、遥か遠い子孫の、もっと先の人間、お前のような友人が火を灯しながら、この絵を見ることを、俺は想像しながら絵を描いている。俺は、そのとき原始人から、お前とまったく同じような現生人類に成ったんだ」

「…………」

私は、この目の前の友人の言葉に感動し、声も出なかった。

「そして、友人よ。俺は、村のことを、村での日々や伝説の意味を、もっとより多く残せるように、俺たちが何を思い考えて、どう生きて、どう死んでいったかを、後の世界、お前たち遠い友人にも伝えるために、こんなことも考えている」

 彼が、指差した壁には、明らかに象形文字と呼ぶべきものが並んでいた。私は驚愕の眼で、それらの意味を読み取ろうと、ただただ凝視していた。

「まだ、その簡略な絵の連続を、どう分かりやすく描いて、どこまで省略して意味を持たせ、どう組み合わせたら上手く意味が伝わるのか悩み続けている。俺が生きている内に、この連続した絵は完成しないだろう。しかし、俺が先祖たちの残した絵のようなものを真似て、絵を描き始めたように、俺の子孫は、この連続した絵を真似たり、省略した絵の組み合わせを、もっと良くして、意味の伝わり易いものにしてくれることだろう。まあ、俺という男は今、この壁に、これだけの未完成の絵を描いて死ぬだけの人間に過ぎなかった、と言うことだ。たわいもないことよ」

 彼は、このように、もしかしたら後の世界まで残り、いつの日か再び人類の眼に触れるかも知れない洞窟壁画と古代文字による伝承の予感に尊い命を捧げていた。

 しかし、日本の強い酸性の土壌では何も残らない。彼の壁画や、彼の道具、彼自身の肉体、骨も非常に残りにくい。おそらく長い年月を経たら、強い酸性の水や泥によって、跡形もなく溶けて消えてしまうだろう。


 その時、急に洞穴の中の火の色が弱まったと思った。辺りが、どんどん暗くなってゆく。でもそれは、洞穴の中の焚火が消えようとしているのではなかった。その世界での私の姿が消えようとしていた。

 彼は、火の明かり頼りに絵を描き続けながら、私に背を向けたまま言った。

「お前は、もう自分の世界へ帰れ」

「私は、まだあなたと話したいことがたくさんあるんだ」

 彼は、姿が消えかかって、どんどん暗くなってゆく私に振り向いて、

「いつかまた話せるさ」

と言った。

「いつか? でも、どうやって?」

「お前の世界で、お前の世界の友人の一人として俺は、お前と再会するかもしれないよ」

「私は、あなたの子孫に出会って、その人を通じて、またあなたと話せるのか?」

 彼は頷いたかも知れないが、はっきりとは応えてくれなかった。もう私の声が聞こえてはいないのかも知れない。

 彼は黙々と絵を描き続けている。

 私の視界は、さらに暗くなって、彼の姿も、どんどん暗く見えなくなってゆく。

 私は、消えてゆく彼の姿を憧憬というか、懐かしいような思いで見つめていた。

 私は、彼を、私の遠い祖先として、いや遠い父のような存在として生涯、忘れることはないだろう。たとえ、この洞穴が、海底や地の底に埋もれ、彼の生きた証が、すべて溶けて、消え去ってしまったとしても……。





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