三章 魔王さまによる魔法解説『魔法ってなんだろう?』 - 21 - 魔力というエネルギー
三章 魔王さまによる魔法解説『魔法ってなんだろう?』 - 21 - 魔力というエネルギー
こんな話をしていたら、コメントのほぼすべてが魔王バランのことを心配する書き込みで溢れかえった。
「魔王逃げて、魔王ヤベェ、後ろに何かいるぞ、ヤバすぎんだろ、危険がアブナイ……結構心配してくれてるね。でも、まぁこれでも魔王やってるからね。そこまで心配しないでくれていいよ。
そもそも、この配信をやっているのだって、そのための対策の意味もあるんだ。たった一つの強国に知られたら確かにアブナイけど、沢山の強国に知られている場合だとまるで状況が違ってくるんだ。
特に複数の強国が対立していた場合なら特にね。自分がエネルギー資源を取る分にはいいけど、敵国がエネルギー資源を取ることは絶対に座視することはできない。だから、どうするかというと、敵に知られないように裏から手を回そうとするんだ。
前回の勇者解説配信でやったあんな感じだね。そうなれば、俺にも十分関与する余地ができる。現実問題として、交渉窓口は俺しかないからね。それが気に食わなければ、俺を斃して自分達に都合の良い交渉窓口を創るしかない。
魔界の魔物と取引して、俺の首を取るとかね。それが無理なら、勇者を送り込んで俺を斃した後、傀儡の魔物を立てるという手もある。ただ、その手の工作は俺も読んでるから対応することはそれほど難しくないよ。
やはり一番やっかいなのは、正面から戦争を仕掛けられることなんだ。これをされると正直手のうちようがない。だから、俺としてはそうならないようにあれこれ手を打っているわけなんだけどね。ただ、これ以上のことはさすがに話せないから勘弁してくれ。それに、魔法の話から随分と離れてしまったんで、話を元に戻すよ」
逸れてしまった話を元に戻そうとすると、コメントは若干荒れ気味になる。
そのほとんどが、魔王バランのことを心配するものである。
「ありがとう。君らが心配してくれるのは嬉しいけど、俺は大丈夫だから安心してくれ。まぁ、今までの話で十分理解してもらえたと思うけど、魔法というのは特定の性質を持ったエネルギーを変化させる行為のことなんだよね。
少し具体的に言うね。魔力というエネルギーが存在していて、それは特定の手順によって運動エネルギーとか熱エネルギーへと変化させることができる。その時使用する手順のことを一般的に魔法って呼んでいるんだ。
確かに俺のような魔王は、強大な魔力を持っているからそれに比例して強力な魔法を使うことができる。でも、スマートフォンと魔力を注入した魔法コアを組み合わせるだけで、はるかに効率的で効果的でなおかつ天井知らずに強力な魔法を使うことが可能になってしまった。これが現代における魔法の本質なんだ」




