三章 魔王さまによる魔法解説『魔法ってなんだろう?』 - 10 - 解説再開
三章 魔王さまによる魔法解説『魔法ってなんだろう?』 - 10 - 解説再開
「あー、なんか妙な感じになっちゃったね。そこがいい、美人は正義、リュートかわえぇ……まぁ、良かったみたいでなりよりだ。というわけで、リュートちゃんは配信スタッフの一人として、これから頑張ってもらうことになりました。
というわけなんで、これからはスタッフのことを大らかな気分で見てくれ。
それとこれとは話しが別、美女でスタッフ、スタッフは俺らのおもちゃ……おいおい、本音をこんな所に書き込むんじゃないよ。……そんなことより解説はよ。だね、このままじゃいつまでたっても後半いけないからね。それじゃ、今見てもらった実験の解説始めようか」
ここで魔王バランはまたいつものように、説明用のフリップを見せる。
ただいつものとは少し違って、文字だけではなく写真がみっつ印刷してあった。
「見てもらったらわかると思うけど、ここにある写真は、今やってもらった三種類の実験後のものなんだ。画面左から爆薬を使ったもの、人力による魔法詠唱を行ったもの、さらにスマートフォンを使って魔法を実行したものとなっている。
リュートちゃんが写ってないって? もう少しして後半になったら、ちゃんと出てくれるからそれまで我慢してくれ。続きいくよ。それでこの写真を見比べたら、違いがはっきりとわかるよね? わかる、わかる、なんとなく、リュートちゃんどこ?……だから、少し待ってくれ。
それじゃ、だいたい分かってるようだから、さっさと説明に入るね」
魔王バランは最初に画面左の爆薬で爆破した跡の写真を指し棒で示す。
「これは、爆薬で爆破した跡だね。まずわかりやすい特徴としては、焦げたような黒い跡と地面がすり鉢状に抉れているってことだよね。花崗岩の破片は殆ど残ってなくて、周囲に向かって吹き飛んでいったことがみてとれるね。
次の写真はリュートちゃんが自力魔法で破壊しちゃったヤツだね。まず最初にわかりやすい特徴としては、焦げた跡がまったくないことだよね。溝のように地面が抉れているのはわかるけど、爆薬を使った時ほど大きくはない。
この違いが何を意味するのかは、また後で説明するとして、最後にいくよ。これは、最新の魔法学をテクノロジーに応用したものだね。一つ前のリュートちゃんの力技と比べると実にわかりやすいんだ。
破壊された花崗岩はほとんど飛び散ることなく、砂状になってその場に堆積してるよね。見える部分から判断すると、地面への影響はほとんどない。こうやって見比べると三つともまったく違った結果に見えるよね」




