二章 魔王さまによる勇者解説『勇者の真実と闇』 - 23 - 資金ルート解明
二章 魔王さまによる勇者解説『勇者の真実と闇』 - 23 - 資金ルート解明
「彼らが資金を流した時にやった手口を、簡単に説明しとくね。
まず民間の保険会社を魔界に作るんだ。その保険会社に出資金という形でアイゼランド皇国政府が行政法人を通して出資する。ここまでが、まず前段階なんだ。
そこまでやっておいて、その保険会社でガレス王が巨額の保険をかけるんだ。例えばツェック公国の山奥に住むドラゴンの生命とかにね。
普通、ドラゴンが簡単に死ぬなんてことはありえないから、まっとうな算定をすれば天文学的な倍率の保険になる。でも仮にだよ、その保険を掛けられたドラゴンが、勇者に斃されたとしたらどうなると思う?」
あえて魔王バランは最後までいわずに、微妙にぼやかすような言い方をする。
もちろんこんなものは、ほとんど正解を言ってるようなものだ。
視聴者のほぼ全員のコメントがそのことを証明していた。
もちろん横で聞いていたリュールも同じで、すぐ魔王に話しかけてくる。
「それは、本当のことなんですか?」
薄々察してはいた。けれどさすがにこんなカラクリまでは知らされているはずがない。
もし仮に知っていたとしたなら、生きていられるはずもないだろう。
何人か死人がでていてもおかしくないようなとんでもないスキャンダルである。
「この辺りのことは、俺が直接調べたからね。間違いないよ。それに、人間界の連中が魔界にやって来てなにか始める時には、大抵こういった不正絡みの事案が多いんだ。なにしろ魔界は法律の通用しない世界だから、好き勝手にやれるんだよね。
俺は、調べた上で放置しといた。さすがにこんなとんでもないスキャンダルに、下手に首を突っ込むとこっちの身がヤバイからね」
魔王の説明に、またコメントが一気に荒れる。
「ヤバイヨヤバイヨ、殺し屋くるねこれは、オーマイガッ、終わったな、リュールさん逃げてぇー、今からパン焼いてもいいですか?……美味しく焼けるといいね。
まぁ君たち、あんまり熱くならないで。今こうして普通に話していられることで、とりあえず察してくれ。
その理由は、話しが進めば自ずとわかることだから。今は、リュールの話しの続きを聞こう。リュールちゃんお願い」
コメントの反応を押さえながら、魔王バランはまたリュールに話しの続きを求める。




