二章 魔王さまによる勇者解説『勇者の真実と闇』 - 21 - 不信感
二章 魔王さまによる勇者解説『勇者の真実と闇』 - 21 - 不信感
一旦そこでリュールの答えは終わったが、今ひとつ尻切れ感が拭えない回答となっていた。
というのも、やはり理解できない答えというところにある。
流れてきたコメントも、そんな感じとなっていた。
「はぁ?、なにそれ?、よくわからん、勇者あなどれんな、どゆこと?、やっぱり勇者とは青か……あぶないあぶない、最後まで読んじゃうとこだった。
たまにこういう地雷が流れてくるんだよね。それで、ガルウィット王国についてからどうなったの?」
魔王バランは簡単にコメントを拾った後、話を先に進める。
「ガルウィット王国についたら、なぜかすぐに国王陛下が出迎えてくださいました。すぐに奥の間に通されると、ドラゴンスレイヤーとしての称号を我々に授けてくださいました。
その直後、ガレス王は勇者オランドと共に二人きりで自室に入りしばらくの間でてきませんでした。でてきた時には二とも至って平静を装ってはいましたが、何か重大なことを隠しているようでした」
今リュールが語った証言は心象にすぎないものであったが、それでも非常に重要なものであった。
もちろんそのことは、見ている視聴者にも十分伝わっている。
コメントの数がいきなり減ったことが、そのことを如実に表していた。
「今から振り返ってみて、あなたは、その重大なことがなんなのか思い当たることはありますか?」
まさに、その核心部分に関して、魔王バランはずばっと切り込んでいく。
その質問に対して、リュールからすぐに答えはなかった。
少しうつむいて、なにやら迷っている様子だ。
しばらく無言の時間がすぎるが、魔王バランだけでなくコメントも一切催促したりとか、返答を求めたりとかするようなことはなかった。
そして、リュールは唐突に顔を上げると、いきなり話し始める。
「おそらくですが、ツェック公国のイヴセン大公とガルウィット王国のガレス王はアイゼランド皇国から多額の資金を受け取っています。
その橋渡し役に、勇者オランドが利用されていたのでしょう」
その証言は、とんでもないほどの爆弾であった。
発言をためらうに十分な理由。
というか、よく発言したなという程の証言である。
だが、この発言はきっかけに過ぎなかった。




