二章 魔王さまによる勇者解説『勇者の真実と闇』 - 01 - 配信開始
二章 魔王さまによる勇者解説『勇者の真実と闇』 - 01 - 配信開始
「はい……始まったね。おっ、すぐ視聴者増え始めた。今日は色々と話すことあるからいきなりいくね。もしかしてついて来れない人がいるかも知れないけど、その時はコメントで対応していくから好きに書き込んでくれ」
配信開始と同時に、いくつものコメントが書き込まれる。
「さっそく、このタイトル大丈夫かってコメントきたね。たぶん大丈夫じゃないかな? このチャンネルって別に人気配信ってわけでもないし、本当にヤバイ話しは一応後半部分でやるつもりだしさ。ってことで、まず最初に勇者という存在がなんなのかというところから初めようか」
いつものように飲み物をストローで吸い上げながら、フリップを一枚引っ張り出してきて目の前に立てる。
「ここに、一般的な勇者のイメージを書いておいたよ。ただ、ここに書いてあるのは、あくまで俺基準で調べたものだからそのつもりでね。
まずはなんといっても勇気だろうね。勇者というくらいだから当然なんだけど。次に救世主。一般民衆を救うっていうのが勇者の条件のようなものだろうね。
そしてなにより欠かせないのは、魔王を斃す存在っていうイメージだろうね。ただこれは、イメージというより定義と言ったほうがいいだろうな。勇者は魔王と闘わなくてはいけない存在なんだよ。他にも細々とあるけど、大まかにはこんな所じゃないかな」
魔王バランは今話したことをまとめたフリップを、指し棒で示しながら説明を続ける。
「いっぱい書き込み来たね。勇者とは希望であり光……君いいこと言うね。意味よくわかんないけど。勇者は勝手に育っていく存在……これは、イメージとしては合ってるかもね。現実とは違ってるのが最大の難点かな。
他にも色々書き込みきてるけど、ここで視点を切り替えてみることにするね。イメージはつかめたとして、では勇者の定義を考えてみよう。一体どんな条件が当てはまれば、勇者と言えるのか。それを考えていくよ」
ここで魔王バランはフリップを別のものと取り替える。
「色々考えてみたけど、結局勇者の定義というのは極めてシンプルなんだ。ドラゴンと闘う、邪悪で強力な魔法使いと闘う、そして魔王と闘う。
つまり、普通では勝てないような強力な相手と闘うことが、勇者の定義だと考えていいんだよね。えっ? なんか違うって? まぁまぁ、そういう意見があることは重々承知してるから。今は、とりあえず聞き流しておいて。それじゃ先に進むね。




