一章 魔王さまによる迷宮《ダンジョン》ぶっちゃけ解説 - 14 - ダンジョンマスター出演
一章 魔王さまによる迷宮ぶっちゃけ解説 - 14 - ダンジョンマスター出演
いきなり爆弾を連続で落としておいて、魔王バランは荒れかけた配信をうまい具合に落ち着かせていく。
コメントを軽くまとめて、うまい具合に間を作った魔王バランはストローで軽く水を口に含み体制を整える。
「今まで見ていた人にはもう分かってると思うんだけど、今日やっているのは迷宮の内部やエンカウントしてくる魔物を分析して、攻略方法を解説しようというのとはまったく違った試みなんだ。
そもそも、そんなとこは他の連中がさんざんやってるから、正直俺としてはどーーでもいい話なんだよね。そうじゃなくて、誰もが知っている迷宮というものを、俯瞰して見て色んな角度から光を当ていこうということだったんだ。
今更説明されましても、っていうコメントきたね。他にも、知ってたっていうコメント多いな。俺も、このタイミングで話したらそういうコメントが来るだろうな、とは思っていたから引き分けってところだろうね。こっちは勝負してないって?
そりゃそうか。でも、今このタイミングで話したことに理由があるのだとしたら、若干意味意味が変ってくるだろ? 内容によるっていうコメント冷静だねぇ。そのコメントのためにも、それじゃ、いってみようか」
最後の一言は、視聴者ではなくスタッフに話しかけたものだった。
画面が切り替わる。
映し出されたのは何処かの森林の中の様子で、画面中央には黒いマントを纏っている人物が映っている。
目深にかぶったフードのためによく顔が分からないが、奥の方で目が薄ぼんやりと金色の光を放っていた。
「ギリスくん、聞こえてるかい?」
魔王バランが呼びかける。
「ええ……はい、聞こえてますよ、魔王バラン様」
バランの声は明らかに男のものだったが、ひどく低くかすれていて、かなり不気味に聞こえる。
「彼はリッチのギリスくんだ。業界内では有名なダンジョンマスターなんだ。有名なところだとロドス島の古代迷宮や、狂王の迷宮なんかも彼が手掛けた作品なんだけど、君たちも名前くらいは聞いたことあるだろ?
ある、ある、けっこうある、大物登場、なんだなんだ? よくわからん……ここまでよく見てたもんだっていう書き込みあるけど、概ねピンときたような感じだね。
それはともかく、ギリスくんが超級のダンジョンマスターだってことだけ分かってもらえたらいいんだ。それで、今彼が何をしてるいのかというと……ギリクくん視聴者に、今何をしている所なのか説明してもらっていいかな?」




