一章 魔王さまによる迷宮《ダンジョン》ぶっちゃけ解説 - 13 - ダンジョンマスター解説
一章 魔王さまによる迷宮ぶっちゃけ解説 - 13 - ダンジョンマスター解説
急にコメント数も減り、しんみり感がでてきてしまった配信なのだが、ここで魔王バランはまた新たな爆弾を投下する。
「ここら辺のタイミングでダンジョンマスターの話しとくね。もちろん、彼らは元々魔界から派遣されてるんだけど、別に迷宮に住んでいるわけじゃないんだ。そもそも中にいたら迷宮の保守なんてできないからね。
迷宮が作られた状況によるけど、国や領主に雇われている場合は表向きの役職と兼任する形でやっている。それと同じくらい冒険者ギルドの管理も兼ねてギルドマスターを兼任してい場合も多いね。
ダンジョンっていうのがある程度自立して維持される生態系が作られているからそんなに手間はかからないけど、それでもトラブルが皆無というわけではないからね。
なにかあったら、必要な物資を揃えて迷宮にもぐることのできる体制をとっておくに越したことはない。ただ、これは冒険者が頻繁に訪れるようなメジャーな迷宮だからやっていられることなんだ。
新設されたばかりの迷宮とか、ほとんど名前が知られていないマイナーな迷宮となるとそうもいかない。そういった場合、一番多いのがダンジョンマスター自身が冒険者となって迷宮に潜るんだ。
おっ、さすがだね。すぐに分かってる人いるね。まさにその通り、生態系維持のためということが一つと、冒険者集めのためのサクラになるためなんだ。
その場合だと、ダンジョンマスターは大変な苦労をすることになるけど、メジャーな迷宮を作ることができるようになるまではしかたないってところかな。
賃金とかあるのかって質問きてるね。もちろんあるよ、彼らは職人だからね。メジャー級のダンジョンマスターだと、国が支給してることがほとんどだ。
ただ、マイナーなダンジョンマスターになると、歩合制って場合もあるね。廃れるような迷宮のダンジョンマスターだと依頼も来なくなるから廃業してしまうことになるんだよね。
その後どうなるのかだって? さすがに俺もそこまでは知らないなぁ。ただ一人は、そのまま現地の女性と結婚して人間界に住み着いたって話は聞いたことあるよ。伝聞かぁって残念そうな書き込みした君。そんなにそこの所知りたいの? なら調べてきて、次の配信で一時間くらいその話するけどどうする?
子供じゃないんだから極端に飛ぶなよって言われたって、こっちは相当手間かけることになるんだよ。それなりの見返りがないとやってらんないって話だろ。そのくらい察しようぜ、子供じゃないんだから。
うまいことまとめてんなぁって書いた君。あんまり魔王の気持ちを見透かしたようなこと書いてると、この先放送つまんなくなるよ?」




