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我こそはモン娘テイマー也  作者: hoikun
一章 舞い降りたモンスターテイマー
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6話 ダートフロッグ

前回のあらすじ


 スライムちゃんが魔石を食べてしまい、動揺を隠せなかったユウスケだが、スライムのステータスが上がっていることに気付く。

 そこで、他の魔物の肉と魔石でステータス上昇の比較をすることに決め、ダートフロッグ討伐という新たな依頼を受けるのであった。

 スライムちゃんにレイという名前を付け、その愛くるしさに悶々としていたユウスケの近くには……



---------------------------------------



 レイの身体の表面をツンとつつく。するとぷるんと震える。

 その手触り、弾力、星3つです。


 スライムにレイという名前をつけた後にそんなことをしていると、右側からガサッという音が聞こえた。


 すぐにそっちに目を向ける。


 目線の先の草をかき分けて出てきたのは、全長80cmくらいの大きいカエルだった。


 ダートフロッグだ。



 すげぇ遅い。スライムと張るんじゃないかってくらい動きが遅い。

 流石Fランクだな。


 レイを足元に下ろした後、俺は背中から右手で剣を抜く。


 ダートフロッグは剣を構えられたことを意に介してないように、ゆっくりと俺に近づいてくる。


 動きが遅いから、横に回り込めば攻撃されないか?

 そう考えてダートフロッグを視界に捉えつつ、横に回り込もうと走る。

 ダートフロッグは方向転換に時間が掛かっている。


 いける。


 横腹に向かって麻痺剣を振り下ろす。


 ズグッ、といった感じで肉を斬る感触がした。ダートフロッグの体液が飛び散る。


 すぐに後ろに飛び、距離を開ける。


 相手の様子を見る為でもあるが、何より生きている肉を斬った感触に、少し手が震えていた。


 慣れない感触に、少し気持ちが悪くなる。


 ダートフロッグは痛みを感じているのか、口を大きく開けて前足で地面を叩く。そしてまたこちらを向こうと動き始める。


 手の震えを落ち着けつつ、横をキープできるように、相手の方向転換の動きに合わせつつ回り込む。


 落ち着いたら大丈夫だ。相手は遅い。


 今さっき斬りかかった傷に向かって、もう一度剣を振り下ろす。


「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」


 ズッ、と先程より深く剣が刺さり、ダートフロッグの動きが止まった。

 呼吸はしているみたいだが、傷が深く、もう身体は動かせないみたいだ。


 剣を抜き、もう一度振り下ろす。


 そうしてダートフロッグは完全に動きを止めた。



「はぁー緊張したぁー。」


 思わず声に出てしまったが、スライムの時と違い攻撃してくる意思のある魔物を相手に戦闘したのは初めてだったし、そりゃ緊張もするさ。


 しかし1戦して思ったことがある。


 ダートフロッグ余裕なんじゃね?


 一撃とは行かないけど、3回も斬れば倒せるし。肉を斬る感触はまだなれないけど、慣れていくだろ。それこそ7匹倒す頃には。


 取り敢えず今倒したダートフロッグの足と舌の剥ぎ取りをしようか。


 剥ぎ取り……


「やべぇナイフ持ってねぇ!」


 おい剥ぎ取りの基本だろ! なんで気付かないんだよ俺は!

 剣で剥ぎ取るか? いやソレしか無いだろ今は。やりにくそうだけど仕方ない。


 まずはダートフロッグの口を開けて舌を伸ばしてみる。


 うおぉすげぇ伸びる。なんかゴムみたいだ。

 口の中にあるときはそう思わなかったけど、実際伸ばしてみると1mくらいには伸びた。

 剣での剥ぎ取りはかなりやり辛かったが、どうにか舌の根元から切り取ることに成功した。


 次は足か。


 足の付根に剣を入れていく。あぁー斬った感触が気持ち悪い。

 骨のつなぎ目にある靭帯を切って、軟骨のあたりに剣を突き刺してぐりっとしたら骨ごと足が取れた。剥ぎ取りってこんな感じでいいのか?

 そんな感じで両足分を取った。


 よし、次は魔石を取り出そう。中心付近にできるはずだから、腹を切り開くか。


 うつ伏せになっていたダートフロッグをひっくり返し、腹に剣を入れる。

 腹は足や脇腹と違って、肉が柔らかく、切りやすかった。


「これ、腹の肉のほうが美味いんじゃないか……? 柔らかいし。」


 肉の臭みっていうのがどんな感じかわからないけど、柔らかい肉って基本的に美味いし。


 そんなことを思いながら切った腹を広げると、内臓が見えてきた。


「うわぁ……」


 めっちゃ気持ち悪い。俺は剥ぎ取り向いてないな、剥ぎ取り人を雇いたい。

 内臓を手で触るのはなんか嫌だったので、剣で避けたり腹から出したりしながら魔石を探す。


 すると中心付近にあった。直径4cmくらいの石。


「これか……」


 スライムの魔石は3cmくらいだったので、ちょっと大きい。


 嫌々ながら手で取り出す。



 さて、ここからが本番だ。

 レイのステータスを開く。


-

レイ

0歳

種族:スライム

状態:普通


Lv1


HP 20/20

MP 5/5


STR:2

VIT:3

INT:1

DEX:2

AGI:1


【所持スキル】

悪食

-


 よし、まずは肉から食ってもらおう。


「レイ、あのダートフロッグだけど、食べられるか?」


 レイはぷるんとして、一生懸命ダートフロッグへと向かっていく。

 そしてダートフロッグの頭の方から覆いかぶさり、ゆっくりと消化を始めた。


 5分くらいたって、レイは全てを消化したので、改めてステータスを開く。


-

レイ

0歳

種族:スライム

状態:普通


Lv1


HP 22/22

MP 5/5


STR:3

VIT:4

INT:1

DEX:2

AGI:1


【所持スキル】

悪食

-


 HPとSTRとVITが上がってるな。てか状態普通て、満腹までいくら食えばいいんだ?

 まぁソレは置いといて、次はダートフロッグの魔石を食べさせる。


「レイ、次はコレを食べてくれ。」


 レイの近くに魔石を置くと、レイはぷるぷるしながら近寄って魔石を食べる。


 そしてステータスを開く。


-

レイ

0歳

種族:スライム

状態:普通


Lv1


HP 26/26

MP 7/7


STR:4

VIT:6

INT:2

DEX:3

AGI:2


【所持スキル】

悪食

-


 おぉ? 全部上がってる? HPも肉を食べた時より伸びが良いな。

 肉より魔石の方が伸びるのか?


 そういえばスライムって、身体が魔力で出来てるようなもんなんだったっけ。つまり、魔力の結晶である魔石の方が吸収効率が高いのか?


 もう何体か狩って比較してみるか。


 そうして他のダートフロッグを探す為、ダートフロッグの足を2つ担いで、


「って、7匹分も足と舌持ち運べねぇ!」



 俺を絶望が襲うのだった。

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