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我こそはモン娘テイマー也  作者: hoikun
一章 舞い降りたモンスターテイマー
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 幕間 絶体絶命馬車の中

ちょっと短めです。



ゴトゴトと揺れる馬車の中、俺達は新しい町への期待に胸を膨らませながら会話をしていた。

リーニャはエマを出たことはなく、もちろん俺も他の町を見たことはない。

次の町へは、歩けば休憩を挟みつつ4時間程掛かるらしいが、馬車だと2時間とちょっとで着くということなので、アルダンにめちゃ感謝している。


「ついに私も、冒険の旅に出るのね……」


感慨深く呟いたのはリーニャ。

10歳の頃に一度目の旅立ちを決意してから、およそ9年の時日が流れている。

その時の決意が正しいものであったか、それとも間違っていたものであったか何てことは、今この場では関係のないことだった。

二度目の旅立ちの決意。それはリーニャが本当に望んだ、正しい決意なのだから。


「ねぇ、ユウスケ。」


外を見ていたリーニャがこちらを向く。


「前の世界の話、もしよかったら教えてくれない?」


2時間ちょいかかる馬車の中、時間つぶしの話題は尽きそうになかった。




俺が前の世界、日本での生活について話をし始めて1時間ほど経った。

学校に通っていた、殆どの家に風呂がついている、鉄の塊が人を乗せて走ったり飛んだりする、などなど。

俺からすれば当たり前でありきたりな話でも、リーニャは目を輝かせて聞いていた。

中でも一際興味を惹いたのは、自動車や飛行機などの近代的な技術ではなく、どうやら学校らしかった。


「学校に通っていたなんて、ユウスケの家庭は貴族だったの?」


なんて聞かれた。


まぁ、こっちの世界ではそうなのかもしれない。

魔術や戦闘技術を習う学校や、経済や政治を習う学校がこちらにはあって、そのどちらもが学費としてかなりの大金を用意しなければならない。


「ハハ、そんな大層なものじゃないよ。前の世界ではそれが普通なんだ。」


普通なんだ。その言葉を呟いた時に、ちらっと学費の事が頭によぎった。

俺は全然気にしたことなんて無かったけど、俺が小中高と通っていた学校の学費も、こっちの世界とあまり変わらないんじゃないだろうか。

日本は稼ぐ手段が沢山あっただけで、学校に行く時間が確保されているだけで、かかる金額なんてそう変わらないのかもしれない。


でも今では、どうあがいても知りようのないことだ。

能天気に学生生活を満喫していた時に思いつけば、そうではなかったかも知れない。



話はその後も続き、前の世界は魔法がなかった事や、ゲームやアニメや漫画、スポーツやカラオケなど、人々の娯楽が充実していた事も話した。

ゲームの内容を教えたら、この世界が舞台なんじゃないかなんて話にもなった。

最初にロールプレイングゲームを思いついた人は、意識の何処かでこういう世界を認識していたって可能性がありえる話なんじゃないかって思える。

もしそう言われたら信じるね。


ついでに、俺の転生の時の話もした。

実は俺は上位神に出会っていたってところから、勇者を蹴ってテイマーになったってところまで。

強いスキルをプレゼントされたって事と、戦闘スキルを取らないから怒られたって言う話も。

前の世界とは言語が違うけど、それもスキルのお陰で普通に会話できてるってことも。


リーニャはそれを聞いて、特に俺を責めることはなかった。

勇者を選ばなかったのは、何だがユウスケらしいってさ。

ま、分かるよ。俺内面では欲望に忠実だしね。


リーニャは全ての話を楽しそうに聞いていた。

だけど、ふとリーニャの表情に影がさしたのがわかった。

なんだろう、また俺なにか悪いこと言っちゃった?


俺が先程の会話の中から地雷を探していると、リーニャはなんだか複雑な表情で俺に問いかけてくる。


「ねぇ、ユウスケ。ユウスケみたいな転生者って、前の世界で死んでしまったからこっちに来たのよね?」


「え? うん、そうだよ。」


「ユウスケは、そんな平和な世界で、どうして死んでしまったの……?」






お風呂で、底に引っかかって、溺れました。






「あー、えーと、うん、それはね、うん、なんだろうね、ハハハ。」


「あっ! ご、ごめんなさい!失礼だったわよね! とても恐ろしい体験だったかもしれないのに……」


「あーいや! そういうわけじゃ無いんだけどね! いやある意味ではとても恐ろしい体験ではあったかもしれないけど! なんかさ、ほら、うん、こっちの世界じゃ絶対ありえない死に方と言うか、あっちの世界でも絶対ありえない死に方と言うか、誰しもが経験し得ないような死に方というか……」


「ど、どういうことなの……?」


どういうこともこういうこともありません、リーニャさん。

ある意味トラウマですよこれは。恥ずかしさ的な意味で。


「あー、ほら、うん。未来に進もう。俺達は過去なんて気にしないんだ。そうだろ?」


「えっ、う、うん。」


「さぁ、次の町が近いんだ。旅の未来について語ろう!」



腑に落ちなそうな顔をしていたリーニャを置いてけぼりに、俺は次の町へついたら何をするかとかを必死に語り始めた。


話題よ、逸れろ。

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