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我こそはモン娘テイマー也  作者: hoikun
一章 舞い降りたモンスターテイマー
17/104

14話 レイとお肉と防具

2018/8/26 8話の修正に伴い、文章を若干変更。読み飛ばしても大丈夫です。

前回のあらすじ


 リーニャは、自分がエルフであるせいで、イルダさんや町の人に対して疎外感を感じていた事をユウスケに告白する。

 ユウスケを利用してイルダさんを安心させようとしたことも。

 それを聞いたユウスケは、イルダさんに今回の怪我についてを報告することで、イルダさんの気持ちをリーニャに教えたのだった。



---------------------------------------



 ポイズンビー事件があったあの日から数日経った。

 ギルドでは、町が本格的な被害を受ける可能性を考慮し、他の町から有力な冒険者を雇って討伐に乗り出すことにしたらしい。

 近々5組ほどのパーティで大規模な討伐が行われるということだ。


 あの後、リーニャになんで俺に自分の悩みを打ち明けたのか聞いてみたら、それが騙したことに対してのケジメだと思ったって言っていた。


 まぁ、頼られるのは悪い気しないけどね。見ようによってはエルフもモン娘みたいなもんだし。


 あ、今何か失言した気がする。


 それは置いといて、リーニャは毒を受けたのと、おそらく俺やイルダさんへの後ろめたさなんかもあって、今は自宅で休養を取っているらしい。


 あの後もう一度ホーンラビットを狩りに行く気もしなかった俺は、ギルドへと報告する際に依頼の破棄をしようと思っていたんだけど、異常事態の発生による依頼の辞退は特例として報酬の何割かを支払うなんて言うもんだから、ありがたく貰っておいた。

 今回は7匹討伐成功していたので、7割分の銀貨1枚と銅貨2枚が貰えた。

 その上、皮も売ったので追加で銀貨1枚と銅貨1枚。

 所持金合計、銀貨3枚と銅貨57枚。


 銅貨を銀貨に両替すれば銀貨5枚と銅貨17枚になるんだけど、細かい精算が多い時に銅貨が多いほうが面倒くさくないので多めに持っている。


 本当はリーニャに報酬半分渡すつもりだったけど、リーニャは迷惑をかけたからと頑なに受け取らなかった。


 そして魔石と肉は手元に残っている。レイに食べさせて後の戦闘を楽にする為だ。


 そんでもってあの後はしばらく討伐依頼を受ける気にもならなかったので、適当に薬草やそこら辺の採取依頼をこなしていた。


 依頼をいくらかこなして、ものすごく後悔していることがある。



 ポイズンビー、テイムしとけばよかった。



 いや、あいつがいたら戦闘めっちゃ楽になったろ、マジで。

 あの時は焦って倒すことばかり考えてたけど、俺テイマーですよ。

 剣振り回すジョブじゃないんですよ。


 でも育てたいかと言われたらそうでもないんだよなぁ。

 毎日隣からポイズンビーの羽音が聞こえると思うとやっぱりテイムしなくて正解だったかもしれない。



 そんなこんなで色々あったけど、今日はついにメインイベントを行うつもりである。


 そう、魔石と肉の吸収だ。

 レイちゃんにはもっともっと強くなってもらうのだ。


 肉を大量に出すため、町では邪魔になる。

 その為に、今町から外れた広い所まで来ているのだから。


 さて、それではステータス、オォォプゥン!



-

ユウスケ・マツイ

18歳

種族:人族

職業:モンスターテイマー

状態:普通


Lv6


HP 118/118

MP 89/89


STR:25

VIT:35

INT:19

DEX:40

AGI:40


【所持スキル】

[U]テイム限界解放

[U]多言語理解

テイム

意思疎通

-



-

レイ

0歳

種族:スライム

状態:空腹


Lv6


HP 114/114

MP 30/30


STR:34

VIT:31

INT:19

DEX:21

AGI:20


【所持スキル】

悪食

格納

酸弾

-



 やはりどちらが倒しても両方に経験値が行くらしい。レイも無事レベル6になってるな!


 あれ、レイちゃんお腹空いてるの?

 仕方ないなー! お食事しなきゃね!

 レイちゃん、ホーンラビットのお肉と魔石出してくれるかな?


 そんな変なテンションでレイにお願いすると、レイは待ってましたとばかりに肉と魔石をドサドサ出した。


 さぁ、食事の時間だ。


 ホーンラビットは素早い魔物だったし、レイも素早くなってくれるのかしら。

 レイ! 肉も魔石も一気に食べちゃって!!!


 レイは肉に覆いかぶさり吸収し、魔石をつまんでは肉を食べ、7体分をあっという間に平らげてしまった。


 うむ、見事な食べっぷりである。


 それでは、改めてステータス、オォォォッップゥゥン!



-

レイ

0歳

種族:スライム

状態:空腹


Lv6


HP 142/142

MP 40/40


STR:56

VIT:38

INT:24

DEX:34

AGI:38


【所持スキル】

悪食

格納

酸弾

-



 おっ、いい感じだ。

 DEXとAGIがめっちゃ伸びてるところからして、ホーンラビットの素早いって特徴がそのままステータスとして貰えると思っても良さそうだね。


 DEXって器用さじゃなかったっけ? あいつ器用だったのか?


 しかしなんだ、スライムってレベルでのステータス上昇は限りなく低いけど、逆に魔物食ってればレベルを上げる必要もないのか……

 スーパー便利従魔だ。


 さて、レイも強くなってきたことだし、お金も溜まったし。


 防具を買おう。


 今更だよね? うん、今更だね。

 そもそも普通はもっと早めに買うよね。

 今の俺の装備といったら剣と盾。体は防具無しの前世界でいつも着ていたラフな格好の服のみ。


 そう言えば服装について何も突っ込まれたこと無いけど、多分転生の光を見て俺が転生者って皆が分かったからかな。


 思えば体の防具無しでここまで魔物と戦ってたんだよな。

 普通の冒険者が見ればアホかと思う状態だ。


 町に戻って早速防具屋にいくぞ。





「いらっしゃ……お、ユウスケじゃないか。」


 防具屋の中に入ると、20代くらいの男性が声をかけてきた。

 サッタという名前で、スライムぷにぷに仲間の一人だ。


「や、そろそろ防具を揃えようと思ってさ。」


「それがいいね、防具は命に直接関わってくる大事な物だし。」


 そんな話をしながら、サッタはテキパキと防具を並べ始めた。


「取り敢えず値段別に防具を並べてみたよ。」


 左から銅貨4枚の皮の胸当て、銅貨8枚の皮の胸当て、銅貨10枚のレザーアーマー、銅貨16枚のレザーアーマー。

 その他にも小手とか膝当てとか色々並べてあった。


 その説明を順番に聞いていく。


 金銭的にも問題なかったので、取り敢えず一番いいやつを全部いただくことにした。


 銅貨16枚のレザーアーマー。スモールタートルの甲羅と外皮、それにホーンラビットの皮が使われており、ここいらの魔物で取れる装備では一番頑丈でそれなりに軽いという話だ。

 普通はサイズが合う物を後々作るのが一般的らしいんだけど、どうやら予備にサイズの合う物があったらしく、その場で微調整をしてすぐ受け取ることが出来た。


 銅貨8枚の小手と膝当て。これもスモールタートルの素材が使われていて軽めでそれなりに頑丈。


 合計銅貨32枚、銀貨1枚と銅貨12枚とも言える。


 俺はポーチから銀貨1枚と銅貨12枚を取り出してサッタに渡す。


「スモールタートルの甲羅まで使ったレザーアーマーで、銅貨16枚って安くないか?」


 ふと思ったことを口にしてみたら、


「仕入れた素材で5着程作れるからね。十分黒字だよ。」


 なんて言っていた。





 俺は防具屋でそのまま防具を着込み、防具屋をでた。

 なんだか、本格的に冒険者になったような気持ちだ。

 戦士っぽい…戦士っぽいぞぉ…!

 ものすごく浮かれた気持ちでお散歩をしていたら、ふと一件の家が目に入った。


 リーニャが住んでいる家だ。

 そういや、お見舞いも全くしてないな。顔見に行こうかな…


 コンコンとドアを叩く。


「はーい。」


 中からリーニャの声がして、玄関の扉が開いた。


「あ……ユウスケ……。」


「やぁ……その、調子はどう?」


「あ、えっと、うん。随分、良くなってきてるわ。取り敢えず上がって。」


 リーニャは歯切れ悪くも俺を歓迎した。

 やっぱりもうちょっと時間をおいて来るべきだったかもしれない。


 家に上がって、居間へと案内される。

 そこで机に向かい合うように座る。


 なんだかそわそわした空気の中、先に沈黙を破ったのはリーニャだった。


「それ、防具買ったのね。」


「あ、あぁそうなんだよ。いつまでも防具無しじゃ大変だしね。」


「そうね……その……に、似合ってると思うわ。」


「そうかな? ありがとう。」


 再び訪れる沈黙。

 何を喋ったらいいか分からないくらい緊張してる。


「私も、防具買わないとね。前使ってたの、随分前に捨てちゃったから。」


「そう言えば、あの時も防具着てなかったね。」


「……うん。」


 しまった、失言した。

 俺が焦っているのがわかったのだろう、


「大丈夫よ、もう引きずってないわ。ユウスケに迷惑をかけたのは間違いないし、私も死にかけたけど。得るものは、大きかったと思う。」


 と、微笑みながら言った。

 色々吹っ切れたみたいだ。良かった。


「改めて、ごめんなさい。あの時はちょっと、色々焦ってたわ。」


「いや、良いよ。誰でもそういうことはあると思うし……」


「ふふっ、ユウスケって優しいよね。甘いとも言うのかしら。」


「いやいやそんな……」


 クスクスと笑うリーニャ。

 受け付けにいた頃とそう変わらない。

 いや、その頃よりも柔らかい笑みを見せていた。


「ユウスケ、言い忘れていたのだけど……」


「ん、なに?」


「助けてくれて、ありがとう。私の命は、あなたのお陰で救われたわ。」


 リーニャは柔らかい笑みのまま、真剣な目で俺を見つめてそう言った。


 助けてくれてありがとう、か。


 そう言えば、面と向かって感謝されたのっていつ以来だっけ。

 俺は好きなことしかやらないタイプだったから、ボランティアはおろか、家の手伝いすらまともにやったことはなかった。

 それこそ小学生の頃に、転んで膝を擦りむいた友達を背負って保健室に連れて行った時くらいだ。


 感謝されるのも、なんか悪くないね。


 そんなことを思いながら、30分程他愛もない雑談をして、俺はリーニャの家を後にした。

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