8話 ダートフロッグ討伐完了
2018/08/26 レイのレベルを2→1に修正しました。
後々の物語に影響しますが、序盤に影響はありません。
前回のあらすじ
レイが格納という新たなスキルを手にし、素材の運搬方法に悩まなくてすんだユウスケは、肉と魔石でのステータス上昇値を比較しながらダートフロッグの討伐を完了したのであった。
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「はぁー疲れたぁ。」
剥ぎ取りを終えた後、休憩中に襲われてはかなわないので一度沼地から離れた所で寝転がっていた。
ダートフロッグ討伐7匹、舌×7、足×14。
無事、完了です。
ダートフロッグを倒す度にレイに肉と魔石を与えて比較したが、やっぱり肉より魔石の方がステータスが上昇した。
もし剥ぎ取りせずに魔物まるごと食べさせたら、もっとステータスが上がるかもしれないな。
そんなことを思いながらステータスを開く。
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ユウスケ・マツイ
18歳
職業:モンスターテイマー
状態:普通
Lv2
HP 70/70
MP 53/53
STR:11
VIT:15
INT:8
DEX:17
AGI:18
【所持スキル】
[U]テイム限界解放
[U]多言語理解
テイム
意思疎通
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レイ
0歳
種族:スライム
状態:普通
Lv1
HP 65/65
MP 16/16
STR:18
VIT:20
INT:11
DEX:13
AGI:12
【所持スキル】
悪食
格納
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俺のレベルが上っていた。レイのレベルが上がってないということは、倒した本人だけに経験値が入るのか、それとも俺とレイ両方に経験値は入っているが、単純に経験値が足りてないだけなのか……
それより
「もう俺より強いんだよなぁ……」
いや、ソレが普通か。俺テイマーなんだから俺が戦う事自体おかしいんじゃないか?
っと、そういえばスライムを多めに討伐した分の魔石が4個残ってるし、コレも食わせとこう。
「レイ、この魔石も食べな。」
レイはぷるぷる震えながら魔石を4つ体内に溶かしていく。
しかしダートフロッグのあの巨体を5分くらいで溶かすといい、魔石を溶かすといい、結構強い酸でも持ってるんだろうか。
「なぁレイ、食べてるときに使ってるその酸みたいなの、飛ばせないのか?」
半ば冗談でレイに言ってみたら、レイは少しぷるぷるした後、近くにあった岩に向かって水の玉みたいなのを飛ばした。
ソレが岩にぶつかると、岩がシュワシュワと音を立て始めた。
「…え? マジで出来ちゃうの?」
そんなスキル持ってなかったよね? 通常攻撃じゃないよね?
改めてステータスを開き直すと、所持スキル欄に酸弾というスキルが追加されていた。
何このひらめきシステム。ロマ○ガかな?
しかしMPを10も使っているので、ここぞという時以外使わないほうがいいな。
そうして無事、依頼を完了したユウスケは、スライムの魔石を食べて多少ステータスが上がったレイを両手で抱え、エマの町へと帰るのだった。
「あっ、おかえりなさいユウスケさん。大丈夫でしたか?」
俺を送り出してくれた受付嬢は、冒険者ギルドへ戻ってきた俺を見つけ、カウンターの向こうから声をかけてきた。
今はカウンターの向こうにいるから仕事モードかな。
「はい、なんとか大丈夫でした。」
「それなら良かったです。では確認致しますので、必要部位の提出をお願いしたいのですが…」
そう言って受付嬢は俺の後ろに目を向けて、
「今、どちらに保管されていますか?」
あぁ、そうか。普通は手押し車みたいなので運んでくる様な感じだよな。
レイが格納できることを伝えておかないと。
「えっと、レイ……このスライムが、今全部保管しています。」
そうやって両手で抱えていたレイを受付嬢に見せる。
「……え? スライムが、ですか?」
受付嬢は驚いていた。スライムが格納できるのってあんまり広まってないのかな? それともここにはテイマーあんまり来たこと無いから知らないだけかな。
「はい、ここで出すのもちょっとアレなんで、どこか出せる場所があればすぐに出しますよ。」
受付嬢は信じられないという目を俺に向けながら、それでも実際に見てみないと嘘だッ! とも言えないようで、
「わかりました。では、魔物を解体している小屋まで案内しますので、そこで出していただきますね。」
そう言ってカウンターから出てきた受付嬢は、砕けた口調になりつつ俺を解体小屋まで案内してくれた。
解体小屋を見た第一印象は、もはや普通の一軒家って感じの大きさだった。
「デモランさん、いる?」
受付嬢が解体小屋の扉をノックしながらそう呼びかける。
どうやらデモランという人が、魔物解体の責任者らしい。
呼びかけた数秒後、奥から声が聞こえてきた。
「おう、ちょっと待ってくれ。」
野太く厳つい感じの声が聞こえた後、15秒ほどして扉が開く。
中から現れたのは、声に違わず厳つい顔の、立派な無精髭をはやした30代の男性だった。
「おう、リーニャか。受付の仕事はどうしたんだ?」
受付嬢はリーニャという名前らしい。ここで初めて知ったよ。
「ちょっとこちらの冒険者さんの依頼完了でね、ダートフロッグの舌と足をここで出して貰うのよ。」
「はーぁなるほど。大きさ的に確かにギルドん中で出すような物じゃねーな。」
デモランはそう言って中に案内してくれた。
「よし、まぁ名前は今さっき聞いたと思うが、俺がデモラン。ここで解体の責任者をやってる。」
「あ、俺の名前はユウスケです。モンスターテイマーやってます。」
「あぁ、だからスライムつれてんのか。スライムって元々襲ってこないから、テイムとか関係なく子供が抱きかかえて町につれてきたりするんだぜ。」
デモランは笑いながらそんなことを話した。
スライムってやっぱり元から敵意とかそういうの無いんだ。
そりゃ討伐楽だわ。
「んで、そのダートフロッグの舌と足はどこにあるんだ?」
デモランにそう聞かれたので、俺はレイを机の上におろした。
「レイ、ダートフロッグの舌と足、全部出してくれるか?」
レイはぷるんとした後、舌と足をポンポンと出していった。
その光景を、リーニャとデモランは唖然とした表情で見ていた。
「えっと、舌が7つと足が14つで、7匹分です…けど、どうしました?」
俺が声をかけたことで我に返ったらしい2人が声を出す。
「受付で言ってたこと、本当だったのね…」
「おい、お前のスライム、アイテム保管出来るのか?」
デモランが俺に尋ねる。
「はい、そうですよ。普通は出来ないんですか?」
この驚きようから、知らなかったとかじゃなくて、あり得ないの方だと思い、聞いてみた。
「そんなスライムが居たらテイマー全員スライムずっとつれてるさ。俺は見たことないし、話も聞いたことないな。」
デモランは苦笑しながら答えた。
リーニャは真剣な顔をしながら、
「……特殊個体なのかしら?でも見た目は普通のスライムだし……」
とか呟いていた。
「えーと、取り敢えず依頼の完了手続きを…」
そう切り出したら、リーニャは少し慌てたように舌と足を確認し、手続きを進めるのであった。




