第6話 スタンドの思い
3回戦の相手は北見北陽に決まった函館大翔稜
先発は背番号10の黒田に決まった
対する北見北陽の先発は北北海道NO.1の呼び声の古谷
またしても強豪同士の戦い
果たしてどうなるのか!?
試合当日の朝。
大柳監督は春の大会優勝する為に数多くの策を練っていた。
練習グランドではスタメンが発表された
1 小柳 8 2年
2 和田 6 1年
3 須田 3 3年
4 城 2 3年
5 佐藤 5 1年
6 中村 7 3年
7 平田 9 1年
8 黒田 1 3年
9 渡部 4 2年
なんと1年生を3人抜擢してきた。
1回戦で好投を見せた輝星を外野の先発で起用してきた。
「早いストレートをまずは狙う。変化球は捨てていい。1点勝負になる。まずは先取点を奪えるようにしていくぞ。」先取点を課題に試合に挑む。
試合前キャプテンが集まり、オーダー表の交換。先攻、後攻の結果先攻が函館大翔稜に決まった。
シートノックを終え、ベンチ前に集まる。
「連日好投手が相手になる。気負けはせず必ず勝つぞ。投手陣はいつでも行ける準備はしておくように。」大柳監督の話が終わった。
「1回の表。函館大翔稜高校の攻撃は1番センター小柳くん。」
応援歌と共にバッターボックスに入る。
昼の青空の下試合が始まる。
ワインドアップからクロス気味のフォーム
初球はインコースにストレートが決まりストライク。
スピードは147を計測した。
2球目外に逃げるスライダーに手が回る。
3球目はアウトコースにストレートもボール
4球目インコースにスライダーが決まり三振に。
小柳はすかさずベンチに戻り
ストレートと変化球の情報を与えた。
2番和田も三振に。3番須田は146キロのストレートをとらえるもファーストゴロに。
三者凡退に終わった。
一方函館大翔稜の黒田は内野ゴロ3つに抑え1回はお互い0で終わった。
2回の表バッターは4番城へ
北見北陽ベンチも1番気をつけたいバッターに名前を挙げていた。
1回戦は2ホーマーと大暴れ。
しかし、この打席は3ボール1ストライクからフォアボールを選んだ。
5番佐藤は3球目を捉えたが6-4-3のダブルプレーに終わった。
黒田の力投は続く。
黒田は思った。「背番号1だけがエースではない。スタンドにいるみんなも一緒に戦ってる。俺は元でも1を背負った。なんとしてもみんなの思いを胸に勝ち上がる。そして、抑える。」と自分に言い聞かせるよう試合に挑んでいた。
お互い投手陣の力投で点は譲らず5回を終了。
黒田はヒットを許すものの粘り強い投球で、古谷は渡部にヒットを許して以来の1本のみ。三振も15のうち9が三振と三振の山を築く。
6回表函館大翔稜の攻撃は1番小柳からの好打順。
攻撃前円陣が組まれた。
「狙い球は各自に任せる。泥臭くてもいい。とにかく塁に出よう。」大柳監督は円陣でそう話した。
1番小柳は1ボール1ストライクからセーフティーバンドを試みた。三塁線に転がる
北見北陽のピッチャー古谷がさばくが間に合わず。
0アウトからのランナーが生まれた。
チーム安打も2本目に。
2番和田が打席に入る。
サインは強行策。
初球アウトコースのスライダーに手を出すも空振り。
2球目。1塁ランナー小柳はスタートを切った。
インコースのストレート見逃しボール
キャッチャーはセカンドに送球。
「セーフ!」盗塁成功だ。
「下級生がチームを引っ張る。スタンドの思いも背負ってる。」チームは一丸となりかけている。
北見北陽戦。相手ピッチャーは北北海道トップクラスの古谷。
打線は5回まで0-0の接戦。
6回先頭の小柳が塁に出て盗塁を仕掛けて成功。
この試合初のチャンスが巡ってきた。