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目指せ〜夢の果てへ〜  作者: 稲崎 誠
憧れの学校へ
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第4話 エースのプライドと意地

1回戦15-0の5回コールド勝ちを収めた函館大翔稜。1年平田輝星の活躍もあり、チームは波に乗り始めた。

2回戦の相手は強豪東光大港西。

2年生エースの大楽が告げられた。

1回戦終了後ミーティングを行い、東光大港西の対策と反省をした。

「港西は左のエース渡部が鍵になる。クリーンナップは振りが鋭く、3人ともに30HRは超えてきている。ここに気を取られすぎると1、2番の出塁率、盗塁も怠る。ここ近年で力をつけてきているチームだ。油断は大敵だ。先発は大楽お前でいく。勝てば連戦。まずは2日後の試合にしっかりと挑もう。」大柳監督は冷静なコメントを選手達に送った。


解散後投手陣は城とのミーティング

野手陣は自主練と励んだ。


次の日大楽は30球程度投げ込んだ。

二刀流寺尾も投げ込みを行った。

函館大翔稜は大楽、黒田、川井、寺尾とMAX145キロを超えるカルテット

輝星も1年生ながら140キロを投げる逸材だ。


練習後、ミーティングが開かれ

スタメン発表が行われた。

1 小柳 中 2年 8

2 和田 遊 1年 6

3 須田 一 3年 3

4 城 捕 3年 2

5 佐藤 三 1年 5

6 寺尾 右 3年 18

7 中村 左 3年 7

8 大楽 投 2年 1

9 渡部 二 2年 4

1回戦と打線を少し変えてきた。

寺尾は野手で先発ながら投手としての準備もするよう監督から告げられた。


24の試合当日。

東光大港西はエース渡部を温存し、同じ3年の北方できた。

北方は渡部と共に左右のエースとして活躍している。

ストレートの球威、制球共に全国でもトップクラスに躍り出る存在だ。

プロの球団も目を光らせている。

函館大翔稜は先攻で始まる。

1、2番を入れ替えたのはこの北方対策も練られていた。

北方は対小柳を苦手としている。

練習試合での対戦では5-3と小柳が当たっている。

内容を見ると投げにくそうにこの小柳にはボール先行が多いのだ。


「1回の表函館大翔稜の攻撃は1番センター小柳くん。」

スタンドからはスピードスターが流れる。

「ラーラララーララー・・・」

「さて、ダブル切り込み隊長の1人目行きますか。」小柳はリラックスしていた。


太陽が照りつける中試合が始まった。

初球、2球目とボール

やはりボール先行した。

3球目芯で捉えた打球がセンターへ抜けた。

2番和田は確実に初球で送りバントを決めた

3番須田はライトはフライを打ち上げたが、2塁ランナー小柳は俊足を飛ばし3塁へ

2アウト3塁好機で4番城へ

先制点が欲しい。先制できれば大きな場面。

初球ストレートをファール

2球目スプリットを見逃しボール

3球目外に逃げるスライダーを見逃しボール

4球目フロントドアできたスライダーにバットを出した

打球は三塁線を抜けた。

「抜けたー!4番城!今日も仕事をやってのけました!」先制点は函館大翔稜へ。

しかし、大柳監督は思っていた。

「1点目は関係ない。次の点がどちらに入るかで流れは変わる。」そう分析していたのだ。

この回は1点止まり。

先発の大楽がマウンドに上がる。

「大楽!頼んだぞ」大柳監督は1言言って送り出した。

「球は走ってる。いつも通り頼むぞ。」城は大楽に寄り添い言葉を交わした。


初球の入りを大事にしたい。

城はここだけを大事にしていた。

だが、大楽は先頭にフォアボールを与えた。

続くバッターには初球を狙われていきなり0アウト1、3塁のピンチに

エースの意地を見せるとき。

城はタイムをかけマウンドに向かった。

「球は来ている。ここでギアチェンジするか?」城は大楽の気持ちを読み取った

「はい。ここで点を取られると相手に流れが行きます。打たれるのがイヤだ。3つ三振に取って帰ります。」大楽は勝負師の目をした。

大楽は6割くらいで投げていたが

ここで一気にギアチェンジすることにした。


3番にはアウトコース低め143キロのストレートで三振に。

4番にはフロントドアで中間守備を履いていた内野で6-4-3のダブルプレーでピンチを乗り越えた。

「しゃー!」大楽は吠えた。

エースの意地とプライドを背負い、また、スタンドで応援する選手達の気持ちも背負っている。

負けてたまるか。大楽はその気持ちが大きかった。


打線はランナーを出すが、得点には結びつかず。

大楽もランナーを出すが得点を与えない。

我慢比べの試合は5回まで終えた。


「さすがエースの投球だ。」輝星はベンチでそう感じていた。


6回表の前。ベンチではミーティングが開かれた。

「甘い球と思ったら迷わず振り抜け。10点とは言わん。あと1点どうにかもぎ取ろう。」大柳監督は端的に伝えた。


大楽は5回を終え70球。

被安打3、四死球2、奪三振5の内容だ。

ブルペンでは黒田が3回から肩を作り出している。

また、寺尾も合間を縫って肩を作っていた。

「継投のタイミングか。継投が裏目に出ると負ける。」遠藤コーチはそう感じていた。


6回表は5番の佐藤からの打順だ。

このまま逃げ切るか!?それとも勝ち越させるのか!?

勝負の行方は後半へ。







函館大翔稜はエース大楽の好投で東光大港西打線を抑え込む。

一方東光大港西の右のエース北方も1失点とガマンの投球を続けている。

勝負は6回へ。このまま逃げ切るのか、それとも勝ち越させるのか後半戦へ続く

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