第26話 大声援を背に
中盤、2点を先取した函館大翔稜。
途中からリリーフした寺尾の好投で6回までゲームを作った。
そして、7回表函館大翔稜はついにエース大楽が初登板をする
残り3イニング苫小牧日大打線をどう抑えるのか注目が集まる。
エースが夏初登板。
2点リードの7回に登板させてきた。
苫小牧日大は7番久本からの下位打線。
緊急リリーフの寺尾がゲームを作ってきて、
残り3イニング。5年ぶりの夏の甲子園へ望みを繋げた。
久本への初球135キロのストレートでストライクを取った。
MAX142キロを投げる2年生エースにしては
ノビやキレ、スピードは本調子とはいえない初球だった。
2球目インコースのストレートを捉えた。
ショート宮迫に飛ぶ。
しかし、ダッシュしてきた際にファンブルしてしまいエラーとなる。
守備に定評がある宮迫。
ここは珍しいエラーだ。
続く8番エースの橘は初球をきっちり送り1アウト2塁の曲面を作った。
9番西野から上位打線に回る。
ここから嫌なバッターが続く。
西野は粘った末、7球目のボール球を見送りフォアボールを選んだ。
ここで函館大翔稜はタイムをかける。
1塁側ブルペンでは1年の平田が準備している。
伝令には中村が走る。
「1点はいい。とりあえずこの上位で締めよう。」
大楽の肩をポンと叩き中村はベンチへ戻った。
1番福田が打席に入る
1アウト1.2塁。一打同点のチャンスだ。
1-2からの4球目。
ストレート中心に攻めていたが
大楽はスプリットを投げた。
福田は低めの球を拾った。
打球はセンター方向に飛んだ。
長打コースになる。
2塁ランナー久本は生還。
1塁ランナー西野が無謀な走塁で3塁を蹴った。
センター小柳は中継宮迫に送球し、宮迫がホームに送球する。
しかし、ボールが少し一塁側に外れ、2点を奪われ同点になる。
苫小牧日大サイドは最骨頂に盛り上がる。
打った福田は2塁ベース上でガッツポーズを
橘も体で喜びを爆発させた。
「函館大翔稜ピッチャーの交代をお知らせいたします。ピッチャー大楽くんに変わりまして平田くん。」ここでこの夏快進撃のキーマンともいえる平田をマウンドに送った。
「頼むぞ。」マウンドでは大楽が輝星に声をかけた。
「もう点はいれらせない。頼むぞ平田。」城は輝星に声をかけた。
1アウト2塁。
バッターは大澤が入る。
ここで打たれれば負けると輝星は感じていた。
初球、142キロ近くのストレートがストライクに決まる。
2球目はファールで追い込んだ。
3球目縦のスライダーを投じるもの見られた。
4球目大澤は輝星のスライダーをとらえた。
打球はセンター返しで飛んでゆく
福田は二塁を蹴り、3塁へ回る。
しかし、小柳がホームに投げ返した。
キャッチャーとのクロスプレーに
結果はアウトになった。
今度は函館大翔稜サイドが盛り上がった。
大柳監督も「これは大きなプレーになりそうだ。」
そう感じていた。
2アウト2塁ここからクリーンナップだ。
3番山田健が打席に回る。
注意の必要なバッターがここから続く。
初球140キロのストレートを見逃しストライク
2球目は142キロのストレートを見逃しボール
3球目は140キロのストレートを見逃しストライク
勝負の4球目輝星は思いっきり腕を振った
球はミットに糸を引いたかのように吸い込まれる。
強打者山田健は踏み込んで振り抜いた。
しかし、ボールはキャッチャーミットに吸い込まれた。
球速表示は147キロを叩き出した。
「しゃーーー!」輝星は叫んだ。
山田健はまさか!?と言う顔をした
城は軽くガッツポーズをする。
函館大翔稜スタンドは大歓声が飛び交った。
「輝星いいぞ!」と言う声がたくさん飛び交う。
同点にされた7回裏。
大柳監督は円陣を組ませた。
「ここからが一踏ん張りだ。残りイニングも少ない。1点を取りに行くぞ!」と声をかけた。
「函館大翔稜宮迫くんに変わりましてバッター駒澤くん。」ここで期待の長距離砲1年駒澤が打席に入る。
駒澤は思っていた。
「追い込まれる前にストレートを捉える。スライダー待ちのタイミングで左中間に飛ばす。」早いタイミングで勝負に出る事を頭に入れていた。
初球はアウトコースにストレートが外れる。
2球目。インコースにスライダーが決まりストライク。
3球目だった。少し甘めに入ってきたストレートを流し打ち。
振り抜いた打球は左中間に飛んでいく。
間を破り駒澤は1塁を蹴り2塁へ。
悠々の2塁打だった。
0アウト2塁。最大のチャンスが訪れる。
8番平田が打席に入る。
バッティングもいい1年生が続く。
初球は変化球を見逃しボール。
2球目ストレートをセーフティーバントした。
打球は三塁線に転がる。
橘が捌き、1塁へ投げる。間一髪アウトだった。
1アウト3塁。
9番渡部が打席に。ここから上位に回る。
苫小牧日大ベンチはタイムを取りマウンドに集まる。
「この9番1番で勝負しよう。1点はしゃーない。」
野手陣は中間守備を取った。
渡部への初球147キロを計測したストレートがアウトコースに決まる。
2球目、フォークを振らせた。
3球目、スライダーを見逃しボール
4球目、またフォークを振らせ三振に仕留めた。
この試合あまり投げていないフォークボール。
打とうと思えば落ちてくる落差のあるフォークだ。
そして、1番和田が打席に。
普段より少しバットを短く持った。
初球インコースのストレートを捉えた。
ショートに弱いあたりが飛ぶ。
ショート山崎は猛ダッシュし、1塁へ送球。
和田はヘッドスライディングをするもアウトに。
橘は「しゃー!」と叫んだ。
8回表。函館大翔稜は代打の駒澤がファースト
ファーストの須田がサード
サード和田がショートに回った。
苫小牧日大はこの回1アウト2塁のチャンスを作るも
輝星に抑えられた。
一方、函館大翔稜は2アウトから寺尾が2塁打を放つも0に抑えられ遂に9回を迎える。
試合は2-2となり最終回に。
苫小牧日大エース橘はここまで110球の熱投
一方函館大翔稜4番手平田はピンチを作るも踏ん張っていた。
泣いても笑ってもラストの試合。
そして、ラストイニングに入る。




