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目指せ〜夢の果てへ〜  作者: 稲崎 誠
憧れの学校へ
25/30

第24話 夢への階段

いよいよ夏の北海道大会決勝が始まる。

函館大翔稜先発は3年黒田。

泣いても笑っても北海道大会ラストの1戦。

果たして勝つのは!?

緊迫した空気の中、北海道では珍しく炎天下になった。

「1回の表苫小牧日大の攻撃は1番サード福田くん。」

25℃を越えた気音の中13:00丁度に試合開始の合図がなる。

「プレイ!」審判の掛け声とともにサイレンが鳴り響く。

苫小牧日大からは全国屈指のブラスバンドが鳴り響く。

応援歌は「SEEOFF」だ。

全校生徒の応援とブラスバンドが鳴り響く中

黒田は投げ込んだ。

初球ストレートが決まりストライクに。

2球目はカーブでファールに取った。

遊び球はあるのか?3球目アウトコース低めに手元で少し曲がるツーシームが決まり3球三振に取った。

黒田は「しゃー!」と叫んだ。

幸先のいいスタートだ。

2番大澤はショートゴロ、3番山田健はセンターフライに打ち取った。

大柳監督は城に近づく。

「黒田は球は走ってるか?」

「はい。球に気持ちが乗っていて取ってる方も気持ちがいいです。しかし、1番福田の見逃しからみて2巡目からなにがあるかわかりません。覚悟はしておいた方がよろしいかと。」城は大柳監督にそう話し、ネクストバッターサークルにスタンバイした。


「1回の裏、函館大翔稜の攻撃は1番ショート和田くん。」

「リードオフマン頼むぞ!」スタンドから声が届く。

「嵐吹くこの街でー・・・」和田の応援歌紅が流れる。

じっくりと見ていきたい場面だ。

エースの橘はどんな球を投げるのか。

そして、1番としてまた役割を果たすためになにが必要か。

橘はセットモーションから初球を投じた。

和田は見逃したがストライクだ。

2球目ストレートを流し打ちした。

しかし、ラインを割りファールに。

3球目からは粘りを見せる。

ファールとボールを挟み7球粘った。

2ボール2ストライクからの8球目、橘のカットボールを弾き返した。

ピッチャー返しでボールは抜ける。

ショート山崎もダイビングするもボールはセンター前に抜けた。

0アウト1塁だ。初回から城にいい形で回した。

城が打席に入る。

初球は見逃しボール。

大柳監督からサインが送られる。

2球目橘が足を上げた段階で和田は走った。

城はワザと空振りをする。

キャッチャー山田健から二塁に送球される。

ストライク返球だったが、判定はセーフ。

1年がここで盗塁を決めて見せた。

サインはグリーンスタートだったのだ。

グリーンスタートとはランナーの好きなタイミングで走っていいというサインだ。

初回からいきなり得点圏。しかもバッターは好打者城。函館大翔稜にとってはもってこいのチャンスだ。

1-1からの3球目。スライダーを捉える。

打球はライト方向に強い打球がいく。

しかし、セカンド西野がダイビングキャッチし城をアウトにした。

進塁打となったが、抜けてると抜けてないとなら展開はちがう。

3番小柳にまわる。

初球からバットを振りボールは左中間に飛んでゆく。

センターが落下地点に入りキャッチ。

少し浅いフライだが和田はタッチアップした。

センターからキャッチャーへノーカットでストレートのストライク返球がいく。

スライディングを試みた和田だが僅かに遅くアウトになった。

まさかのゲッツーに苫小牧日大のベンチが盛り上がる。

2回表。苫小牧日大は主砲山田大からの攻撃だ。

甘く入ったストレートの4球目をとらえられた。

打球は右中間へフェンス直撃し二塁打に。

0アウト2塁。今度は苫小牧日大にチャンスが広がる。

5番田山は初球送りバントを決め、1アウト3塁の場面になる。

6番2年の山崎に回る。山崎は1年夏からベンチ入りし、秋からショートとしてレギュラーを張っている。

苫小牧日大期待の2年生なのだ。

ここで函館大翔稜はタイムをかける。

伝令には大楽が走る。「1点は大丈夫。だが、ここは万能な山崎が相手だ。スクイズもある。防げるところは防ごう。」内野陣とともに心を落ち着かせベンチに戻った。

函館大翔稜は前進守備。1点もやらない体制だ。

初球アウトコースに外れる。

2球目バントの構えもダミーだった。しかし、ストライク。

そして、3球目だった。黒田が足を上げた瞬間3塁ランナー山田大はスタートを切った。

山崎はバットを寝かせた。スクイズだ。

黒田は高めにストレートを投げ込んだ。

山崎はバットにボールを当て前に転がした。

ボールは小フライになる。

黒田はダッシュしてきてスライディングした。

ボールはグローブに収まる。山田大が飛び出しているのを見て3塁に送球した。

ダブルプレー成立だ。

今度は函館大翔稜がゲッツーを見せた。

スタンドからは大きな歓声があがる。

しかし、ここで黒田に思わぬアクシデントが起きていた。

ベンチに帰り、左手首を抑える仕草を見せる。

「どした!?スライディングでやらかしたか!?」

「恐らくスライディングの際に手首をやったかと」

黒田は少し痛がった。

大柳監督は無理をさせるのも禁物。しかし、まだ2回と考えていた。


2回の裏。函館大翔稜は4番寺尾からの打順。

なにかとチャンスを作りたいと思っていたが

4番寺尾、5番須田、6番秋山と3者凡退に倒れた。


3回表。苫小牧日大は久本からの攻撃。

2球目を捉え、ライト前にヒットを放つ。

8番橘は送りバントを決め1アウト2塁のチャンスを作った。

9番西野はミートのうまいバッターだ。

どんな球でも捉えれる嫌なバッターなのだ。

2球で追い込むも、ここからバットを出し、5球連続で粘った。

8球目、ストレートをレフト前に流し打ちで運んだ。

1アウト1.3塁のチャンスを作った。

「利き腕ではないが、左手の使い方が甘くなっている。体を庇ってコントロール、球威ともに甘くなっている。」城は察した。

1番福田の2打席目が回る。

ここで、城はベンチに向け肯いだ。

「函館大翔稜選手の交代をお知らせします。

レフトの寺尾くんがピッチャー、ピッチャーの黒田くんに変わりましてレフトに中村くんが入ります。」

ここで2試合連続緊急リリーフの寺尾をマウンドに上げた。

「寺尾、ごめん。もっと投げたかったがこのざまだ。あとは頼む。」黒田は寺尾に声をかけ、マウンドを去った。

スタンドからは大きな拍手を黒田に捧ぐ。

「1アウト1.3塁で2番大澤。正直1点もやりたくはない。大澤はなんでも出来るバッターだ。注意して攻めるぞ。」城は寺尾に声をかけた。

このピンチどう抑えるかが注目が集まる。


2回まではお互い守備が光り無失点に抑える。

しかし、3回表、2回にファインプレーをした黒田が体に違和感を訴え緊急降板。2試合連続でリリーフした寺尾がここでマウンドに上がる。

どのように苫小牧日大打線を料理するか注目が集まる。

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